ボーク重子さんインタビューで感じた「“私”であり続けること」の大切さ

ボーク重子

下に書いたタイトルは、すべて現在発売中のVERY4月号の企画です。

●離婚の未来、もっとよくしたい!

●子育て後「何もない私」にならないために今できること

●人工肛門になっても……人生は輝く!

●今読みたいのは「ふつうの女の子」が主役の絵本

●ある時から妻との会話がなくなる 夫にとっては戦慄のホラー『妻が口をきいてくれません』

この充実ぶり、ちょっとすごくないですか?「基盤のある女性は、強く、優しく、美しい」なるキャッチコピーや、「VERY妻」なんて言葉で語られてきた『VERY』ですが、2021年の現在地はまったく違うところにいるような気がしてなりません。
申し遅れました。私はファッション・美容ページ以外の、いわゆる読み物ページを担当しているライターの小泉なつみです。自分が今回担当したのは、「子育て後『何もない私』にならないために今できること」のボーク重子さんインタビュー。

 

ボーク重子さんとは?

Shigeko Bork BYBS Coaching LLC 代表。ICF(国際コーチ連盟)会員ライフコーチ。1965年生まれ、福島県出身。29歳で渡英し、現地の大学院で現代美術の修士号を取得。その後、専業主婦、パートタイマーを経て2004年にアジア現代アートの専門ギャラリーをオープン。その2年後にはバラク・オバマ元大統領らと共に「ワシントンの美しい25人 」として選出されるなど、大成功を収める。ʼ15年からはライフコーチとして活躍し、自身の子育てで培った「非認知能力」に関する講演や書籍を出版する。現在は、20歳上の夫とワシントンDCで2人暮らし。

ボーク重子

現在ライフコーチを務めるボークさんは専業主婦を経てオープンさせたアートギャラリーが40代で大成功を収め、 一人娘のスカイさんは「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝と、公私共に非の打ち所のないキャリアを築いてきました。しかし長らく、母の「いい娘」であらねばと悩み、専業主婦時代は「いいママ」「いい妻」の呪縛に囚われていたと言います。

そんなボークさんの取材を通じて感じたのは、「“私”であり続けること」の大切さです。「当たり前やん? 私はずっと私やで」と思いますよね。ですよね。そうなんです、私も常々そう思っていたんですが、ボークさんはこんな風に語っておられたのです。

「子どものお菓子は全部手作りで、夜遅く帰ってきた夫にはご飯を温め直して出す。両親の介護も買って出る……。そんな風に世間から求められる『女らしさ』を完璧にやっていれば、確かに褒められるかもしれません。

でもそこで認められている部分は全部、『娘』『母』『妻』『嫁』という『役割』の部分であって、『自分』 ではないですよね」

誰しも一度は、「いい妻」「いいママ」「いい嫁」になりたいと考えるのではないでしょうか。かくいう私も、夫を呼ぶ時はだいたいドスの利いた声なのに、義母の前では3オクターブ高くなります。手抜きご飯の時は「最近のレトルト進化してるわ〜(大声)」と、さも「最新インスタントを試している」風を装う。それも、無意識のうちに。「いい妻」「いいママ」「いい嫁」のスイッチを滑らかにON/OFFできるその筋肉は一体いつ培われたのか……。驚くと同時に、我ながら恐ろしさを感じます。

今回ボークさんの言葉を聞いて、あらためて考えました。自分が考える「いい妻」「いいママ」「いい嫁」らしい行いの中で、他に替えのきかない、「私」でなければできないことってどれくらいあるだろうと。私は料理も好きじゃないし、裁縫も気が向いた時しかしたくない。お義母さんは大好きだけど 、将来的に子どもとWケアになったらさすがに厳しい。でも、ここに挙げたものは私じゃなくたってできることだよな……と。そんな風に考えていったら、「いい妻」的仕事はお金で解決できることや他の人に頼れることばかりだったんですよね(もちろんお財布と相談ですが)。ちょうど昨日もしまむらで、保育園で使う巾着袋を買ったばかりだし。
あと私は2年前、35歳で大腸がんになりまして。当時、子どもは1歳になったばかり。そんな状況で死を垣間見た時、「ああ、自分にしかできない仕事をしたい」と強烈に思いました。それはやっぱり自分の中では忘れられないことだったりします。それに病院にいると、「やっぱり人間、最後は自分一人だ」と痛感せざるを得ません。でも、だからこそ、私が私を信じてあげなきゃどーすんの? 私が私を可愛がってあげなきゃあんまりじゃない?? 私が私を愛してあげなきゃ私、めっちゃかわいそーじゃん!!! とも思ったのです。

「私たちは減点法で育ってきているから、できない部分ばかりにフォーカスを当ててしまって、自分の良いところを見つけるのがとっても下手くそ。

でも小さな成功を積み重ねると、どんどん自分が大好きになる。そうして自分が本当に大切な存在だと思えた時、胸の奥からバーンっとパッションが湧き出てきます。

その“情熱の芽”を大切に育てて、ぜひ子育て後の人生の柱にしてほしいですね」

ボークさんはワシントン在住ということでリモートでの取材だったのですが、ディスプレイから飛び出してきそうなほどエネルギッシュでキュートなお方でした。そしてボークさんからは間違いなく「パッション」が出ていました。めちゃくちゃ楽しそうで、モニター越しの自分もその余波で一緒にウキウキ♪でした。

ボーク重子さんのインスタグラム

↑ボーク重子さんの公式Instagram( @shigekobork) 。ぜひそのテンションを確かめてください!

 

ああ、だから「私」を大切にしなきゃいけないんだ。そんなことを身体で、言葉で教えてくれたボークさん。ぜひ近著『子育て後に「何もない私」にならない30のルール』も読んでみてください!

\ボーク重子さんインタビュー全文を掲載中/

取材・文/小泉なつみ

 

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