《芦田多恵》「伝統の人気ブランド」デザイナーのたゆまぬ努力とは
皇室や政財界、芸能界をはじめ多くの顧客を持つ「タエ アシダ」のデザイナーであり、「ジュン アシダ」のクリエイティブディレクターも務める芦田多恵さん。長年通っているアンチエイジング専門のクリニックで健康管理をしてきたおかげか、更年期もなく、大きな病気をしたこともないそう。東京・代官山の閑静な住宅街に佇む本社は、蔦のからまる瀟洒な建物。芸術品や名作家具が並ぶラグジュアリーな雰囲気のサロンで、芦田さんお気に入りのシナモンが香るスパイスティーをいただきながら、じっくりお話を伺いました。今回は愛用コスメやナイトルーティンなど美の秘密に迫ります。
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「継続は力なり」がモットー。お風呂に入る前からベッドに入るまで美容には2時間かけます

ファッションデザイナー・芦田多恵さん(60歳)
「食生活には気をつけています。脂物は控えめにし、大好きな甘いものや炭水化物も最低限にしています」。
《Profile》
’64年東京生まれ。’91年にコレクションデビューし、’18年に父である故・芦田淳より「ジュン アシダ」を引き継ぎ、クリエイティブディレクターに就任。ブランドレガシーはそのままに、時代の空気を纏ったモダンなコレクションを毎シーズン発表。’21年にデビュー30周年、’23年にメゾン創立60周年を迎えた。令和6年度文化庁長官特別表彰を受賞。
昨年新たに創設された「文化庁長官特別表彰」を受賞し、今年1月に京都ブライトンホテルで行われた表彰式に行って参りました。このような名誉な賞をいただいて、とても感激しました。
デビューして34年。父・芦田淳が創業した「ジュン アシダ」は一昨年創業60周年を迎え、そのメゾンを継承するデザイナーとして、宇宙飛行士の船内服をデザインするなど、ファッションを通じて時代を切り拓き、世界に向けて高品質なものづくりを発信。国際文化交流、被災地や女性の支援活動についても評価していただき、本当に嬉しかったですね。これもひとえに長年にわたり支えてくださったお客さまや、一緒になって私の想いを実現させてくれたスタッフのおかげ。胸が熱くなりました。これからもファッションの力を信じ、精一杯努力し、挑戦し続けたいと思っています。
70歳で艶々かシワシワか。今日のケアで決まります
最近私の周り、「これいいよ」と教えてくれる美容に詳しい男性が多いんです。彼らのオススメって間違いないの。メイクアップアーティストの小田切ヒロさんから教わった洗顔法で、私のナイトルーティンは始まります。
クレンジングを終えたらお風呂。まず体を洗って、シャンプー&トリートメント。そのトリートメントをより浸透させる美容器具を使用しながら湯船に浸かり、ふくらはぎにはマッサージ器、お尻の下にはEMSヒップトレーニングマシンを置いて、テレビを見ながらそのまま15分。とにかくじっとしていられないので、頭からつま先まで全部忙しいんです。
お風呂から上がったらローションで整えて、年に一度韓国に行っては大量買いするシートパックを。その後、ナイトクリームで仕上げます。最後にボディクリームを全身に塗って、24時前後にベッドに。すべてが終わって、さあ寝ましょうとなるまで2時間くらいかかります(笑)。
メイクアイテムは、絶対にこれでなくてはというこだわりはありませんが、年に一度はコスメを総入れ替え。気持ちよく使うようにしています。
「継続は力なり」がモットー。専門家の方は、私がしていることは効果がないとおっしゃるかもしれませんが、やらないよりやったほうが絶対にいいと信じています。今日は疲れているからと1回休みにすると、やらなくなっちゃう。ここでやめたら、昨日までの努力が無駄になると思って、どんなに遅く帰宅してもやると決めています。マインドを落とすことが一番怖い。艶々の70歳になれるか、シワシワの70歳になってしまうか、今日にかかっているくらいのつもりで、毎日のケアを一生懸命頑張っています(笑)
芦田多恵さんの美の秘密

朝晩、頭皮に顔に。美顔器は3つを使い分け
小田切ヒロさんお勧めのセルキュア4T PLUS、石井美保さんに教わったステラボーテのレーザー&EMS リフトブラシPRO、小さくて軽いエレクトロンのエネボールを愛用。

最新の美容情報をチェックして常にアップデートしています
朝晩はアジャイル コスメティクス プロジェクトの化粧水とオイルが基本。夜のケアの仕上げはポーラのB.A グランラグゼ0 を。オムニキュアのキセキは毎朝毎晩。

潤い肌をキープし、唇を育ててくれるスティック美容液にハマっています
イヴ・サンローラン・ボーテのピュアショットセラムインスティックは、日中メイクの上からも使えて便利。エテルナムのリップセラムは、就寝前に塗ると、唇の輪郭が蘇ります。

母から贈られた香水瓶はアートとしても楽しめます
アネモネやバコントゥなど、ルネ・ラリックのボトルで毎年発売される香水を母が集めていて、私にもプレゼントしてくれます。ゲランのビーボトルは、私のイニシャル入りで。
東日本大震災で被害を受けた宮城県南三陸町の長期的な復興支援を目的とした小物制作プロジェクトを発足。現地の縫製技術者とコラボし、丁寧な手仕事と高品質な素材が魅力のラグジュアリーなマスコット付きキーホルダー「ミナ・タン チャーム」を制作。世界に向けて発信し続けている。
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2025年『美ST』5月号掲載
撮影/枦木 功(nomadica) ヘア・メイク/室岡洋希 取材・文/安田真里