吉高由里子さん(37)「もうこんな自分は見たくない」ヒット作連発の裏で抱える“怖さ”【舞台『シャイニングな女たち』インタビュー】
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3年ぶりの舞台出演となる、吉高由里子さん。昨年の大河ドラマ『光る君へ』では主演を務められ、その演技力はもちろん、明るくチャーミングな性格から老若男女問わず愛されています。そんな吉高さんは、舞台『シャイニングな女たち』で、長年出演を望んできたという蓬莱竜太さんの作品に初挑戦。親友との記憶の齟齬に揺れ動く、等身大の女性・金田海を演じます。吉高さんに、作品の魅力や転機となった作品について聞きました。
Profile
1988年7月22日生まれ、東京都出身。2006年に映画『紀子の食卓』でスクリーンデビュー。2008年には、映画『蛇にピアス』で日本アカデミー賞新人俳優賞とブルーリボン賞新人賞をW受賞。その後も、連続テレビ小説『花子とアン』、『星降る夜に』、『最愛』などヒット作が続き、2024年の大河ドラマ『光る君へ』では主演を務めた。
“これはやらなきゃいけない運命だ!”と思ったんです
——蓬莱さん作品への出演は念願だったとか。蓬莱作品の魅力をどこに感じていますか?
蓬莱さんの作品を観劇した後、自分の奥底に沈んでいた、忘れていた感情を掘り起こされたような感覚になるんです。おそらく、観た方によって感じるものや掘り起こされる記憶は違うと思いますが、「自分自身には何が響いたのか」を確かめ、自分自身と向き合わざるを得ない作品が多い気がしていて。痛いところを突いてくるんですよ(笑)。それが、他の演出家さんとは違った、蓬莱作品の魅力だと感じています。そんな蓬莱さんの作品に出演するチャンスがめぐってきたからには、「これはやらなきゃいけない運命だ!」と思ったんです。
——その“掘り起こされた記憶”というのは?
まだまだ自分が若くて、未熟だったころの痛くて恥ずかしいような記憶です。例えば、私も無意識に誰かを傷つけてしまっていたり、傷つけられたりしたこともあると思うし…。でも、この作品と向き合ってみて、それが“生きるということ”なんだな、と感じたんです。それに、「やった側」よりも「やられた側」の記憶が鮮明に残っているというのも、グサっときたというか。そうしたものを真正面から向き合って忠実に描かれるので、蓬莱さんはすごくピュアで凶暴なんですよ(笑)。きっと、この作品を通して、みんなのなかで眠っているものが次々とあぶり出されていくのでしょうね…。
——演じる側も観る側も、自分自身と対峙する時間になりそうです。
私が演じる金田海をはじめ、この作品の女性たちは過去と対峙していきます。だからこそ、私自身も「自分の過去をたどる」という行為は避けられないような予感がしています。意識的に目を背けていたものを思い出すこともあるだろうし、そうしたものと向き合うことで、この舞台を終えた後に何かが残りそうだなと感じています。それは良くも悪くも、ですけどね。と言いつつ、「大丈夫でした!」なんていう場合もあるけど(笑)。
——蓬莱さんから言葉はありましたか?
特に、「どう演じてほしい」みたいなことは言われていなくて。ただ、私をキャスティングした理由について、「あまり暗くなりすぎないで演じてくれると思った」という言葉をいただきました。それにより、「ここからどんなに暗いことが待っているの⁉︎」という不安が増しましたけどね(笑)。今作のプロットのさわり部分をいただいただけでも、「早く続きを見せて!」と言いたくなるくらい面白かったし、展開のスピードも速い作品なので、私自身もどんな作品に仕上がるのか楽しみにしています。
輝いて見える人も、きっと何かと戦っている
——18歳で俳優デビューし、数々の出演作をヒットに導いてこられました。そのなかで、吉高さんにとって転機となった作品は?
初めて地上波の連ドラに参加させていただいた作品、『あしたの、喜多善男〜世界一不運な男の、奇跡の11日間〜』です。小日向(文世)さんが主演を務められていたのですが、この作品が意外にも初めての主演作だったそうで。それに対する喜びとプレッシャーを感じられている姿を目の当たりにし、「主演を務めること」の重さを感じたのを覚えています。
あとは、「白い春」で阿部寛さんと共演したとき、私のクランクアップにわざわざ駆けつけてくださった姿も印象的。「主演がこんなことまでしてくれるの⁉︎」と驚いたんです。いつか私も主演を任せていただけるようになったときは、こんなふうになりたいと感じたことを覚えています。
落ち込んだ後は、「もうこんな自分は見たくない」という気持ちで次に向かいます
——そして、今では吉高さんはたくさんの作品で主演を任されていますね。
毎回、怖さでいっぱいなんです。でも、一生懸命やってダメなら、「しょうがない!」って開き直っちゃいますけどね?(笑) もちろん、周りのみなさんへの申し訳なさも感じるし、落ち込んでしまうけど。思い切り落ち込んだ後は、「もう、こんな自分は見たくない」という気持ちで、反省点をふまえて次の作品に立ち向かう。その繰り返しです。
——今作でも座長を務められますが、どんなカンパニーにしたいですか?
もう、座長なんてもんじゃないです! 映像でも舞台でも、自分が引っ張らないと、と思ったことはなくて。すぐに甘えられる場所を探してしまうタイプ(笑)。今回でいうと、山口紗弥加さんに甘えてしまうかも。舞台に関しては、再演があるという思いで挑んだことは一度もないので、“最初で最後のカンパニー”という気持ちで挑んでいます。限られた時間を精一杯楽しめたらいいですね。
——『シャイニングな女たち』も期待しています!
やだやだ、プレッシャーをかけないで!(笑) 終わった後に、反省が少ないことを願って頑張ります!
Information
パルコ・プロデュース2025『シャイニングな女たち』
12月7日から28日まで渋谷・PARCO劇場にて上演。大阪・福岡・長野・愛知公演あり。一人の女性の死をきっかけに、主人公・金田海(吉高由里子)をはじめとする女性たちの現在と過去が交錯する群像劇。そこから浮かび上がる、現代社会の生きづらさや「主観の不確かさ」を作・演出を務める蓬莱竜太が繊細に描く。
ドレス¥303,600パンプス¥171,600イヤリング¥210,100リング¥148,500バングル¥171,600(すべてロエベ/ロエベ ジャパン クライアントサービス)
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撮影/MANAMI ヘアメーク/中野明海 スタイリング/申谷弘美 取材/小林揚 編集/越知恭子