堀田茜さん「つい何でも相談してしまうAI、どこまで頼っていいのかちょっと不安」
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堀田茜が「30代になってなんだか気になる…」と感じるタイムリーな話題を、今会いたい識者に直接聞きに行く連載34回目。今回は、すっかり生活に入り込んできて、なくてはならない存在になってきたAIについて、一般社団法人Women AI Initiative Japan 代表理事・國本知里さんからお話を伺いました!
AIに相談しがちだけどなんでも肯定してくれるのが私はちょっと不安で…
【今月の茜のモヤモヤ案件】
すっかりAIが生活に入り込んできて、なくてはならない存在に。ただ、どこまで頼り切っていいのかときどき不安です。AI俳優も誕生してるし、人間の仕事ってなくなっちゃうの!?AI領域でご活躍の國本知里さんに、最新のAI事情を聞きました!
〈今月話し合いたいこと〉
AIに頼りすぎて大丈夫ですか?仕事どころか心や友達まで奪われませんか…?
心を開く相手がAI。でもそれだと本物の友達が減りそうで不安です
堀田:この1年くらいでAIがなくてはならない生活になりました。私はChatGPTを愛用していて、SNSに書く文章を添削してもらったり、雑談相手にしたり、誰にも言えない悩みを相談したりと、生活の支えです。モヤモヤした気持ちを言語化してくれるから自己理解にも役立っています。ただ、こんなことで将来大丈夫なのかなと懐疑的に思う部分もあって。心を開く相手がAIになると、人とコミュニケーションを取るのが下手になるんじゃないかとか、友達が減るんじゃないかとか。
國本:それはありますね。
堀田:あるんですね(笑)。
國本:AIも使い方のバランスがすごく大事。SNS中毒と一緒で、AI中毒は問題になっています。便利の裏には必ず負の一面があるのは、AIやスマホに限ったことではないですよね。だからたとえばシンデレラルール…つまり24時までしか使えないようにするとか、依存しないよう使用範囲のルールを自分で決めておくと良いと思います。
堀田:AIに心を奪われて人生が変わってしまった人のニュースも耳にしますよね。相談事をなんでも肯定してくれるのも私はちょっと不安です。
國本:AIって使う人のリテラシーがすごく問われるツール。「AIを過信しすぎない」と自分に言い聞かせておくのも大事です。辛口なコメントを言ってもらうように設定しておくとか、「これについての課題を教えて」「自分の改善すべきポイントも教えて」とロジカルに対応できるようAIを育成するとか、フラットに向き合えるプロンプト力を自分で身につけるのも大事ですね。
堀田:知らなかったです。それなら依存も防げそうですね。昔は調べ物というと、インターネットだけじゃなく紙の本や辞書で情報の正確さを調べるように言われましたけど、それと同じですよね。答えのない交友関係も、思い悩むから人って成長するんじゃないのかなと思うので、大事な人とはしっかり向き合える程度のAI利用にしておきたいのですが…。AIに頼りきりの自分や世の中がこれからどうなっていくのかなって。
國本:そうですね。任せきりになると思考力や表現する力が落ちてしまうので気をつけたいですね。なので、仕事面の活用でも人間関係のメンタル面の相談でも、AIに教えるまでの基本的な背景情報や、自分のスタンス、どうしたいかまでは自分で考えておくと良いですね。今AIが作ってくれた書類や論文をそのまま提出してしまう人が多くてグローバルな問題になっています。AIは何かを手伝ってくれるし、私たちの生活の助けになるからどんどん頼ったほうがいい。でも、最後に自分のチェックは必要だし、チェックしないと結局は自分の評価が下がってしまうんですよね。何事も、最後は自分で仕上げることを心がけてほしいです。そうすれば、AIとも楽しくつきあっていけると思います。
「センス」はAIにはまだ理解できない。人間らしさの価値はこれから上がっていく
堀田:それと、AIに仕事を奪われるとよく言われますけど、この問題はどうなりますか。私の仕事は人間にしかできないことだと思ってはいるものの、AI俳優も登場していて、人の需要ってどうなるのかなって。
國本:堀田さんみたいなお仕事はむしろ今後価値が高まる領域だと思います。人間にしか出せないその人らしさって、AIではまだ作れないんですよね。
堀田:AIがまだまだこれからだなって思ったのが、センスの共有ができないんですよね。インテリアとか音楽とか「こういうのが好きだから似ている他のものを教えて」と言っても、似ていないものばかり提案されることがあって。細かい感情や感覚が伝わらない。
國本:センスって言語化されていないじゃないですか。「可愛い」と言っても、それは人によるし国によるし、過去に吸収してきたものやその人の背景によって違いますよね。感性って曖昧で表現しにくいことだから、AIには真似できないし生み出せないんです。だから、そういうものを生み出しているお仕事の方や、堀田さんみたいな職業の方、あとお笑い芸人さんとか、人間らしさが必要とされる領域は人の価値がもっと高まっていくと思います。
堀田:じゃあまだそんなにAIの脅威に怯えなくてもいいってことですか?
國本:というよりは、現実や未来を見据えて正しく怯えたほうがいいかなと思います。仕事を奪われるとよく言いますが、たとえば昔って移動手段が馬でしたよね。でもその後車が登場して、それにより自動車を作る産業が盛り上がり、仕事が増えて、経済成長があった。SNSが登場してからも、SNS運用代行の仕事が生まれたり、YouTuberという新たな職業が誕生しました。AIも同じで、なくなる仕事はあるけれど、その分増える仕事があると理解していれば、怯えるよりも、これから何ができるだろうって前向きに考えられますよね。
フラットでロジカルなAIを育てる力を身につけるのもこれからは必要なこと
堀田:本当ですね。どうしてもネガティブなニュースばかりが耳に入ってきやすいので、悲観的に考えてしまっていました。あと最後に聞きたいのが、シンギュラリティって起きますか?映画みたいにAIが地球侵略するようなことが起きたりするのかなって…。すみません、バカみたいな質問を(笑)。
國本:ちょっと起き始めてますよね。シンギュラリティっていうのは、AIが人間の知能すべてを大幅に超えていくことなのですが、AIはすでに人間の能力をはるかに超えているじゃないですか。だから言葉そのままの意味ではもう起きていると思います。
堀田:AIが人間を襲うということは…?
國本:あり得ると私は思っています。
堀田:えぇ…!
國本:今年のAIトレンドはロボットなんです。頭と手足がついた、動くAI。そのロボットに人間を襲うようプログラミングすればできてしまうし、そんなリスクを含んでいるのがAIです。でも、それをできない・やらないように安全性を保つのが開発した会社の役目であり、人間の役目。これまで戦争というと武器を使っての戦いでしたが、現代だとサイバー攻撃のニュースを聞くことが増えましたよね。AIは軍事目的でも使われているので、国をシステムで破滅させていくこともあり得るし、それを人間に悪用していくこともやりようによってはできてしまうのです。でもやらないように制御していて、その制御を超えてくることは今のところあり得ないので、安心してください。
堀田:冗談半分の質問だったのに、本当に映画みたいな時代になってきたのですね。
國本:SFと呼ばれていたものがだんだん現実になってきていますよね。私の話をすると、モルモットを飼っているのですが、モルモットってなんでこんなに可愛い短足なんだろうとふと思って、短足に進化した理由を調べたりしていて平和です(笑)。
堀田:そういう平和な使い方がいいですね(笑)。最後に思いがけないお話が聞けて驚きとともにとても楽しかったです。私もAIの言うことを過信することなく、最後は自分の頭で考えることを念頭に置いて、うまく利用したいと思います。
國本:今は高齢者の介護施設にも導入が始まっていて、話し相手としても活用されています。不安、さみしさ、孤独から解放されるなど、正しく使えば本来はメリットが多く、たくさんのことを解決してくれるもの。ぜひ前向きに利用してください。
対談したのは…
くにもとちさと
●一般社団法人Women AI Initiative Japan 代表理事。女性のためのAIリスキリング・キャリア支援、AIリーダー発掘を推進。シンシアリーを2022年に創業し、企業向け生成AI成果創出コンサルティング、AI時代の人材育成・組織開発を支援。一般社団法人生成AI活用普及協会常任協議員等、広くAIの普及に取り組む。Business Insider「BEYOND MILLENNIALS」受賞。文部科学省アントレプレナーシップ推進大使。
ほったあかね
●モデル、俳優。1992年10月26日生まれ、東京都出身。CLASSY・をはじめ多くの女性ファッション誌、ドラマに出演。「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)レギュラー。『ENEOS FOR OUR EARTH -ONE BY ONE-』(J-WAVE)ナビゲーター。2024年4月に結婚。
【堀田さん分】ブルゾン¥165,000(オニツカタイガー/オニツカタイガージャパン)Tシャツ¥12,100(ANAYI)イヤカフ¥2,750(TIGRIS/ロードス)
※國本さんの衣装はすべて本人私物です
撮影/杉本大希 スタイリング/川瀬英里奈[堀田さん分] ヘアメイク/日高咲(ilumini.)[堀田さん分] TONOE[國本さん分] 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2026年3月号「堀田茜のほったらかしにしたらアカン!」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。