【梅宮アンナさん】家族が増え心の支えに「はじめて男性にご飯をつくってあげたいと思いました」

2024年8月13日、梅宮アンナさんは乳がん(浸潤性小葉がん)ステージ3Aを公表。そして4月には放射線治療を終え、いわゆる「三大治療」をすべて乗り越えました。人生の大きな節目を迎えた直後、まるで“運命”のように訪れた出逢い。出逢ってわずか10日で結婚を決意し、電撃婚を果たしました。
あれから4か月。結婚生活で芽生えた新しい気付きや、夫の存在によって変化した闘病生活。さらに、宮古島での滞在や夫の実家・京都への訪問を通じて感じた「家族の絆」について語ってくれました。
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病気ばかり考えていた日々から“普通のこと”も楽しめるように

やっぱりね、結婚してからのこの3カ月は全然違うんです。体調も気持ちも、がんのことを忘れちゃうくらい。(隣でマネージャーのマコさんが困ってる様子・笑)もちろん薬は飲んでいるし、治療が続いているのは事実なんですけど、それでも以前のように落ち込むことが少なくなったんです。
結婚という大きな変化は、私にとって本当にいいリハビリになっています。よっちゃん(夫)と過ごす日常が楽しくて、夜にはお酒を飲んだり、つい遊んで夜更かししてしまうこともあるんです。治療中には考えられなかったような“普通のこと”を楽しめるようになった今、その時間そのものが心と体を癒やしてくれているんです。病気のことばかり考えていた日々から、少しずつ生活を取り戻せているんだなって実感できています。
そして、薬も今はうまく付き合えているんです。ホルモン剤については副作用もほとんどなくて、意外と大丈夫なんだと思えるくらい。人によっては具合が悪くなる方も多いみたいなんですけど、私は今のところ気にならないんです。もう一方の薬はちょっとお腹がゆるくなる副作用があって、昨日なんて1日に6回もトイレに行ったんですけど(笑)、それもしょうがないなと思える程度なんです。
結婚したことで、病気と向き合う気持ちが前向きに変わってきました。支えてくれる人がそばにいるだけで、治療や副作用とも自然に付き合っていける。そんなふうに思えているんです。
結婚しているから、別れずに2人で乗り越えていこうと思えることも
よっちゃんがもともと療養で通っていたことがきっかけで、一緒に宮古島に行くようになったんです。隔週のように足を運ぶうちに、お気に入りのビーチもできて、まるで私たちの居場所のように感じられるようになりました。パラソルやアイスボックスを買って「次はミニコンロを持ってこよう!」なんてキャンプみたいな計画を立てたり(笑)、ふたりで地元のスーパーに買い出しに行ったり。そういう旅先の小さな出来事が、暮らしを自然に彩っていくんです。
私もよっちゃんも1人で生活する時間が長かったからこそ、同じものを「美味しいね」と言って食べたり、同じ風景を一緒に眺めたりすることの大切さを改めて感じています。ずっと私は「結婚=幸せ」じゃないって思い込んで、自分に言い聞かせてきたんです。でも実際にこうして一緒に旅を重ねてみると、やっぱり結婚して良かったなって思ったんです。
もちろん衝突もあります。私は短気なところがあるし、よっちゃんも意外と怒ることがある(笑)。でも、お互いの違いを知ったうえで歩み寄ったり、ときにはマコちゃんに仲裁してもらったりしながら、少しずつ関係を築いているんです。結婚していなかったら別れていたかもしれないけど、結婚したからこそ一緒に乗り越えていこうと思えるんです。宮古島の旅は、ただのリゾートじゃなくて、私たちにとっては夫婦の愛や絆を深めてくれる大切な時間なんです。
夫の実家・京都の家族に温かく迎えていただいたことも安心しました
結婚してから、よっちゃんのお母さまやご親戚にご挨拶をしに京都に行ったんです。正直、すごく緊張していました。嫌われたらどうしようかって…。もう不安で逃亡寸前で(笑)、最終の新幹線の時刻までマコちゃんに聞いて、いつでも帰れるようにしていたくらいなんです。
京都の方って厳しいかなと勝手なイメージがあったし、よっちゃんからも「母のお姉さんはちょっと怖いかも」と聞いていたから、当日は彼もすごく緊張していました。だから私も腹をくくって、元気よく「はじめまして!」とご挨拶しました。用意した手土産も「つまらないものですが」じゃなくて、「これ、美味しいんです!ぜひ食べてください!」って渡したんです。そしたら「あら、美味しいわね」と受け取っていただけて、場が一気に和んだんです。
叔母様が座られたときも、私は先に座っちゃいけないと思って立っていたんですけど、その後に座ったのが大正解だったみたいで、あれは百点満点だったってあとから褒めていただいたんです。結婚してすぐの大事なご挨拶の場を、無事にクリアできたんだなって安心しました。
その後は、よっちゃんとお墓参りにも一緒に行きました。すごい坂道を歩いて登るんですけど、よっちゃんは毎月のように足を運んでいたみたいで、お墓の前で手を合わせて話しかける時間がとても長いんです。彼の家族のルーツを大切にする姿勢を感じました。そしてお母様にもお会いして、よっちゃんがそっくりで驚いたんです。ご高齢なので会話は多くできなかったんですけど、やっぱり血のつながりってこういうことなんだなと思いました。
初めてのご挨拶は本当に緊張しましたけど、ご家族にあたたかく迎えていただけて、新しい家族ができるというのは心の支えが増えるということなんだと実感しました。
はじめて男性のためにご飯を作りたいと自然に思えているんです
これからの暮らし方で一番大事にしたいと思っているのは、やっぱり食事ですね。よっちゃんは糖尿病持ちでもあるので、まずは彼の体調管理をするために、食事をちゃんとマスターしたいんです。お米や炭水化物は血糖値が上がってしまうから控えめに、と言われているんですけど、やっぱり力がつくから食べたくなるんですよね(笑)。実は私、これまで男性のためにご飯を作りたいって思ったことがあまりなかったんです。でも、よっちゃんと結婚してからは作ってあげたいって自然に思えるようになったんです。彼の健康を考えて食事を整えることが、自分にとっても新しい挑戦になっています。
これからの夢を聞かれると、正直まだ大きなことは考えていないんです。先日も宝くじを1枚買って「当たったらどうしよう」なんてふたりで笑い合うくらいで(笑)。でも先のことは誰にもわからないからこそ、今できることをちゃんとやろうと思っているんです。一緒に過ごせる時間がどれくらいあるかなんて誰にもわからない。だからこそ行きたい場所には今のうちに行こうと思うし、日々の暮らしを丁寧に重ねていくことが、私たちにとっての夢なんだと思います。
結婚20年、30年と続けば、きっと喧嘩もたくさんするし、楽しいこともいっぱいあると思うんです。でも私たちは、その時間をぎゅっと凝縮して、濃く生きていけたらいいなと思っています。


アンナさん衣装:私物
撮影/中田陽子 取材・文/日野珠希
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