『愛の不時着』に学ぶ、運命の女に必要な5つのこと【映画ソムリエ東の「大人女子のための映画塾」】
新型コロナの影響で続く、おうち時間。まだまだ家でお過ごしの方も多いですよね。本日は、視聴者をどハマりさせることで定評のあるドラマの中から、アラサー世代の女性たちの恋愛のヒントを発見したので、ご紹介します。今回紹介するのは、韓国ドラマの中でも折り紙付きの面白さを誇るNetflixオリジナル「愛の不時着」。
ドラマのヒロインに学ぶ、【どんな困難があっても、「運命の女」】と思わせる特徴をピックアップしました。
タイトルからして昼ドラのような仮面をかぶっておりますが、なんとも強い傑作ドラマでした!韓国ドラマはエピソード数も多いのでお家で本気を出せる今こそ、ハマるのが最適の作品です。16話で全視聴時間合計は22時間26分。ちなみに私は3日で観ました。「そんなの廃人のやること」だと、以前の私であれば心ひそかに思っていたかもしれません…。ですが「3日で観た!」と謎のマウントをとりたくなるほど今となってはハマった自分を誇れるのです。
💡10秒でわかる Netflixオリジナルドラマ『愛の不時着』簡単なあらすじ
●パラグライダーの事故で、韓国の財閥令嬢が北朝鮮に不時着
●そこで出会った堅物の北朝鮮の軍人将校の家で、身分を隠して暮らすことになる
●いつしか2人は禁断の恋に落ちていく
●2人の恋愛が進むほど、命の危険が伴う
恋愛要素はもちろんのこと、裏切りや復讐、政治問題など全ての物事が取り込まれていて毎回密度が濃すぎて喉がカラカラになりがちです。豊富な作品数を取り揃えたNetflix国内作品の中でも、視聴数第1位(5月7日時点)の人気を誇るこの作品。このドラマの監修をつとめたのが、実際に北朝鮮からの脱北者であるため、リアルな北朝鮮の暮らしぶりが垣間見れるのも大きなポイントです。
それでは、今回はそんな「愛の不時着」のヒロインであるユン・セリ(ソン・イェジン)から学ぶ“この女性こそ、運命の人かも?”と男性が思ってしまうポイントをまとめてみます。
その1:なにかと共通点が多いことをアピール
なにかと共通点が多いことが大事です。なかなか難しいですが、好きな食べ物やこれまで行った海外の話から共通点を見つけてみるのも良いかもしれません。運命とは人間の意志を超越して人に幸、不幸を与える力と辞書にあります。恋愛のタイミングが合うことと同様に“縁のある”相手だとお互いに思うことで、2人の恋が神聖なものに思えてきますし、強く結ばれるきっかけがあるかもしれません。
その2:それぞれの違いを認めあうスタンスでいる
愛しているからこそ、相手の気持ちを尊重する。これってとても難しいことですが、もっとも重要な要素。外見同様に価値観もこれまでの固定概念だけで判断せず知る努力が必要です。北と南。お隣の国だけど、同じ言葉を話すけれど、見た目も似ているけれどパスポートでは行けない。この2つの国の男女の恋に、そのヒント大いにあり。
その3:時には「頼れる一面」を見せる
こんな不安定な時代だからこそ、たくましさを兼ね添えた女性は魅力的です。常に男性に守ってあげたいと思わせるタイプの女は、アラサーにもなれば、正直地雷案件だと男性にもバレています。彼のピンチのときは、誰かを頼ろうとするのではなく、まずは自分の力でどう役に立てるのか考えて腹を据えた行動するユン・セリ。韓国では経営者である彼女ですが、決断力と行動力のある彼女からはバリキャリ女子ならではの貫禄が漂います。
その4:視野をひろげてくれる存在であると思わせること
視野を広げることができる恋愛は素晴らしいですよね。それぞれが知っている美しいものや美味しいものにであったり、その人を通してじゃなければ出逢えなかった人との縁もときには結ぶ。視野を広げることとは、つまるところ色々な考え方ができるようになること。お互いに良い影響を及ぼしあえる関係は、双方の人生にメリットを生むものです。
その5:どんなときも清潔感をキープする
相手の好みであることは当然大事です。その事実からは目を背けていられません。好みというのは難しい問題ですが、男性の95%が求める“タイプの女性のポイント”の1つに清潔感があります。どんな服装をしても、メークをしても良いですが、どんなときも清潔感を心がけましょう。特に顕著にあらわれるのは爪先と髪のツヤ、肌など。基本的なパーツのケアはどんなときも心がけてください。
映画ソムリエのライターが、もう少し「愛の不時着」の見所を紹介!
ちなみにこれまで北と南の分断を扱ったものはもちろん他にもありましたが、軍人目線や潜入スパイものが有名。このドラマでは私達と同じような立場の普通の人々の暮らしぶりを垣間見られるからたいへん新鮮です。
韓国と北朝鮮。文明の進んだ現代的で便利な韓国の生活。貧しいながらも村中が協力し合って絆で結ばれている北朝鮮の生活。どちらかを貶める視点ではなく、あくまでフラットなのも素晴らしく、作り手たちの博愛的な何かを感じます。「日本からもほど近い世界を知る。そのために観ている」と、これは単なる恋愛ドラマを観ているだけではない知的な時間なのだと自分に言い訳できるところも胸をはれるポイント。
主人公2人の恋は、現代の話にもかかわらず結ばれることによって命の危険が伴います。成就したら、命すらも危うくなってしまう可能性がある恋。そんな恋愛って、ありますか?強く結ばれていく2人の絆を彩る胸キュン要素を毎エピソードごとに用意され、1話に必ず、セロトニン(幸せホルモンとも呼ばれる脳内物質)を分泌させてくれるありがたさも。障害が多いほど、恋は燃え上がるものですが、歴史に残るあの名台詞をべランダと庭でやりとりをしていたロミオとジュリエットたちよりも過酷な恋だと思いました。
常に命の危険を心配しながら2人の愛の行方を見守るという新鮮さ。視聴者も毎回祈りを捧げながら鑑賞するので、聖母となった気分すら味わえます。というわけで、普通のラブロマンスをみているよりも深いところに到着、いや不時着する気がしてなりません。もはや未知のものに相対する感覚でした。
いかがでしたでしょうか?21世紀という女性の強さも必要となったこの時代にお手本となってくれるユン・セリの賢くて可愛い生きざまと、北の軍人との運命的な恋の行方をこんな時期だからこそじっくり堪能してみてはいかがでしょうか?
Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中
この記事を執筆したのは
東 紗友美(ひがし さゆみ)
’86年、東京都生まれ。映画ソムリエ。元広告代理店勤務。日経新聞電子版他連載多数。映画コラムの執筆他、テレビやラジオに出演。また不定期でTSUTAYAのコーナー展開。映画関連イベントにゲスト登壇するなど多岐に活躍。
http://higashisayumi.net/
Instagram:@higashisayumi