【BLAST Inc. 石井リナさん①】会社員から起業。経験を生かし、新しい道を切り開く方法とは?[連載・私らしい働き方]
キャリアの選択が多様化し、より自由に選択できる今。
「自分らしい働き方」を追い求め、実現させている憧れの自立女子たちにご自身のキャリアの実体験を語ってもらうWEB連載。
第二回目の今回はBLAST Inc. CEOの石井リナさんにインタビュー。女性向けエンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」の運営や、近年話題となったフェムテックブランド「Nagi」の立ち上げを行っています。
「女性のエンパワーメント」を目標に掲げ、SNSを通じ力強い発信を行う石井さん。【前編】では大学卒業から起業への経緯、そして石井さん自身のバックグラウンドについてお話をお伺いしました。
Q. 会社設立、メディアを立ち上げたきっかけとは?
JJ編集部:エンパワーメントメディア「BLAST(ブラスト)」を立ち上げたきっかけを教えてください。
石井さん:新卒で入社したIT系の広告代理店では、デジタル・SNSマーケティングに従事をし、その後ベンチャー企業に勤め会社員をしながらフリーランスでも仕事をしていました。
新卒で入社した会社員時代から、海外のメディア・インフルエンサー・企業が、どうやってSNSを使いコミュニケーションを取るのかをずっとウォッチしていたのですが、2016〜2017年あたりは、欧米ではダイバーシティやフェミニズムについてとくに注目が集まっていました。その時に世界の中における日本のジェンダーギャップ指数の低さ、男女格差を知り、とてもショックを受けたんです。そこで日本の女性たちに現状を伝える必要があると思い、まずはメディアからと考え、2018年にBLAST Inc.を立ち上げました。
Q. 新卒から企業に至るまでに変化はあったのか?
JJ編集部:IT系の広告代理店からキャリアをスタートさせたのはなぜですか。
石井さん:就職活動では幅広い業種を視野に入れながら進めていました。多くの会社をみていく中で、インターネットの畑が自分にはあっていると気づき、最終的にはIT系に絞って就職活動をしていました。また、年功序列ではなく風通しがいい会社、成長市場で働きたいという思いもありました。
JJ編集部:新卒の会社では特にマーケティングに携わっていたということですが、ジェンダーバイアスに興味を持ったきっかけあったのでしょうか?
石井さん:家庭では父親の方が家事をする家で育ち、中学、高校の学生生活も男女別学。クラスには女性しかいない環境でした。家庭と学校で、ジェンダーバイアスを受ける機会は少なかったと感じます。
しかし、テレビをつければ政界には男性ばかり、経済紙を見ても男性しかいない。特に当時はモテをより強くメディアが謳っている時代だったので、日本で生まれ育ったからにはかなりのジェンダーバイアスの中で生きてきたと思います。今思えばジェンダーギャップのある環境に麻痺していたのかなと思いますね。
Q. 会社・メディアを立ち上げる準備は?
JJ編集部:会社・メディアを立ち上げるために行ったことを教えてください。
石井さん:私たちは、いわゆるスタートアップと呼ばれる経済圏にいます。メディアを立ち上げて運営することはある程度の資本力がいるので、資金調達をして運営するという方法をとりました。また、そうした方法をとらずしても、クラウドファンディングやInstagramやTwitterでの発信だったり、小さくスタートすることもできます。また、私が運営しているNagiやBLASTは日本の女性をエンパワーするというミッションが共通してあります。
JJ編集部:スタートアップを選んだ理由はあったのでしょうか。
石井さん:きっかけは出資者となる、当時動画メディアを運営していたONE MEDIAの明石ガクトさんと出会ったこと。会社を作るということではなく、欧米で発達していたフェミニズムメディアやコミュニティと呼ばれるものが日本の女性をエンパワーするために必要であると話しているときに、出資のお話をいただきました。その後、他のベンチャーキャピタルや事業会社とつながっていって、会社を立ち上げ、資金調達を実施しました。
Q. 起業してポジティブな面とネガティブな面は?
JJ編集部:BLAST・Nagi立ち上げて良かったこと、大変だったことを教えてください。
石井さん:ポジティブな面は、BLASTやNagiをきっかけに多くの反響をいただくことですね。去年一番買って良かったものとしてNagiを投稿してくださる方や「Nagiに出会って人生が変わった」など、そういった言葉をいただくと、本当にやっていて良かったなと日々思います。
一方で、失敗は日々あります。スタートアップで小さい会社なので、波の高い海を小さい船で進んでいくという感じ。日々、問題をどうクリアにしていくかという繰り返しです。スリリングといったらポジティブな言い方ですが、負荷がかかっているなと感じることもあります。みなさんからいただく声、やりがい・使命感といったところと表裏一体です。
Q. BLAST・Nagiのこれからとは?
JJ編集部:これから会社をどのようにして行きたいと考えていますか。
石井さん:もともと日本のジェンダーギャップ指数にショックを受けて立ち上げた会社ではあるので、引き続き日本の女性へのサポート、そしてエンパワーメントすることは変わりません。日本のジェンダーギャップの是正が最終目標ではありますが、それは私一人の力では到底難しい。会社のメンバーとともに、私たちができることを日々少しずつ事業を通して行っていきたいなと思っています。
後編ではNagiのお話、そしてJJ読者へのアドバイスもお伺いします!お楽しみに。
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