「何があってもそれは運命」久保純子さん(53歳)“落ち込みやすい”と自覚しているからこそ、意識していることとは
10年前からニューヨークに移り住み、今は幼稚園教諭として子どもたちに向き合っている、タレント・久保純子さん。人生を切り拓くそのパワーは更年期を乗り越える秘訣に通じるものがありました。
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久保純子さん profile
53歳・タレント。1972年1月24日、東京都生まれ。1994年にNHKに入局、2004年からフリーランスに。40歳でモンテッソーリ国際教師資格を取得し、2022年からはN.Y.のモンテッソーリ幼稚園で教諭として勤務。絵本の翻訳も多数。インスタグラム(@kubojunkony)も人気。
N.Y.では更年期は女性にとって当たり前のこと
新しいものに触れると刺激を受けて心も体も元気になるので、いつも〝未知との遭遇〟を求めて好奇心と情報のアンテナ感度を良好に保っています。そのおかげもあってか更年期らしいものは、不眠(*1)と、たまに襲ってくる理由のない不安感といった症状くらいです。10年前に夫の転勤でニューヨークに住むようになりましたが、その環境も更年期を深刻に捉えずに済んでいる要因かもしれません。
職場でもオープンにMENOPAUSE(更年期)のことが話題になります。「寝られている?」「この時期、どうしてる?」というふうに、会話の中でごく自然に更年期が語られます。こちらでは、女性として当たり前に通り過ぎる時期なんだから、恥ずかしく思うことは全くない、という考えが浸透しているので、自分に多少不調があったとしても、「みんな、通り過ぎるものなんだ」と思えて気分が楽になるんです。
【*1・不眠】
女性ホルモンの急激な減少によって自律神経が乱れることが原因。規則正しい生活、適度な運動、カフェインやアルコールを控えたりするなど生活習慣を見直したり、交感神経と副交感神経をスムーズにチェンジできるよう、ぬるめのお風呂につかったり、ストレッチをして血流をよくするなどの工夫を。改善が見られない場合は婦人科の更年期外来に相談するのがおすすめ。
興味があることが見つかったらすぐに行動
— 久保純子さんといえば、3年連続「NHK紅白歌合戦」の司会を務めるなど、局の顔として活躍した伝説のアナウンサー。アメリカに渡った後、2022年からニューヨークのモンテッソーリ幼稚園で教諭として勤務。アナウンサーと幼稚園の先生、二足のわらじが大きな話題になりました。
私は、興味があることが見つかったらすぐに行動に移します。たった一度きりの人生、「やりたいことには当たって砕けろ」精神で生きているので、滞っている暇がありません。いつも自分の心をワクワクさせてくれる〝好き〟を探して、アンテナを張り、それに引っかかったものは速攻で試してみます。
最近アンテナに引っかかってハマっているのが金継ぎ。10年前、ニューヨークに引っ越した時に、東京の自宅から全ての陶器を持ってきました。その中でも、沖縄に行くたびに夫と少しずつ買い集めた沖縄の作家・大嶺實清さんの器が特にお気に入りだったのですが、ニューヨークの乾燥などによって何枚も欠けてきてしまいました。そんな矢先、〝金継ぎ〟という言葉に出合い、半年くらい前、日本に一時帰国した際に娘たちと一緒に一日体験教室に行ってやり方を教えていただきました。これは自分でもできるかもしれないと思って、すぐにAmazonで金継ぎセットを購入。手芸など手先を動かす細かい作業が好きなこともあって、数日かけて40枚ほどのお皿を直しました。作業中は無心になって没頭でき、多少の不調は忘れます。私の器好きはアート全般が好き、という趣味嗜好に関係していると思います。
アートとの出合いは作家・原田マハさんの著書がきっかけ。原田さんはニューヨークの近代美術館MoMAのキュレーターをされていた方で、アートに関する小説も数多く書かれている作家さんです。彼女の作品に触発されて、デトロイト美術館、MoMA、メトロポリタン美術館、フランスのオルセー美術館などに足を運んでいます。旅行先をアート鑑賞を目的に決めたりすることも。今回の帰国では、初めて東京・京橋にあるアーティゾン美術館を訪れました。ゆったりとした空間で大好きなモネ、ピカソ、ルノワールなど貴重なコレクションが観られるほか、2026年、2月7日から5月24日までは印象派の巨匠、モネ没後100年を記念した「クロード・モネ ─風景への問いかけ」展が開かれるそう。ぜひ帰国時期を合わせて鑑賞したいと思っています。
またブロードウェイでミュージカルを鑑賞するのも趣味のひとつ。何回でも観たいので、なるべく安くチケットを入手するため『Lottery』という抽選にこまめに応募したり、当日券に並ぶこともあります。旅も昔から大好き。旅で素晴らしいアートに触れ、素敵な景色を目にし、美味しいものをいただいていると、心が満たされて幸せホルモンが出ている気がします。
— メンタルを停滞させない方法をいくつも持つこと。自分の好きなことを貪欲に探し続けることにエネルギーを惜しまないパワーには見習う点が多々あります。
健康管理で意識しているのは?
健康管理の面で意識しているのは日常的に歩くこと。といってもわざわざ時間をとって歩くというよりも、公共交通機関を使うところをウォーキングに替えて毎日1万5、000歩から2万歩ほど歩きます。せっかちな性格なので、ゆったり歩くというより競歩(笑)のように早足で歩くので運動不足解消になっています。帰国すると代々木公園を訪れて歩くのも楽しみのひとつ。体に入れるものにも気を使っていて、一日を通してお茶を飲むように心がけています。
最近、ニューヨークの中華街で「漢方薬局ツアー」に参加する機会がありました。そこで喉や頭痛、睡眠、心臓などに良いとされる漢方の食材、山薬、ジュジュビデーツ、雪梨干、菊の花、バラの花、金木犀などを購入。煮込んでお茶を作っています。
またおばあちゃん子なので、幼い頃から「おばあちゃん食」が大好き。納豆、ひじき、切り干し大根など色々な食材がありますが、なかでも干し芋は必ずバッグに入れています。実は夫との最初のドライブデートで道に迷っているうちに空腹で険悪になりかけた時、バッグの中の干し芋が空腹を収めてくれて、車中の雰囲気を和らげてくれたことも。まさしく心の友と言っても過言ではなく、毎朝必ず食べています。干し芋のことを考えると、朝起きるのも苦痛ではなくなるほど。干し芋好きが知られたおかげで2024年から茨城県ひたちなか市の「ほしいもアンバサダー」を務めさせていただいています。
何があってもそれは運命。切り替えることを習慣に
— 挙げきれないほどの〝好き〟を追いかけて前に前に進んでいる久保さん。そのパワーの源とは?
ニューヨークで生活していると、日々、日本では考えられないような大変なことのオンパレード(笑)。日本では当たり前に享受していること、例えば電車がオンタイムで来る、公共の場所はキレイに使うなどの常識が通用しないこともしばしば。帰国するたびに日本の当たり前に感謝することばかり。飛行機が突然キャンセルになることもよくあるし、シャワーが壊れても修理するのに3カ月かかったり、今も家の電気が壊れてる(笑)。だから完璧ではない、という事態に対しておおらかになりました。
不具合に一喜一憂しない、あるがまま受け止めることをすごく学んでいる最中です。これは更年期にも言えることで、不調にフォーカスしすぎてしまうと考えすぎて、さらに落ち込んでしまう。私はもともとが落ち込みやすい体質なので、何かあると穴があったら入りたいぐらい凹んでしまう。でもそれを自覚しているからこそ〝切り替える〟ことを意識して、切り替えスイッチをたくさん持つように心がけているような気がします。
もしうまくいかなかったとしても「これは運命だった」と捉え、「捨てる神あれば拾う神あり」と考えて前を向く。人と比較しないで、自分がHAPPYならOKと考える。自分を楽しんで生きていくことが更年期を含め、人生後半を健やかに生きるコツなのではないでしょうか。
ニット¥25,300スカート¥22,000(ともにアンクレイヴ/オンワード樫山)バッグ¥152,900(ピエール アルディ/ピエール アルディ 東京)ピアス(左耳)¥18,700イヤーカフ¥42,900リング(左手)¥66,000(右手)¥70,400(全てe.m./e.m. 青山店)靴(スタイリスト私物)
撮影/田頭拓人 ヘア・メーク/森野友香子 スタイリスト/井坂 恵 取材/柏崎恵理 撮影協力/アーティゾン美術館 ※情報は2026年2月号掲載時のものです。
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