井川遥さん「女性として今だからこそ重なる想いがある」映画『平場の月』インタビュー

色褪せることのない、凜とした魅力。『VERY NaVY』2025年12月号では、同世代の憧れ、井川 遥さんがNaVY初登場。VERY卒業から約10年、改めて振り返る、今までの人生を振り返り語ってくれたのは、経験が耕す「これからの時間」。

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進化する人、井川 遥
”重ねてきた経験を糧に人生を考える「豊かな時間」”

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40代も後半戦、さらなるステージへ。井川さんの新境地を感じさせる映画『平場の月』が公開される。井川さん演じる須藤葉子は夫との死別を経て地元に戻り生活するなかで、中学の同級生の青砥健将(堺雅人)に出会い、互いに心を寄せていく。「私たちの世代は母親や妻など、周囲をサポートする役割として作品のなかで描かれることが多いように感じますが、原作と脚本に映し出されていたのは須藤葉子という50歳の女性のありのままの姿。ひとりの女性として今だからこそ重なる想いがあると、須藤を演じてみたいと思いました。

須藤は不遇な幼少期、中学時代を過ごしてきたことから、人に頼らず自分ひとりで生きていくんだという覚悟を早くから持ってしまったんだと思うんです。本当はもう少し人に寄りかかりたいと感じていたのかもしれません。そこには彼女ならではの孤独があると思いました。原作や脚本にも描かれているように、すごく『太い』印象があって、自分でなんでも解決して、人に染まらない、そういう意思の固さみたいなものを感じました。
でもやっぱり愛に枯渇していて、埋められない寂しさがその後の波瀾万丈な人生を送ることになったのではないかと思います。50歳、人生の後半戦に入り、そういう自分にやっと折り合いがついて、もう何も望まず、慎ましくひとりで生きていくんだと覚悟して地元に帰ってきたんだと思います。
キャリア、子ども、健康、親の問題。若い頃と違い、自分や相手の事情を踏まえて突き進めないことも多いはずの大人の恋愛。相手を思うがゆえに、相手の優しさを素直に受け入れることができなかったり……。本作でも惹かれ合いながらもすれ違うふたりに覚えるのは、もどかしさがありますね。人生の後半に差し掛かってくると抱えるものが増える一方、抱えているものが失われることで初めて気づくしあわせがあるのかなと思います。普通の、普遍的なしあわせってなんだろうと、この作品がそれぞれにとっての平場の月を考えるきっかけとなってくれたら嬉しいです」

進化する人、井川 遥
”5年、10年?子育てのゴールが見えてきました”

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VERY卒業から10年、NaVY初登場にあたり、撮影のテーマに掲げたのは“私たちが憧れる井川遥さん”。ショールカラーのコートを、ドレスのように着こなす。かっこよさと艶のあるブレないエレガンスは、唯一無二。そんな井川さんはこの先、どんなふうに歳を重ねて自身と向き合っていくのだろうか。“これから”について聞いてみた。「子育てのゴールまではまだ時間がかかりそうですが、上の子がだいぶ大きくなって同じ目線で会話ができるようになったことで、子育ての終わりを想像できるようになってきました。経験値が増えて大切にしたいことにフォーカスすることができるようになって少し肩の力が抜けてきたかなと思います。一方でここ1、2年は40代の自分を感じます。心も体も揺らぐ年代、体力的なこと、髪や肌の変化を感じます。向き合って無理をしすぎず楽しみを見出していきたいですね。そして新しいことに挑戦するとき、なんでも面白がって取り組んでいける自分でいたいですね」

井川 遥(いがわ はるか)さん

1976年生まれ、東京都出身。俳優としてドラマ、映画などに多数出演。2008年から2016年まではVERYのカバーモデルとしても活躍。11月14日より公開の映画『平場の月』に須藤葉子役で出演。

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©2025 映画「平場の月」製作委員会

映画『平場の月』
原作は第32回山本周五郎賞受賞、発行部数25万部を突破した朝倉かすみの小説『平場の月』(光文社)。時を経て再会した中学の同級生、青砥健将(堺雅人)と須藤葉子(井川遥)のリアルで切ない恋物語。監督は映画『花束みたいな恋をした』の土井裕泰、脚本は映画『ある男』を手掛けた向井康介、主題歌『いきどまり』は星野源が書き下ろした。11月14日(金)公開。

今月は”大人のじゃらづけ”を語り尽くす♡
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撮影/長山一樹〈S14〉スタイリング/梅山弘子〈KiKi inc〉 ヘア/左右田実樹 メイク/佐々木貞江 取材/櫻井裕美 編集/水澤 薫
*VERY NaVY12月号『進化する人、井川遥』より。詳しくは2025年11/7(金)発売VERY NaVY 12月号に掲載しています。

*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。