「束子」=たばこ?「鉄面皮」=てつめんかわ?迷わずにさらりと読みたい漢字4つ

読めない漢字があってもパソコンやスマートフォンの辞書機能を使えば、簡単に読み方を調べられる時代になりました。
けれど、できれば検索などをせず、その場でさらりと読めるのが理想的ですよね。
そこで今回は、“迷わずにさらりと読みたい漢字”をご紹介。ぜひ検索や辞書機能などを使わずにチャレンジしてみてくださいね。

1.「一家言」

「この分野については一家言を持っている」など「その人独自の主張」や「独自の持論」のことを「一家言」と言います。
「一家言」を読む際に間違いがちなのが「言」。「げん」なのか、それとも「ごん」なのかで悩んでしまい、結果的に誤読してしまう人が少なくありません。

そんな「一家言」の正しい読み方は……

いっかげん」です。また「いっかげん」という言葉は“ひとかどの見識のある意見”という意味から「一」+「家言」と思われがちですが、正しくは「一家」+「言」で「一家言」です。

2.「鉄面皮」

「鉄でできた面の皮」と書いて「鉄面皮」。何だかとても丈夫そうですよね。
「鉄面皮」とは、漢字のとおり面の皮が鉄でできていることから「非常に厚かましいこと」を意味する言葉。
「面の皮」は「つらのかわ」と読みますが、では「面皮」と書いて何と読むのでしょうか?

正しくは……

てつめんぴ」と読むのが正解。また、「鉄面皮」と同じ意味を持つ四字熟語に「厚顔無恥(こうがんむち/厚かましく、恥知らずなこと)」があります。こちらの四字熟語についても、併せて覚えておくと良いでしょう。

3.「作務衣」

元々は「僧の着る作業着」として作られていた「作務衣」。
作業しやすいよう身体を締め付けないデザインになっていることから、現在では部屋着として着用する人もいます。また、飲食店などの制服として用いられることも少なくないようです。
「作務衣」という名前は知らなくても、1度は作務衣姿の人を見たことがあるかもしれませんね。

そんな「作務衣」の正しい読み方は……

さむえ」です。「衣」を「い」と読むことから、「作務衣」を「さむい」と読んでしまわないよう注意しましょう。

4.「束子」

「束子」とは「たばこ」……ではなく「鍋や器の汚れを落とす道具」のことを言います。もしかすると、あなたの家にも1つは置いてあるかもしれませんね。
「束子」は安価なものだと1つ数十円ほどで、100円ショップなどにも置いてあります。しかし、希少な素材を用いたものや、職人が1つ1つ丁寧に作り上げた高級束子になると、1つ数千円のものもあるそうですよ。

そんな「束子」の正しい読み方は……

たわし」です。「束」という漢字は本来「たわ」とは読まず、「束子」の時だけ特殊な読み方をするため注意が必要です。
また、「束」の漢字を使った読み間違いやすい言葉には「束子」のほかに、「不束(ふつつか)」などがあります。こちらも併せて覚えておくと良いでしょう。

 

ここまでお疲れ様でした! 4問中、いくつ正しく読めましたか?

さらりと読めた漢字もあれば、読み方が分からない……という漢字もあったかもしれませんね。読めなかった漢字については、正しい読み方と言葉の意味をセットで覚えるのがオススメです。

ただ読み方を覚えるだけの場合と比べて、より理解が深まることでしょう。

参考文献
加納喜光『読めそうで読めない漢字Q&A―もう間違わない!実例集 』講談社

文/大内千明 画像/Shutterstock(gpointstudio、YAKOBCHUK VIACHESLAV、beeboys、Milenie)