国仲涼子さん(46)”ちゅらさん”と共に駆け抜けた20代「ヒロインに選ばれた理由は…」
華のあるキュートな顔立ちで、沖縄の太陽のような笑顔が魅力の俳優・国仲涼子さん。NHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」のヒロイン役で一躍国民的女優となり、数々のテレビや映画にて活躍した後、結婚・出産。子育て中心の生活を経て、少しずつ俳優業を再開。母としても俳優としても、ますます輝きを放つ国仲さんに、デビューから”ちゅらさん”出演当時の秘話、育児への向き合い方や仕事との両立など、等身大のご自身について語っていただきました。
▼あわせて読みたい
【特別カット集】国仲涼子さん(46)今も変わらないヘルシーな美しさ…沖縄の太陽のような笑顔に釘付け!
“ちゅらさん”のヒロインを演じ、一躍国民的女優へ
デビューのきっかけは、地元・沖縄でのスカウトでした。高校時代、飲食店でアルバイトをしていた時に、東京の事務所の方から声をかけられて。当時はアクターズスクール出身アーティストの全盛期。「歌が得意なわけではないし…」と一度はお断りしたのですが、後日「上京して事務所に入りませんか」とお電話をいただいたんです。保育士になろうと思っていたものの、東京への憧れもあり、思い切って上京することを決意。事務所の寮で一人暮らしを始め、演技のレッスンと同時にオーディション三昧の日々が続きました。
CMやドラマなど様々なオーディションを受ける中、役者の道に進むきっかけとなったのが、NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」。忘れた頃にヒロイン合格を告げられ、心の準備もできないまま、数日後には記者会見の場に立つことに。当日はたくさんのカメラに囲まれて、終始キョトンとしていたのを覚えています。「これから一体どうなるんだろう」という不安と期待感でいっぱいでした。
ヒロインに決まってからは、共演者の山田孝之くんたちと缶詰でレッスンを受け、とにかく修行のような日々でした。お芝居はほぼ未経験。膨大な量の台本を前に圧倒されながら、”セリフを覚えては声に出す”の繰り返しでしたね。周りの人たちに支えられながら喰らいついていたものの、10ヵ月の撮影が終わる頃もお芝居に対する自信は持てないまま。20歳前後で世界が一変して、当時は”辛い”という感覚の方が強かったかもしれません。毎日が刺激的で楽しかったので、なんとかやり遂げられた感覚でした。
オンエアされた後、ロケで沖縄に凱旋した時に、すごくたくさんの人に声をかけられたんです。当時は急に世間から注目を浴びるようになり、”知られている”という事実がとても怖かった。知らない親戚も友人も、気づけば一気に増えていましたから(笑)。ちゅらさんへの出演は、人生が大きく変わったターニングポイントになりました。
役者としての自信がついたのは、10年以上お芝居と向き合ってから
その後は全てが順調…とも言えず、挫折も経験しました。朝ドラの直後に「五瓣(ごべん)の椿」という時代劇に出演。ちゅらさんとは正反対の、人を殺める役所でした。オールアップの余韻に浸る間もなく京都での撮影が始まりましたが、全く異なるキャラクターの役に入り込めず、監督にこてんぱんに怒られる日々。「沖縄に帰りたい」と泣く度にメイクが崩れて、ヘアメイクさんが慰めてくれていたのを鮮明に覚えています。今思えば、この役に挑んでいなかったら天狗になっていたかも。役者として乗り越えるべき試練だったのかもしれません。おかげで演じることへの意識が変わり、お芝居の幅も広がりました。
役に真正面から向き合えるようになったのは、30代になってから。NHKの「マドンナヴェルデ」という代理出産をテーマにした作品がきっかけでした。私が演じたのは、不妊症に悩んだ末、実の母親に代理出産を頼むという役。センセーショナルなストーリーで難しい役柄でしたが、女性の気持ちを多角的に深く理解する必要があったので、作品にまつわる知識をとことん学んだんです。この時に、お芝居は”その役の人生を生きることなんだ”という実感が湧き、初めて役が自分の中に溶け込んでいくような感覚がありました。
“ちゅらさん”とは真逆の性格だったことが、役を掴むきっかけに
実は最近、ちゅらさんの脚本家・岡田惠和さんとお話する機会があって。その時に、なぜ私をヒロインに選んでくださったのか聞いたんです。すると返ってきたのが、「涼子ちゃんが一番、”早くこの場から立ち去りたい…”という曇った表情をしていたから」という言葉で(笑)。沖縄の太陽のように明るいちゅらさんは、演じる役者本人と性格が似ていると、自分に重ねてしまいきっと辛くなる。だからこそ、ちゅらさんと真逆のキャラクターに見えた私を選んだそう。確かに私自身、ちゅらさんを演じることで、その前向きさや明るさに助けられていたなと。役から色々なメッセージをもらっていたんだと、20年越しに気付きました。
シーズン4まで放送され、20代前半はまさに”ちゅらさん”一色。たくさんの人に観ていただき、私の俳優人生における代表作になりました。今でも、お芝居の礎となっている思い出深い作品です。
朝ドラの母親役を演じられたら、もう俳優人生に悔いはない
俳優としていつか叶えたいと夢見ているのは、朝ドラの母親役です。当時、ちゅらさんでお母さん役を演じていたのが田中好子さん。田中さんのお芝居を目の当たりにして「こんな素敵なお母さん役をやりたい」と共演当初から思っていました。当時の田中さんが45歳くらいで、ちょうど今の私とほぼ同じ年齢に。50代のうちには実現できたら良いなって。それが叶ったら、私の俳優人生、もうやり残したことはない!と思えるほど、心の中でずっと大切に温めている目標です。
国仲涼子さん PROFILE
1979年生まれ。沖縄県出身。地元でのスカウトをきっかけに芸能界入り。2001年、NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」でヒロインを演じ、エランドール賞などを受賞。その後も「ちゅらさんシリーズ」をはじめ、様々な映画やドラマに出演。2014年に結婚し、10歳、7歳の2人の男の子の母。現在、カンテレ・フジテレビ系ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」に出演中。
ベスト¥37,400(エストネーション) トップス¥20,900 パンツ¥39,600(ともにカオス) サンダル¥35,200(トニービアンコ/すべてカオス丸の内) ピアス¥385,000 右手中指のリング¥253,000 薬指のリング¥476,300(すべてトーカティブ/トーカティブ 表参道) 左手人差し指のリング¥132,000(ボロロ)
<SHOP LIST>
エストネーション 0120-503-971
カオス丸の内 03-6259-1394
トーカティブ 表参道 03-6416-0559
ボロロ 03-6317-9868
撮影/堺 優史(MOUSTACHE) ヘア・メーク/高梨祐子 スタイリスト/仮屋薗寛子(impress+) 取材・文/渡部夕子
おすすめ記事はこちら
▶国仲涼子さん(46)本格復帰で子どもたちへの愛おしさも倍増「仕事が本来の自分を取り戻してくれた」