ももクロ・玉井詩織さん(30)「芸能活動20年で壁を感じたのは、4人になったとき」【写真集発売記念インタビュー】

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「ももいろクローバーZ」のメンバーとして活躍する玉井詩織さんが、芸能活動20周年・30歳の節目を記念して、自身初となる写真集を二作同時に発売します。ベトナムで撮影された『たまゆら』と、脚本家・生方美久さんが手がけたストーリー写真集『しおどき』。それぞれ異なるコンセプトで作られたアニバーサリー写真集の撮影の舞台裏や、作品に込めた思い、そしてこれからの夢までたっぷりと語ってもらいました。

種子島生まれなので、自然や海が近い場所をロケ地に選びました

──芸能活動20周年、30歳という節目の年に、二作同時の写真集撮影と発売が決まったときのお気持ちを教えてください。

30歳と芸能活動20周年が重なる年だと知ったのは、実はマネージャーさんから言われて初めてでした。「あ、そうなんだ!」って(笑)。節目が重なるなんて、ちょっと奇跡的だなと思いましたし、そのタイミングで写真集を出させていただけることになって、私にとっても大きなプレゼントになりました。でも、何よりこの年齢まで活動を続けられているのは、応援してくださるファンのみなさんがいてこそ。受け取ってくださる方がいなければ、このお仕事は成り立たないので、日ごろの感謝の気持ちをこういう形でお届けできるのは、本当に幸せだなと感じました。

今回改めて思ったのは、写真集ってやっぱりすごいということ。これまでにも小さなフォトブックを出したことはありましたが、写真集は取材の量も、撮影までの準備期間も、出来上がってからのセレクトや制作工程も、すべてがスケール違い。撮る前よりも、撮った後のほうが、そのすごさを実感しました。

――撮影地のベトナムでの思い出や印象に残った出来事はありますか?

ベトナムには以前、グループでライブをしたことがありましたし、最近、特にフーコック島に興味があったので、また行きたいなと思っていたんです。あと私自身、祖母がいる種子島で生まれて、自然や海がとても身近でした。今回、写真集で自分らしさを表現できる場所を考えたとき、自分のルーツにも近いのかなと思ったんです。

今回、ホーチミンとフーコック島の2カ所で撮影しました。ホーチミンでは、東南アジアならではの町の雰囲気や交通量の多さ、活気ある街並みなど、現地の空気を肌で感じながら撮影できたのが印象的です。また、フーコック島は自然とカラフルな街並みが調和し、とても穏やかで居心地のいい場所でした。自然あふれる環境は自分にとてもピッタリで、のびのびと撮影することができました。

「こんな表情があったんだ!」と、いちばんビックリしたのは自分(笑)

――『しおどき』と『たまゆら』では、表現方法も大きく違いましたか?

全然違いましたね。『しおどき』は、生方さんが先にストーリーを書いてくださって、私はそのキャラクターを演じる形で撮影に臨みました。シチュエーションごとに「こういうカットを撮ります」という感じで進んだので、ストーリーに合わせる表情を作る感覚でした。撮影中、自分がどんな顔をしているのか、わからないことが多かったです。

一方、『たまゆら』は、完全に素の自分を切り取っていただいた作品です。もともと旅行が好きで、特に暑い場所にいると自分らしくいられるので、純粋に楽しんでいる表情がそのまま写真になったような感じで。より自然体で、“今の自分”を映し出しているのはこちらかなと思います。

――おっしゃるように、『たまゆら』は飾らない素の表情がとても印象的でした。自然体でいるための秘訣があれば教えてください。

もともと自分を取り繕うのが苦手で、嘘もつけないタイプなんです(笑)。ステージではかっこよく見せたいときもありますが、うまく決まらないことも多くて(笑)。だからこそ、ありのままの自分でいられる空間や落ち着ける環境が大事なのかなと思います。

──これまで写真を撮られる機会はたくさんあったと思いますが、満を持しての初写真集となると、普段と撮影に臨む気持ちに違いはありましたか?

そもそも写真集というものが自分には遠い世界で、どう準備すればいいかもわかりませんでした。撮影が始まってみると、いつもの撮影より圧倒的に写真の枚数が多く、ベトナムだけで1万枚以上。しかも、グループのときと違い、全てのカットに自分が写っているのが新鮮であると同時にプレッシャーでもありました。「表情のバリエーションが乏しくて、作品としての彩りや深みがなくなったらどうしよう」と、最初はかなり緊張していました。

また、スタジオやセットではなくロケ撮影だったので、環境も普段とは全く違いました。でも、今振り返ると、ロケだったからこそ、その場の空気を純粋に楽しんでいる姿や、その瞬間の感情を切り取ってもらえたんだと思います。「自分にもこういう表情があったんだ」とすごく驚いて。おそらく、写真集が出来上がったとき、いちばんビックリしたのは私です(笑)。カメラマンの方たちをはじめ、スタッフのみなさんの力で引き出してもらえたことに、本当に感謝しています。

ファッションは、ベトナムに合う色と、同性目線でも可愛いと思ってもらえるものを

──衣装選びはどうでしたか?

写真集の衣装合わせは初めてだったので、最初は自由に気になるものを選んでいきました。黄色は自分のメンバーカラーなので絶対に取り入れたいと思っていましたし、普段はあまり着ないような色やデザインの服にも挑戦しました。ベトナムに合う色というのを念頭に置きながら、色彩豊かな町に映えるような衣装を選ぶのも楽しかったです。現地ではポーズ数もどんどん増えて(笑)。この年齢だからこそ着こなせるエレガントなラインのワンピースや、少し露出が高めの衣装などもいやらしさを抑えるように意識して、同性の方にも可愛いと思ってもらえるファッション性を意識しました。

――お気に入りのカットは?

昔からももクロを見てくださっている方は、やっぱり『しおどき』の中に登場する“小豆ジャージ”に注目してくださるみたいです(笑)。『たまゆら』の中では、花柄の水着でプールサイドで撮った写真が特にお気に入りで。このシリーズは撮影しているときから、「もしかして表紙になるのかな?」って勝手に思っていました。髪型も無造作だったりするけれど、無理をしていない、等身大の自分が出ている気がします。

髪を切るシーンの決意や覚悟に、自分の人生が重なりました

──『しおどき』では、3つのオリジナルストーリーでまったく異なる人物像を演じられていますが、ストーリー仕立てで演じながら撮影する中で、特に印象に残っているワンカットやエピソードはありますか?

やっぱり心に残っているのは、「下北のフリーター女子」の物語で髪を切るシーンです。撮影しながら、自分が実際に髪をバッサリ切ったときのことをすごく思い出しました。あれは2011年、メンバーの1人が脱退して、「ももいろクローバーZ」へ改名したときです。全然違う人生を演じているのに、「髪を切る」という行為に込める決意や覚悟は、女性として自分の人生にも重なる部分があって。だからこそ、このシーンは私にとって特別で、ぐっとくる瞬間でした。

ファンの方も、この作品はストーリーがあるので私自身ではないのですが、そういうところで「玉井詩織らしさ」を感じ取り、おそらく“エモいカット”として受け取ってもらえる気がします。ストーリーそのものが自分と重ならなくても、ある一場面や感情だけは「わかる」と感じてもらえることってあると思うんです。そういう共感ポイントを見つけながら、物語と一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。

――芸能活動20年を振り返って、印象に残っている“壁”や、「これは乗り越えたな」と思える瞬間はありましたか?

そうですね……20周年といっても、活動のほとんどは「ももいろクローバーZ」としてで。だからこそ、いろんな壁をメンバーと一緒に越えてきたなと思います。そのなかで、いちばん大きかった出来事をひとつ挙げるとすれば、やっぱり5人から4人になったときのことかもしれません。ももクロといえば5人、というイメージが定着してきたときだったので、その構成が変わるというのは、ファンのみなさんにとっても衝撃だったと思います。グループとしても、今後どうなるんだろうと不安でしたし、自分自身も「この先この仕事を続けていけるのかな?」って、未来が見えなくなった瞬間だったと思います。

──そのとき、どうやって気持ちを立て直したんですか?

あのときは、ライブも決まっていたし、「やるしかない」という状況でした。とにかく目の前のことに集中して、一つずつやっていくしかない。振り返ってみると、「今できることをしっかりやろう」って、“今”に気持ちを向けられたことが、自分を支えてくれていた気がします。未来のことって、いくら心配しても思いどおりにはならないし、思っていたよりも悪くならないことも多いんですよね。だからこそ、そのときそのときの自分を大事にしていくことのほうが重要だなと、少しずつ考え方が変わってきたように思います。

写真を撮られることに苦手意識があったけれど、新鮮でワクワクする体験でした

──今回の作品をきっかけに、これから挑戦してみたいことや夢、30歳からのキャリアについてはどう考えていますか?

今回の写真集は二作同時ということもあり、常にカメラを向けられる状況が続きました。正直、これまで写真を撮られることはあまり得意ではなく、どちらかというと苦手意識のほうが強かったのですが、撮影を重ねるうちにすごく楽しい時間になっていて。いろんな衣装を着て、それを纏って撮っていただくことが、私の中でもとても新鮮でワクワクする経験でした。雑誌や紙面などの写真のお仕事にも、もっとたくさん挑戦させていただけたらうれしいです。

また、年齢を重ねたからこそできる仕事もきっとたくさんあると思っています。同世代や同性の方々から「素敵だな」と思ってもらえるような存在になれるよう、これからも挑戦を続けていきたいです。

Profile

1995年6月4日生まれ、神奈川県出身。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーで、イメージカラーは黄色。愛称は「ももクロの若大将」。2023年にソロプロジェクトを始動し、12カ月連続で楽曲を配信。2024年3月には東京国際フォーラムで初のソロコンサート「いろいろ」を開催し、今年5月には二度目のソロコンとして自身初の日本武道館で開催するとチケット完売するなど話題に。近年はドラマ『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)など俳優業でも注目を集めている。9月9日より東京・大阪にて上演される音楽劇『謎解きはディナーのあとで』に出演。

information

1st写真集『たまゆら』 ストーリー写真集『しおどき』
芸能活動20周年、6月4日に30歳を迎えダブルメモリアルな今年、自身初となる写真集を8月27日、二作同時発売。『たまゆら』は、ベトナム南部ホーチミンと離島・フーコック島にて撮影を敢行。現地で旅を楽しむキュートな笑顔や息を呑むほどの美しさを放つ眩いカット、ありのままの自然体な美しさなど貴重な瞬間が撮り収められている。一方の『しおどき』は、脚本家・生方美久さんと写真家・濱田英明さんがタッグを組んだストーリー写真集。生方さんが書き下ろしたオリジナルのストーリーをベースに、まるで映画やドラマのように、描かれたストーリーに沿って撮影が行われた。

<商品概要>


タイトル :玉井詩織 1st写真集 「たまゆら」
撮影 :遠藤優貴
発売日 :2025年8月27日(水)
価格 :3,300円(3,000円+税)
サイズ :B5
ページ数:128P
発行 :SDP

タイトル :玉井詩織 ストーリー写真集 「しおどき」
撮影 :濱田英明
執筆 :生方美久
発売日 :2025年8月27日(水)
価格 :3,300円(3,000円+税)
サイズ :B5
ページ数:128P
発行 :SDP

ワンピース¥49,500(アディクシー/THÉ PR) ピアス¥34,100ブレスレット¥14,850〈LOHME〉 リング¥27,500〈CESOI〉 ブーツ¥62,700〈オールセインツ〉(すべてオールセインツ ジャパン)

撮影/茉那実 スタイリング/内田理菜 ヘアメーク/竹内春華 取材/服部広子 編集/越知恭子