VERYモデル申真衣さん「結婚当初は婚姻契約書を作りました」

2020年、VERYは創刊25周年を迎えました。ずっとママたちを見続けてきたVERYですが、特にこの5年はママたちの変化に驚いています。誌面で活躍しているモデルたちも、5年の間にいろいろありました。結婚したり、夫婦関係が変わってきたり、離婚したり。そのなかで感じた価値観、ライフスタイルの変化について聞きました。
今回は、2020年3月号からVERY専属モデルとして活躍中、現在は第2子妊娠中の申 真衣さんです。

 

「一度はしておこうかな、と結婚。
こんなにチーム感があって
楽しいって知らなかった」

 

実は私、結婚に興味がありませんでした。20代後半は仕事もうまくいき始めて、働くのも、好きな場所に住むのも、オシャレも外食も楽しい! だから結婚したら友達と会いにくくなったり、転勤についていくこともあるかも? 今の幸せが減るんじゃないかと不安でした。そんな5年前、今の夫からプロポーズ。好きだったし、雰囲気も相まって、YESと言ったけど、我に返ると「私、結婚するの?」とモヤモヤ。入籍の引き返せない感じに焦り「入籍はしなくてもいいんじゃない?」と言ってみるものの、どんどん進む。もちろん結婚したい気持ちもあったから、悩んだ末に結婚。離婚して幸せになった友人も周りにいて、いざとなればそういう選択肢もあると折り合いをつけました。

そんな結婚への不安や葛藤もあり、結婚当初、婚姻契約書を作りました。内容は財産分与などではなく、当時転勤もありうる環境だったので「1年半以上別々の場所に住まないよう努力する」や「家事育児は半々」などリアルな結婚生活にまつわる事柄について。作る過程で自分たちが結婚に何を求めているのか、すり合わせができた気がします。結婚に消極的だったものの、してみてよかった。夫がいい人だったんです(笑)。家族を大事にする人で、生活を回すときの価値観も似ていました。以前は“仕事がうまくいかない=私終了”と思っていたけど、家族ができて、他で肯定されているようで安心もしました。応援して応援されるようなチーム感。今や一番の話し相手で相談相手です。家事育児、仕事のことまでなんでも話します。大体お互いの周りのことをシェアしてるから、誰よりも話したい人になっていくような気もします。

 

 でも、すべてがうまくいっていたわけではなくて。娘が1歳半の頃、夫が出張が多かったこともあり、家事育児の多くを私が背負っている気がして嫌になった時期がありました。「いま目の前に分かれ道があって、その先には離婚があるかも」と、不満に思っていること、どう歩み寄れるか、話し合いました。そこから、ちょっとでも違和感があったら軌道修正するようにしています。

家事・育児は半々と決めたから、分担にして可視化しようとも思ったけど、夫が出張が多くフェアにならないことも。だからこれはやめよう、と日々試行錯誤ですね。

 

 それに、話してもすり合わないことはある。そのときは担当制に。先日も「水泳を習わせたい」と言うので「都内の水泳教室ってすごく待つらしい」と返したら、調べてウェイティングしていました。ついママが手を出しがちですが、私がさせたいわけじゃないのに無理すると、送迎しながら「習わせたいわけじゃないのに」と不満に思う気がして。やリたい人が担当、という空気を出す(笑)。あと、機嫌よく過ごすようにもしています。喧嘩するときって、ひどいことをした、されたというより、イライラしているときのような気がして。私も楽しいことをするし、夫は運動するとご機嫌なのでジムやサーフトリップに送り出し「行けてよかったね!」で夫婦円満を目指してます。

 

 5年前は、結婚で自分の幸せが減るかもと不安だったけど、共感したり共有したり、思い通りにいかなくても軌道修正したり、という日常がすごく楽しいって気づきました。同時に、結婚はゴールじゃないとも思うんです。人生100年時代で、ずっと同じ人といるって決めつける方が変だと思うので(夫はその考えが嫌みたいですが)、“結婚したからずっと一緒”じゃなく“今楽しいから一緒にいる、という選択を続けた結果ずっと一緒にいられた”がいいなと思います。

 

結婚生活を円満に続けるためにしていること3箇条

1.婚姻契約書にはじまり、結婚に求めるものをすり合わせる

2.起きてから寝るまで、とにかく話す話す話す

3.家事育児、すり合わないことは担当制にする

 

あんこが大好物な旦那さんと土曜日の午後のおやつタイムもおしゃべりしているそう。衣装、ジュエリーは本人私物です。
プロポーズされる直前に夫が撮った写真。ランカウイの綺麗なビーチの雰囲気でYESと言ってしまったけど!?

●申 真衣さんPROFILE
現役の企業役員であり4歳の女の子ママ。2019年6月号でVERY初登場後、編集部内外で話題となり、2020年3月号よりVERY専属モデルに。ミニマルなファッションとロジカルな思考も人気の理由。愛称は“シンマイ”。

 

 

撮影/谷口大輔 ヘア・メーク/陶山恵実(ROI) 取材・文/嶺村真由子 編集/城田繭子
*VERY2020年8月号「結婚、夫婦関係、仕事、離婚。いっぱい考え、手に入れた幸せがある この5年、VERYモデルの中に起きた“変化”」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。