コロナ禍で、同棲するカップルが今増えていると聞きます。同じ家に帰るほうが安心、結婚準備に、家賃折半のため――

理由はそれぞれだけど、実際どうなの？ お金のこと、家事のこと、セックスレスのことまで、友達にも聞きづらいあれやこれを何回かに渡ってお届けします。今回は「もう二度と同棲はしません！」と断言する、同棲を経て別れを選んだ女性が登場。いつか同棲したい人、近い将来同棲するかもしれない人はぜひ参考に。

「3日目に“一緒に住むのが不安になってきた”と言われて」

——同棲したきっかけを教えてください。

付き合って1年くらい経った夏、私の家のエアコンが壊れて彼の家に転がり込んだのがきっかけでした。約半年間、彼の家に住み続けていて、2人で住むには手狭だから広い家に引っ越して同棲しよう、という話になったんです。

——いいタイミングで転がり込んだ感じに見えます。

はい(笑)。でも新居で住み始めて3日間で「一緒に住むのが不安になってきた」と言われてしまって……。

——え! それまで半同棲していたのに突然ですか!?

そうなんです……。まだ彼は前の家を引き払っていなかったので、自分の家と新居を行き来して、一緒に住んでいたのは週の半分くらい。ゲーマーの彼だったので、ゲームに集中したいときは自分の家に帰っている感じでした。

——その間の家賃は?

彼は新居の家賃も払ってくれていました。でもほぼ住んでいないのに完全に半々にするのは申し訳ないなと思って、私が10万、彼は6万＋元の家の家賃を払っていました。ちなみに光熱費も私持ちです。

「結婚話も出ていたのに…」

——半同棲を経て同棲、となったとき、結婚について話したりしましたか?
同棲の話が出始めた頃、「来年の誕生日に入籍しようね」と言ってくれたので、同棲して結婚する流れかなと思っていました。彼の両親には以前から会っていましたが、同棲開始のタイミングで、私の両親にも彼を紹介して。親からも「いつ結婚するの?」ってよく聞かれてました。

——結婚の話は出ていたものの、半同棲状態だったのですね……。

そうなんです。半同棲状態が1年くらい続いて、入籍予定だった私の誕生日が来たのですが、彼の仕事が忙しかったみたいで、すっぽかされてしまって。誕生日だってことすらも気付いていなかったらしく、連絡もなかったんです。業界が近いから仕事の忙しさも分かると言えば分かるのですが、私も期待していた部分があったので、かなり凹みましたね。結婚するなら相手も自分のことを好きでいてくれる人としたい。彼のことは好きだけど、今は彼の気持ちが分からないし、伝わらないから、別れた方がいいのかも、と思うようになりました。

「結婚前からセックスレスに悩むのは嫌だった」

——別れ話はKさんから?

はい。自分の気持ちを伝えたら、彼も「すごく好きで大切な存在だけど、恋愛感情なのかどうかは分からなくなってきた」って言っていて。色々腑に落ちましたね。私自身、一緒に住み始めて細かい不満はあまりなかったのですが、2人でいる時間が増えたことで家族になっちゃったのか、セックスレスに悩んでいたので……。彼に寝る時間をあからさまにずらされたり、私がベッドに入っても、すごく眠そうにしながらもなんてことないYouTubeを見続けていたり。私も別に誘ってるわけじゃないのですが(笑)、なんだか避けられてる感じがしてたんです。

——セックスレス問題、同棲カップルのあるあるのひとつですよね。

結婚や将来のことを考えると不安なので、彼と話し合ったこともあるんです。

——こちらから話を切り出すのって勇気がいりますよね……。

そうなんです! でも彼は「2人でいて楽しければそれでよくない?」っていう意見で。話せば変わるかなって期待したものの、問題に向き合わずに、何も変えようとしない彼のスタンスが垣間見えてしまって。彼の意見も分かるけど、私は20代でセックスレスに悩むのは嫌だったので、この件も別れを決意する一因になりました。

「もう結婚まで同棲はしません…」

——同棲を経て、別れという選択を選んだMさんですが、1年半の同棲生活を振り返ってみていかがですか?

一緒に住んだからこそ、彼や生活の真髄が見れたので後悔はしていないのですが、もう同棲はしたくないです。引っ越しを伴う別れは本当に辛い。2人用の部屋から1人用の部屋に引っ越すのは、気持ち的にかなりやられました。次に誰かと一緒に住むのは絶対に結婚してから、と決めています。今は憧れだった渋谷区に引っ越しました。インテリアも自分好みにして、ネットフリックスを観たり…。人生最後の一人暮らしだと捉えて、おしゃれタウンでの新生活を楽しんでいます。

あまり周りには言えないけれど、実は悩んでいるアラサー女子も多いセックスレス問題についても語ってくれたMさん。「引っ越しを伴う別れが本当に辛い」という言葉は、同棲を経て辛い経験も乗り越えてこその一言だなと、胸に刺さりました。

取材／坂本結香　構成／CLASSY.編集部