赤楚衛二さん(31)嫌いだった自分と向き合い、今がある「たくさん物を詰めて、自分の袋を広げていきたい」
The post 赤楚衛二さん(31)嫌いだった自分と向き合い、今がある「たくさん物を詰めて、自分の袋を広げていきたい」 appeared first on CLASSY.[クラッシィ].
日本と韓国、それぞれの文化や価値観、育ってきた環境を乗り越えて惹かれ合うラブストーリー『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』。主人公の長谷大河を演じる赤楚衛二さんは、ラブストーリーならではの役作りを心掛けたと言います。20代後半から“切り替え力”が身についたという赤楚さんが、過去の自分自身にかけたい言葉とは?
Profile
1994年3月1日生まれ、愛知県出身。ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』でブレイクし、ドラマ『こっち向いてよ向井くん』や連続テレビ小説『舞い上がれ!』など話題作に出演。近年の出演作に、ドラマ『相続探偵』、映画『366日』ほか。映画『教場 Requiem』が2月20日より公開。
日本のドラマでは珍しいストレートな胸キュンセリフに驚きました(笑)
——今作の脚本を読んだ感想は?
脚本にイ・ナウォンさんという韓国の方が入られているのですが、台本を読んでいて「これを言うんだ⁉︎」と驚くような表現もあったんです。日本のドラマではなかなか見ないようなストレートさがあるし、少し韓国ドラマっぽい雰囲気だなという印象を受けました。
——ストレートな胸キュンセリフに、照れはなかったですか?
ありました(笑)。それに、そうしたセリフを甘くなりすぎず、かといって視聴者の方にきちんとキュンとしてもらえるように表現するのが難しくて。でも、このストレートさが今作の良さだし、視聴者のみなさんにもそこを楽しんでいただけるのではないかとも思っていたので、楽しみながら演じさせていただきました。
——赤楚さんが演じる長谷大河は、かつて将来を期待された大学駅伝のエースでしたが、成績不振で挫折し、冴えない日々を送っています。
大河は大きな挫折を味わった過去を含め、すごく重いものを背負っている青年なんです。でも、そこをどの程度表現するかはすごく難しいなと感じていました。というのも、この作品はラブストーリーなので、視聴者の方がそうした大河の姿に引きずられて重い気持ちになってしまうといけないな、と思っていて。ラブストーリーは演じる側と視聴者の方との距離感が重要になってくるので、自分自身が役と近すぎても離れすぎてもいけないな、と。そうした塩梅がすごく難しかったです。でも、クランクインするまでに、すべての台本をそろえていただけていたので、十分に材料があったぶん、役作りはやりやすかったです。
自分で感じたものより、映像に映ったものがすべてだと思うようになりました
——役作りについて、30代に入り変化はありましたか?
これまではずっと、自分の心が動くことがお芝居だと思っていたんです。もちろんそれも正解だけど、自分の芝居を見たときに、心と表情が一致していないことがあって。例えば、恋人に振られるというシーンで、心は傷ついていたとしても、それが表情に出ていないと視聴者の方にリアクションが伝わらない。「そうした誤差をなくしたい」と思い始めるようになり、役に入り込むというより客観的に役を見て表現するようになりました。自分で感じたものよりも映像に映ったものがすべてという考え方に変わったような気がしています。
——きっかけとなった作品はあるのでしょうか?
『彼女はキレイだった』と『ヒル Season1』という作品を同時並行で撮影していたとき、自分がどこにいるのか分からない感覚になって、頭がグチャグチャになってしまって。そのとき、「俳優に向いていないのかも」と思ったことがあったんです。その後、『舞い上がれ!』と『風間公親-教場0-』で、また2つの作品を同時期に撮影することになったのですが、当時も思うように気持ちが切り替えられなくて。でも、どちらの作品も挑戦したいし、諦められない。そういうときのために、“切り替え力”みたいなものがほしくて、そうした役作りの仕方にシフトすることにしたんです。
——では、楽になりましたか?
心も体もすごく楽になりました! 客観的に役を見ることで、顔の角度や呼吸など細かい部分も修正できるようにもなって。それに、お客さんの目線に立つということも大事だと思っていたので、結果としてよかったです。
「あの時、苦しんでおいてよかった」と思えるときが必ず来る
——冷静に自己分析されているのですね。
ずっと自分のことを好きになれなかったんです。だからか、自分の嫌いなところばかり目についてしまう。自分のお芝居を見ていても、オーバーに見えたリアクションや意味のない間、瞬きのしすぎなど、ちょっとしたことも全部が気になって仕方がなくて。たとえ視聴者の方が気にならなかったとしても、すべてがノイズだと感じていたし、それをどうなくすかをベースに試行錯誤を続けていた気がします。
——もしかして、完璧主義ですか?
そういう部分もあるのかもしれないです。でも、今はだいぶラフに捉えられるようになってきて、たとえ失敗しても「次また頑張ろう」と切り替えられるようになりました。
——そこでも“切り替え力”が生きているのですね。では、そんな20代の頃のご自身に声をかけてあげるとしたら?
僕の歩いてきた道を振り返って、「こうすればよかった」と思うことはあまりないんです。だから、「今のままでいいよ、苦しめ!」と言いたい。本当に逃げなければいけないような状況は逃げてもいいと思うけれど、それ以外はどんどん苦しんだほうがいいと思っています。
自分の心は袋と同じだと思っていて、いっぱい物を詰めていけばいくほど袋が広がっていくように、自分のキャパシティをオーバーし続けないと成長していかないような気がしていて。悩んで苦しむことはつらいことではあるけれど、振り返ったとき、「あの時、苦しんでおいてよかった」と思える時が必ずきます。だから、今は目の前の壁と向き合ってほしいし、これからも向き合いながら、自分の幅を広げ続けていきたいです。
Information
ドラマプレミア23『キンパとおにぎり〜恋するふたりは似ていてちがう〜』
1月12日よりテレ東系にて、毎週月曜23:06〜放送。Netflixにて、各話放送と同時タイミングから世界独占見放題配信。大学駅伝のエースとして将来を期待されていたが挫折し、現在は小料理店でアルバイトとして働く長谷大河(赤楚衛二)と韓国からアニメーションを学ぶため留学している大学院生のパク・リン(カン・へウォン)。日本と韓国、国籍の違う2人がそれぞれの文化や価値観の違いに戸惑いながらも惹かれ合う姿を描いたピュアラブストーリー。
撮影/木村敦(Ajoite) ヘアメーク/廣瀬瑠美 スタイリング/壽村太一 取材/小林揚 編集/越知恭子