【乃木坂46・樋口日奈】先輩俳優に好きを仕事にするためにすべきこと聞いてみた!
女優としても活躍する乃木坂46の樋口日奈さん。今年の4月から宅間孝行さんが手がける人気舞台で初コメディに挑戦することが決定!主演はもちろん、脚本や演出までマルチにこなして演劇界を牽引する宅間さんに、好きを仕事にして輝き続ける秘訣を教わります。
人を笑わせるのに必要なことを教えてください!
宅間さん[以下T]: あれ、コメディははじめてなんだっけ?コメディって、実はシリアス系よりもごまかしがきかないからなぁ。
ひなちま[以下H]: 乃木坂で出演しているバラエティでも、笑いを狙いにいくとウケなかったり逆に真剣にやっているだけなのに笑いが起きたり…。やっぱりコメディってお笑いのセンスや空気を読む力が必要なものですか?
T: それはあるに越したことはないけれど、そんなに気にしなくても大丈夫。俳優がとる笑いと、お笑い芸人さんがとる笑いは違うから。俳優は笑わせようとするんじゃなくて、一生懸命やってたら笑われちゃうイメー ジ。だけど最近のアイドルは求められることが多くて大変だよね。日奈ちゃんは、グループの中でどんな立ち位置なの?
H: 自分では全力少女キャラだと思っています。基本的にはしっかり者で真面目。以前、得意の「鉄棒足かけ前まわり」という技を全力フル回転で披露したら、思わぬ爆笑をさらったことがあって。え、これで爆笑なの?と驚きました。
T:ちょっと見てみたい!(笑)でも、コメディは本当にそんな感じがぴったりだと思う。例えば寅さん。彼は一生懸命筋を通しているだけなのに、それが滑稽で笑われてしまいますよね。
H:ちょっと安心しました!
樋口日奈:ワンピース、参考商品 (A PUPIL/UTS PR)ショートブーツ¥9900(CAMILLE BIS RANDA)イヤリング¥2900(アネモネ/サンポークリエイト)リング¥2000(Mignonjour/Room403 表参道本店)
宅間孝行: ジャケット¥23000シャツ¥18000パンツ¥23500(すべてイールプロダクツ/イールプロダクツ中目黒)シューズ¥26800(バーウィック/アースマ ーケティング)
自分に"濃いキャラ"がなくても焦らなくて大丈夫
T: いずれはグルー プを卒業する こともあると思うんだけど、何をやっていきたいの?
H: 役者のお仕事はもちろん、ダンスや歌、モデルのお仕事も全部楽しくてひとつには絞れない。宅間さんは、役者としてはもちろん、演出や脚本までマルチに活躍されているので尊敬します!
T: いま日奈ちゃんは22歳?僕の22歳の頃は、演劇にまったく興味がなかったの。それでも今こうして舞台をやっているからね。だからまだ決めきれなくてもいいんじゃない?
H: 乃木坂46に入って9年経つのですが、同じスター トラインだったコが卒業したり結婚しているコもいて、良くないと分かりつつ比べてしまうこともあって…。
T: 20代で自分のキャラを確立して、さっと結果を出してしまう人もたしかにいるよね。焦ってしまうこともあるけれど、長い目でみたときにどこに重きを置くか。20代で燃え尽きて、その後に隠居するのもひとつの幸せの形だけど、太く長く生きるのもカッコいいよね。
H: 長い目で考えたこと、なかったです。
T: もし、太く長く芸能界でがんばりたいなら、たとえ今は濃いキャラがなくても、焦らないで大丈夫。ただいろんな挑戦をしたり、目の前のことに一生懸命取り組むことは大事。やってきたことが、必ず自分を作っていくから。
H: 宅間さんが22歳のころは、どんなことを考えていましたか?
T: 22歳のころは大学生だったんですけれど、今の日奈ちゃんほど社会経験もないし、将来どうなりたいかも考えていなかったな。当時はバンドブームだったから、音楽の道に興味があったんです。演劇がかなり盛んな大学に通っていたのに、当時はそれすらも知らなかったくらい、演劇には興味がなかった。
H: えー!どうして演劇の道に進まれたんですか?
T: 自分としては理屈が通っていたんだけど、ミュージシャンになるために劇団を作ったんです(笑)。 CDデビューしているミュージシャン に、俳優出身の方が多いことに気がついて。さらに、人気劇団の看板役者が有名な俳優になっているケースが多いと気づいたんです。そこで、自分で劇団を作れば必然的に看板俳優になれるなと(笑)。あとは劇団が売れれば…。そこからは目的と手段がどんどん入れ替わって今に至るんだけど、劇団に注目を集めるために納得のいく脚本が欲しい、だったら自分で書こう、そうしたら演出も…っていう感じで。だから、今やっていることは22歳のころに憧れた職業では全然ないんです(笑)。
H: そういう流れだったんですか。私もまだまだ変わる可能性ありますね(笑)。
第一線で輝き続ける宅間さんから20代にアドバイス!
H: 宅間さんが考えるカッコいい大人って、どんな人ですか?
T: 人生って、自分次第で見える景色が、本当に変わるんです。仕事でも恋愛でも、新しいことをするときはストレスがあると思うんだけど、その分可能性が広がるんですよね。いくつになってもチャレンジができたり、柔軟な考え方ができる大人はカッコいいと思います。
H: 私もいろんなことに挑戦したいです。
T: あとね、芸能界でもなんでもそうだと思うんですけれど、その仕事を続けられるかどうかの才能を見極められることがあって。
H: 知りたいです!
T: 僕の舞台では、特に強制はしていないんですが、稽古前にウォーミングアップの時間を作っているんです。ワークアウト自体は20分程度なんですが、参加してみませんか?
H: ぜひ行きたいです!
T: たった20分、されど20分。地味に大変だから、どんどん参加者が減っていくんです。でもね、”才能”とか”好き”かどうかよりも、この20分を毎日続けられるかどうかだと思うんです。その仕事で食べていけるかって。もっとうまくなりたいから、大変だけど2ヶ月間参加する。そういう地道なことを積み重ねられるっていることが、実は才能なんじゃないかなと。
H: そのお話、すごく分かる気がします。千秋楽を終えたあと、どんな自分に出会えるか楽しみです!今日は貴重なお話をありがとうございました。
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仏の顔も笑うまで
ひなちまがヒロインを演じる本作は、宅間さんが作、演出、主演する「タクフェス春のコメディ祭!」の第3弾。 宅間さん演じる銀行強盗からひとめ惚れされる、田舎の寺の一人娘を演じる。東京公演は4月22日~29日、その後、愛知、岩手、福島、兵庫でも公演を行う。
樋口日奈
「乃木坂46」1期生で、JJモデルとしても活躍中。舞台女優として頭角を現し、表現力に定評がある。その美肌をひと目見ようと握手会に駆けつけるファンも多数。
宅間孝行
俳優、脚本家、映画監督。演劇プロジェクト「タクフェス」主宰。舞台をはじめ、映画やテレビ、執筆など、マルチに活動している。
モデル/樋口日奈〈乃木坂46〉撮影/小林真梨子 ヘアメーク/室橋佑紀〈ROI〉 スタイリング/鳥山悦代〈One 8 tokyo〉 取材/亀井友里子 編集/岩谷 大
※この記事はJJ4月号を再構成したものです。