長澤まさみさん「照れ屋な自分がたどり着いた、人との心地いい距離感の保ち方」

瑞々しい透明感と、周囲をパッと明るくする笑顔。あり余る代表作と称賛の声、それに比例した数多くの賞。今や日本映画界を代表する俳優のひとりである、長澤まさみさん。取材中は、ユーモア溢れる回答もしてくださり、人懐っこい一面も。決して飾ることのない内面の豊かさに、心を打たれます。3年ぶりのカバーガール、ますます私たちを魅了してくださいました。

◆長澤まさみさんの画像集はこちら

【長澤まさみさん】まばゆいほどの美しさに引き込まれる![美ST特別画像集]

極度の人見知りも相手の良いところを見つけることを大切に

長澤まさみ
お話を伺ったのは……
長澤まさみさん

《Profile》
’87年静岡県出身。’00年俳優デビュー。’04年映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞など多数受賞。出演作に映画『コンフィデンスマンJP』シリーズ、『スオミの話をしよう』、ドラマ「エルピス−希望、あるいは災い−」、舞台『正三角関係』『おどる夫婦』など。公開中の主演映画『おーい、応為』で葛飾北斎の娘・応為を演じる。

今夏、家族が東京に遊びに来ました。久しぶりに一緒に過ごし、毎朝、家族のために朝ごはんを作りました。焼き魚、お味噌汁にサラダとご飯の和食ですが、「ありがとう」って言ってくれ、嬉しかったですね。絆が深まり、これからの付き合い方が変わる感じもあって、家族との時間を大切にしたいと改めて感じました。

主演映画『おーい、応為』では葛飾北斎の弟子で娘でもある応為の人生を演じています。お互い絵師として葛藤しながらも深い絆で結ばれている父娘で、時代は変わっても家族っていいなと改めて思います。家族、友達、仕事関係……とそれぞれ状況は違うけれど、私は人間関係で波風を立てるのが好きではなく、穏便に上手く付き合いたいと思っています。

長澤まさみ

そう思えるようになったのは20代の頃の反省もあって。あの頃の私の第一印象は、あまり良くなかったはず。緊張感を出してしまって笑顔も作れず、ニコニコして「おはようございます」も言えなくて……。照れ屋が過ぎて相手の目を見られず、人間関係では悩みました。

大人になってやっと見つけた解決法は、相手の長所を見つける努力をする、というもの。そして言葉に出して言ってみる。そうやって歩み寄るとお互い自然と笑顔になることが増えました。

もともと私自身、どんな態度をとったか、あんな風に言わなければよかったなど、後から結構気にしてしまうことも多く……。それが回りまわって自分の発する言葉で自分を傷つけることにもなるので、周囲をなるべく素敵な言葉で溢れさせるようにしています。その方が気分もあがるし、ポジティブに生きられる気がするんです。仮に間違ったことに気付いたら、もちろん後からでも謝りますし、そもそも間違うことは学びに昇華させたらいいのでは?と思うのです。

そんな人間関係の学びを経て、仕事への意識も変わりました。若いときに仕事を始めたこともあり、働くのが日常で気負いはありませんが、いつもファンの方の気持ちを大切に考えたいと思っています。皆さんが次は何を観たいかを想像したとき、飽きさせたくない、というのが大きな原動力になっています。楽しんでもらいたい、その想いが強いです。というように、基本的にはシンプルな考え方で生きられたらと思っています。

憧れのロールモデルは〝母〟。常に心と体が健やかなポジティブさを持ちたい!

実は私のミューズで、ロールモデルは、母。何があっても、とにかく前向き。長澤家では太陽のような存在です。悪いことが起きても、この後は良いことしか起きないからよかった!と言えるポジティブさは、いつも見習いたいなと思っています。そして母は、とても健康的。明るくて健康的な母は、私の憧れ。そんな母を真似て、毎日8,000歩のウォーキングも日課です。遠い将来の目標?そうですね……、まずは心と体の健康!学びと健康のある生き方をしていたいです。

[写真1枚目]ドレス¥225,000 靴※参考商品〈ともにクレージュ〉 右手リング¥27,500 左手リング¥31,900〈ともにボーニー〉(すべてエドストローム オフィス)[写真2-3枚目]ジャケット¥99,000 タンクトップ¥16,500(ともにオーラリー) 靴¥80,300(トリーバーチ/トリー バーチ ジャパン) リング(スタイリスト私物)

Information

映画『おーい、応為』長澤まさみ
©2025『おーい、応為』製作委員会

江戸時代に名を馳せた葛飾北斎の娘で女性の絵師として活躍した葛飾応為を演じます。「美人画では敵わない」と父も認める絵の才を持ちながら短気で男勝り、煙草がやめられない豪快さを外見内面ともにかっこよく演じています。「日常的に絵を描いている空気感を出したくて随分練習しました」。主演映画『おーい、応為』は全国公開中。

本記事は、美ST編集部が取材・編集しました。「美ST」は16年以上にわたり、40代&50代女性の美容とライフスタイルを追求してきた月刊美容誌です。

『美ST』2025年12月号掲載
撮影/榊原裕一 ヘア・メーク/スズキミナコ スタイリスト/百々千晴 取材/安田真里

◆長澤まさみさんに関する記事は

【長澤まさみさん】透明感の秘密は“祖母直伝”のメイク法!? 美と健康の秘訣とは

長澤まさみさん|コロナ禍以降、日々の何気ないことを楽しめることに気付きました

【長澤まさみさん】くすみゼロの美しさを作る肌ケア・ヘアケア・ボディケア

美ST