子供たちに今“この本”を読ませたい 安浪京子さん選

Youtubeもゲームもいいけれど、そろそろ心を揺さぶる「本」に出会って欲しい。世界中の母たちがそう思っているかもしれません。まだまだ家での時間がいつもより多い今、各界のスーパーマザーに母親目線で選ぶお薦めの本を伺ってみました。

目次 ★選者 安浪京子さん
★小学校低学年の子供にお薦めの本
★小学校中学年の子供にお薦めの本
★小学校高学年の子供にお薦めの本


★選者 安浪京子さん

<Profile>

算数教育家、中学受験専門カウンセラ ー。 神戸大学発達科学部卒。関西・関東の中学受験専門大手進学塾にて算数講師を担当、プロ家庭教師歴約 20 年。 中学受験、算数、メンタルサポートなどに関する セミナーを多数開催、特に家庭で算数力をつける独自のメソッドは多数の親子から支持を得ている。小学3年生男子の母。『きょうこ先生のはじめまして受験算数』(朝日学生新聞社)、『中学受験 男の子 (女の子)を伸ばす親の習慣』(青春出版)など、著書多数。

ーーゲーム機は息子に渡していません。なければ、ないなりに、楽しい時間を過ごしていますね。

算数が苦手な小学生から絶大な人気を誇る「きょうこ先生」こと安浪京子さん。これまで百軒以上ものお宅で家庭教師を担当し、”手取り足取り”に親切な親御さんを見てきたこともあり、現在小学3年生の息子さんにはもっぱら”自立”を促す主義であるとか。「息子を過保護にしないし、NOゲーム機主義です。その分、本人が興味を持ったものは潤沢に与える方針です」。LEGOから始まって、プラレール、ピタゴラス、電車と経て、このSTAYHOME期間中はプログラミングにハマっていたそう。「学校から支給のタブレットでは物足りないようだったので、息子専用のパソコンを買いました。『プログラミングゼミ』に作品をアップしたりして楽しんでいましたね。」

では、息子さんはそのパソコンで”無限youtubeループ”にははまっていないのでしょうか?
「『太鼓の達人』が好きなんですけど、普段は段ボールとバチでアナログに練習してまして。そのときだけyoutubeで上手な人たちの動画を見せています」とのこと。多くの子供と接している中で、youtubeを見すぎて、長い文章や映画に耐えられない子が増えている実感があるとのことです。「常に飽きさせない工夫をしたコンテンツにしか脳が興奮しないくなっているのかも」と聞くと、そうなる前に良質な本を手に取ってほしいと切に願ってしまいます。

もっとも安浪先生自身は「息子は本より他に興味を向いていることが多いので、無理に押し付けたりはせず、良質な本が沢山ある環境を与え、本人の気が向いたときに手に取れるようにしている」とか。
今回は、教え子たちにお薦めしてきた本をあげてくださいました。
「『クマのプーさん』は、私が大人になってから出会った本。よく教え子に手渡したりしますね。候補には上げていませんが、関わった子全員に『モモ』(ミヒャエル・エンデ・著)を、中学に入る際に渡しています。」


★小学校低学年の子供にお薦めの本

エルマーのぼうけん ルース・スタイルス・ガネット ・著

文字が多いので絵本ではありませんが、出てくるキャラクターが個性豊かで「こんな感じかな?」とイメージを膨らませて読み進めると、挿絵に度肝を抜かれます。何よりエルマーの勇敢さや壮大な世界に子ども達もハラハラドキドキ。表紙をめくってすぐの地図を見ながら読み進める経験も新鮮で、冒険ファンタジーの入門書として最適です。息子も好きでよく読んでいました。


★小学校中学年の子供にお薦めの本

100万回生きたねこ 佐野洋子・著

未就学児でも読み聞かせに使われる絵本ですが、その頃とは異なり34年生は自我が芽生えてきます。ママやパパ、友達の大切さを何となくわかりつつも鬱陶しく思う時が出てくる、そんな時にこそ読んで欲しい本です。「主人公のねこはなぜ泣かなかったのか・泣いたのか」を、さらに一歩深めて話し合うことができるようになるのは、中学年になったからこそです。


★小学校高学年の子供にお薦めの本

くまのプーさん A.A.ミルン・著

「くまのプーさん」というと、ハチミツをなめたり風船につかまって飛んでいたり…という“ディズニー”のプーさんを思い出すかもしれませんが、原作は異なります。児童文学作家のミルンが書いたプーさんは言葉遊びや洞察力に優れ、大人が読んでも、新鮮な視線や色あせてしまった感情を呼び起こしてくれます。挿絵も素晴らしく、児童文学の金字塔です。


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