「今の場所に縛られなくていい」高垣麗子さんと考える、40代からの心地いい暮らし方

移住どころか2拠点さえも、なかなか難しい。それはモデル・高垣麗子さんだけでなく誰もが同じ感覚のはず。子どもがいると尚更。けれど、能登に通う高垣さんの気持ちに変化が訪れた。「色々な暮らし方があるのに、固定概念にとらわれすぎているのかもしれない」。そこで、住む場所に縛られていない家族に会いに行き、〝自分が今どうしたいのか〟を改めて問い直す時間に。

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住む場所に縛られない、自分らしい生き方を求めて

<左>今回お話を伺った、渡辺さん、<右>モデル・高垣麗子さん

◯ お話を聞いたのは…渡辺さんファミリー

渡辺龍彦さん(38歳)、妻の渡辺(三輪)ひかりさん(37歳)、娘(4歳)、息子(1歳半)。龍彦さんは企画編集、アーカイブ、出版の会社を経営。ひかりさんは保育士、編集・ライティング、逗子葉山への移住コーディネーターとしても活動。

◇ 夫婦、家族が今心地いいと感じるのが葉山だった

高垣さん(以下敬称略):
いつ頃葉山に移住したんですか?

渡辺ひかりさん(以下敬称略):
約7年前、逗子の保育施設「うみのこ」で保育士を始める機会に、この家の2軒隣の小さな一軒家でひとり暮らしを始めました。

渡辺龍彦さん(以下敬称略):
僕は都内に住んでいて、結婚を機に住む場所を探し始めました。ひかりの家に通う道からこの家が見えて、内見をして即決でした。

高垣:
即決! 決め手は何だったんですか?

龍彦:
色々な果樹がある庭と、部屋数がたくさんあるこの広さです。海、山、駅どこにでもアクセスもいいので、ここなら暮らせるというイメージができました。

高垣:
距離ができるということに、不安はなかったですか?

ひかり:
もちろん都内に比べて不便な部分もあります。でもその不便さも含めてちょうどいい。庭で野菜を作ったり、歩いて海に行くなど、今の暮らしの中で当たり前のことが、これがなくなったら嫌だなと思うものになっています。

高垣:
もっと田舎へ移住したいとは思わないですか?

龍彦:
僕は都会的な刺激も欲しいですし、仕事的にもその接点は大事なので、都内に行くということは大切。だからここがいい距離感ですね。子どもたちが大きくなってきたらまたバランスが変わっていくと思うのですが、今はこの範囲にいるのがベストです。

高垣:
その時々のバランスですよね。私はずっと東京なのでお庭で野菜作りなど本当に憧れます。

ひかり:
私が働いている「うみのこ」は食に力を入れていて、食べることや作ることが好きな人が集まっているんです。「うみのこ」に限らずこの地域に根付いてる人たちは暮らしを自分でつくることを大事にしている人が多く、私自身も学ばせてもらっています。

高垣:
私も能登にある『湯宿さか本』に通うようになってから、さらに食への意識が変わりました。発酵食品や精進料理などへの興味がさらに増して、もっと深く学ぶようになりました。そしてそれだけでなく、住む場所や暮らし方、娘のことなど全てを見直すきっかけにもなり、そういう出合いは本当に宝物だと思っています。

家中に子どもたちの絵、山や海で拾ったものが飾られている。
庭には梅の木があり、その木をきっかけにご近所さんとの会話や物々交換が始まることも。

◇ 〝今自分が何を大切にしたいのか〟をまず考える

ひかり:
20代の頃にバンクーバーに住んでいたのですが、一歩外に出てみて、自分が当たり前に思っていたことは自分がいた場所に限ってのことだと気がつきました。自分が知っていた世界はほんの一部で、世界はもっと広いんだと。東京で生まれ育ってきたけれど、自分の人生や暮らしは、住む場所からも選択できるんです。今ここで生活したいという気持ちを大事にして葉山を選んでいるというだけで、家族のステージが変わった時にはまた東京に住むという選択肢も生まれるかもしれません。

高垣:
絶対にずっとここで暮らすと決めて住み始めたというわけではなく、その都度自分たちらしい暮らしができる場所を選択していくという感じなんですね。そう捉えると、住む場所や暮らし方への感覚が変わる気がします。

ひかり:
今と未来の自分が同じことを大切だと思うかはわからない。だから、今の自分がこうしたいと思うことを大事にしながら、自問自答を繰り返して選択していくことで自分らしくいられますよね、きっと。

高垣:
たしかに先を心配するのではなく、まずは今何を大切にしたいのかが1番重要ですよね。そこを考えながら自分らしく、娘は彼女らしく、暮らしていけたらいいなぁと思います。

ダイニングのすぐ隣は夫婦の仕事部屋。仕事と暮らしが密接であることが、家のレイアウトからも伝わってくる。 「ずっとこうする」と決めなくていいというひかりさんの言葉に、心配性な高垣さんは勇気をもらう。まずは考えることが第一歩に。

高垣さんMessage

◯ 年と出合いを重ね、自分のペースで 〝やってみたい〟と本気で向き合うように

私が食や時間への感覚が変わったのは、能登にある『湯宿さか本』さん。何もない贅沢ということに感動して、それから数カ月に一度通うようになりました。それによって、どう暮らしていこうかという部分を考えるようになりました。今日渡辺さんご夫婦からお話をお聞きして、先々のことはわからないけど、今を楽しまれてるんだなぁと感じました。私は心配性だからあれこれ考えちゃうけれど、想像ではなくまずはやってみないとわからないことって確かにあると思ったので、まず少しずつでいいので行動に移してみるということがきっと大事ですよね。(高垣さん)

「湯宿さか本」さんに最も影響を受けたのは、食。精進料理を学ぶようになりました。本当に必要なものだけがあり、私は自分と向き合う時間、娘は生き生きとした子どもらしい時間を過ごせる大切な場所です。

<高垣さん>ブラウス¥26,400(ツル バイ マリコ オイカワ)パンツ¥10,450(ミラ オーウェン/ミラ オーウェン ルミネ新宿2店)バングル¥42,900〈ジャミレイ〉リング¥38,500〈バージュエリー〉(ともにプルミエ アロンディスモン NEWoMan新宿店)ピアス/靴、スタイリスト私物

撮影/森脇裕介 モデル/高垣麗子 スタイリスト/中西雛乃 ヘア・メーク/小澤麻衣 取材/柿本真希 ※情報は2026年6月号掲載時のものです。

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