世界中から注目されつつある「アーユルヴェーダ」は、美と健康の知恵がたっぷり詰まった医学です。
アーユルヴェーダって?
5000年前にインドで発祥した世界最古の医学。一般的な治療にとどまらず、病気の予防や毎日を美しく健康的に過ごすための知恵。人が本来持っている体質「ドーシャ」は風(ヴァータ)・火(ピッタ)・水(カパ)の3つにアーユルヴェーダでは分類され、自分に優勢なドーシャを知り、バランスを保った生活を送ることで心と体の健康を整えられるといわれています。
まずご自分のドーシャをここからチェック→【アーユルヴェーダ入門】あなたの見た目や不調の傾向までわかる「ドーシャチェック」で本来の体質を知ろう!
教えてくれたのは
アーユルヴェーダ・アドバイザー 三野村なつめさん
【PROFILE】
コピーライターの多忙な仕事で体調を崩した際に、アーユルヴェーダで不調が改善されるのを体験。インド やスリランカを訪れ、資格を取得。生活のなかでアーユルヴェーダを気軽に取り入れられ るコスメブランド「ARYURVIST」やスパイスキット「整えごはん」を立ち上げる。
自分の体質に合う食材を知ることが大切
「ドーシャ(体質)には3タイプそれぞれ積極的にとるべきと、避けるべき食べ物があります。体にいいと思って食べているものが、実は逆効果の場合も。まずは自分の体質を知り、体に合う食べ物をとることが大切。ここでは体質に合ったスパイスやオイル、野菜を使い、10分以内でつくれる簡単なサラダレシピをご紹介します。手軽においしく体を整えましょう」
【風・Vata(ヴァータ)タイプ】
ヴァータは消化力が弱いので、体に負担をかけずに温めてくれる食材を。根菜は火を入れて自然の甘みを引き出し、体を温める効果のあるシナモン、ナツメグ、ごま油をたっぷりとりましょう。冷えが気になるときや疲れたときに。
体を温め、消化を助ける「グリルサラダ」
かぼちゃの甘みとシナモンのスイーツのような味に、オリーブや塩のしょっぱさが程よく交わる温サラダです。
材料
カボチャ、玉ねぎ、ブラックオリーブ、アーモンド、太白ごま油、岩塩(各適量)
シナモン、ナツメグ(各小さじ1/2)
つくり方
❶カボチャは薄切りに、玉ねぎは半月切りにし、お皿に入れラップをして、電子レンジで2分温める。
❷①をフライパンで軽く素焼きにして水気を飛ばし、火を通す。
❸アーモンドをフライパンで軽く素焼きしておく。
❹②をボウルに移し、岩塩、太白ごま油、シナモン、ナツメグで和えて、お皿に盛りつけてから③のアーモンドとブラックオリーブをまぶす。
ナッツは食物繊維が豊富でエネルギーの源。ごま油とナッツの良質な油をとることで、体に栄養を与えて内臓まで潤います。
★ヴァータにおすすめの食材
根菜、亜麻仁油以外の油、ナッツ、しょうが、こしょう、シナモン、ナツメグ、クミン、カルダモン
冷え性で体力がないので、生野菜など冷たいものは避けスープやシチューなど温かく栄養のある料理を。スパイスも有効。乾燥しやすいのでオイルやナッツもたっぷり。
【火・Pitta(ピッタ)タイプ】
ピッタは血液の中に熱と酸が溜まりやすいのが特徴。血液を浄化するにんじんと、熱を冷ます効果のあるセロリやミント、ココナツオイルを使ったサラダがおすすめ。口内炎や肌荒れ、肌のほてりが気になるときにも◎。
血液浄化とクールダウンの「にんじんとセロリのラペ」
レモンとココナッツオイルでキャロットの苦味がやわらぐので、にんじんが苦手な人にもおすすめ。クミンの香りがアクセントに。
材料
にんじん、セロリ、ミントの葉、レモン、岩塩、ココナツオイル(各適量)
クミン(小さじ1/2)
つくり方
❶にんじんとセロリをスライサーで細かい千切りにする。
❷①をボウルに入れ、岩塩、レモン果汁、ココナツオイルを加え、和えてから、クミンとミントの葉を入れて混ぜ合わせる。
クミンは体の糖化を防ぐ働きがあり、免疫力や消化力もアップ。胃痛を緩和する効果もあるので、胃が弱い人が多いピッタに最適です。
★ピッタにおすすめの食材
キャベツやゴーヤ、オリーブ油やココナツオイル、アボカド油、ミント、バジル、コリアンダー、ターメリック
熱によるトラブルが多いので、熱いもの、刺激のあるもの、酸っぱいもの、脂っこいものは避けて。野菜は苦み、渋み、甘味のあるものを。アルコールやコーヒーはほどほどに。
【水・Kapha(カパ)タイプ】
むくみや冷え、便秘になりやすいカパは、デトックス効果の強い緑黄色野菜のサラダを。しょうが、ブラックペッ パー、ガーリックなど体内を活性化するスパイスを積極的に取り入れて。オイルはサラリとした亜麻仁油を。
デトックスと内臓を活性化する「グリーンホットサラダ」
ほんのり香るしょうがとガーリックが食欲をそそります。
材料
アスパラガス、ブロッコリー、ズッキーニ、グリ ーンピース、しょうが、にんにく
岩塩、亜麻仁 油、ブラックペッパー(各適量)
つくり方
❶しょうが、にんにくを細かく刻んでおく。
❷野菜を洗い、食べやすい大きさに切り、①と一緒にフライパンで蒸し焼きにする。(少し水を入れて焦げ目がつかないようにする)
❸人肌に冷まし(亜麻仁油の成分を壊さないため)、岩塩と亜麻仁油で和え、ブラックペッパーをかける。
体を温め、新陳代謝を促すブラックペッパーはカパに特におすすめ。食欲が増進され、消化力も高まります。風邪気味のときにも。
★カパにおすすめの食材
温野菜、ひまわり油や亜麻仁油、豆類、ブラックペッパー、しょうが、唐辛子、コリアンダー
脂肪を溜めやすいので、油っこい食材はNG。甘いものや乳製品、ナッツ類も少なめを心がけて。刺激のあるブラックペッパーやしょうが、唐辛子などスパイスは積極的に。
撮影/中林 香 取材・文/森本奈穂子 構成/長南真理恵
Mart2020年5月号
そのプチ不調にさようなら おうちでととのえる!「アーゆるヴェーダ」入門 より
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