自宅で料理教室をしていると、「フライパンどこの使ってるの?」とけっこうな頻度で聞かれます。鍋は「ストウブ」「ル・クルーゼ」「バーミキュラ」など人気の高性能鍋がいくつも浮かぶのに、フライパンは何だかコレといったものがない……。普段の食事づくりで、鍋よりもフライパンのほうが使用頻度は高いはずなのに……。
多くの人は自分のフライパンを気に入っていない気がします。「とりあえず……」で買ったフライパンをずっと使っているパターン、多くないでしょうか??
そこで今回は、フライパン選びのポイントとおすすめを紹介したいと思います!
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まずは素材。鉄かフッ素加工か? ちなみにフッ素加工とテフロン加工は同じものです。テフロンは商標登録されている商品名なんですね。
我が家の中華鍋は鉄(鋼板)製。「RIVER LIGHT 極」。鉄のフライパンの特性は、錆びにくく、面倒な手入れを極限までそぎ落として使えること。しっかり重さがあり、まだまだ焦げつかせてしまうこともありますが、長く連れ添う相棒にしていきたいと思っています。
鉄のフライパンは、熱伝導が良く、料理上手な人が育てるように使っている憧れのフライパン。一生モノとさえ言います。鉄のフライパンは基本洗剤で洗わず、しまう前には油を塗っておきます。徐々に油がフライパンに馴染んでいき、くっつかないフライパンになるそうです。そう、鉄のフライパンはモノを丁寧に扱う性格と、鉄製品の知識が必要なのです。“丁寧な暮らし”の象徴のようですね。
その点、フッ素加工はくっつかないし、洗ったら水気を拭いてしまうだけ。フッ素加工は一生モノではありません。フッ素加工が剥がれてきたら寿命です。熱や摩耗による経年劣化で剥がれてくると、食材がくっつきやすくなってきます。フッ素樹脂が有害という噂を耳にしたことがあるかもしれませんが、それは誤解です。ただひとつ言えるのは、「から焼き・から炊き厳禁」ということです。現在日本で売られているフッ素加工のフライパンは安全であると言えます。そして気になるのがフッ素加工のフライパンの寿命。ずばり1年です! グレードの高い商品で3年持つものもありますが、お料理がくっつくようになってきたら新しいものにチェンジしましょう。
次にサイズ。私は28㎝と20㎝を使っています。26㎝のものも一般的ですが、3人家族以上ですと、一度にたくさん調理したいので28cmがおすすめ♪ これは家庭のガスコンロの口と口の距離問題もあるので、大きければいいと一概には言えません。そして小振りなフライパン(20㎝)は絶対に持っておくべきです。少量調理には欠かせませんし、子どもに料理を教えるときも使い勝手がいいです。
重さは、軽いもののほうが煽るときや盛りつけるときに手に負担がなくていいかと思いきや、五徳にのせたときにガタついたり、炒めるときにぐらついて不安定になってしまうので、ある程度の重さは必要かと思います。私が使用しているものは20㎝が400g、28cmが600g。軽量タイプなので扱いやすいですが、何も入っていない状態だと五徳の上で傾きがちなのが難点です。
サーモスのガス火専用「デュラブルコート軽量モデル」の28㎝と20cm。
また、フライパンをキズつけないために愛用しているのがシリコンのスパチュラと木製のヘラ。
シリコン製は「ル・クルーゼ」のもの。木製のものは熊本県にある「木工房ひのかわ」さんのもの。6種の木材から選べて、職人さんの手づくり。美しいフォルムとフライパンに当たるときの音が柔らかくて心地いいです。ギフトにもぴったりです!
最近の私のお気に入りのフライパンはサーモスの「ガス火専用デュラブルコート軽量モデル」。買い替えを考えている方の参考になればと思います!
取材・文/滝野香織
滝野香織
管理栄養士