アラサー女子が知っておきたい高齢出産への備え【Vol.2】
仕事にプライベートに充実した毎日を送りたいCLASSY.世代だからこそ、今のうちから“高齢出産”について、正しい知識を身につけておきたいもの。前回は、そもそも高齢出産とは?という基本的な知識から、よく耳にする高齢出産のリスクについて伺いました。今回は、20〜30代前半のうちから検査しておきたい診療内容について、フィーカ レディースクリニック院長の佐野麻利子先生に解説していただきます。
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高齢出産への備えとして、CLASSY.世代におすすめの診療項目は?
高齢出産となる可能性が高い方は、定期的にこちらの診療を受けておくといいでしょう。
・子宮頸がん検診、乳がん検診
・性感染症検査
・風疹・麻疹・水痘・ムンプス抗体検査
・女性ホルモン検査
・甲状腺機能検査
・血糖検査
特に子宮頸がん検診、乳がん検診に関しては、将来的に妊娠を希望する/しないにかかわらず、定期的なチェックをおすすめします。
それぞれ、どのようなことが確認できる検査?
◆子宮頸がん検診・乳がん検診
両方とも女性の罹患率・死亡率が上昇傾向にあります。年間約10,000人の女性が子宮頸がんに罹患し、約2,900人が死亡しています。近年は出産年齢のピークが30歳代前半となっており、子宮頸がんの発症年齢のピークとも重なっているんです。
また、乳がんの罹患率は女性のがん罹患全体の約20%を占め、年齢階級別罹患率で見ても30代は増加傾向にあります。そのため、どちらも妊娠前の検診は重要といえますね。
子宮頸がん検診時には超音波検査も施行することがあり、他の婦人科疾患を確認することができるケースも。
◆性感染症検査
性感染症は無症状な場合が多いので、感染していても自分では気がつかないことも多いんです。しかし性感染症は不妊の原因になることもあり、また妊娠中に胎児へ感染してしまう可能性もあるので(母子感染)、妊娠前にしっかりチェックをし、陽性の項目があった場合は先に治療をすることが大事です。
◆風疹・麻疹・水痘・ムンプス抗体検査
いずれも妊娠中に感染すると母体が重症化したり、胎児に悪影響が生じうる感染症です。しかし、これらはワクチンで予防が可能なので、妊娠希望の女性はあらかじめこれらに対する免疫をつけておくことが重要です。妊娠中は生ワクチンを接種できないので、生ワクチンで予防できる感染症は、妊娠前に免疫をつけておきましょう。その際、パートナーも一緒に抗体検査を受け、抗体がない場合にはワクチン接種を受けることをおすすめします。
◆女性ホルモン検査
一般的に女性ホルモンとは、卵巣から分泌される、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)のことです。ホルモン検査により、妊娠に対応できる環境(月経周期)かどうかを知ることができます。月経不順の場合、ホルモンバランスが乱れていることがあり、排卵が行われていない場合もあります。
◆甲状腺機能検査
甲状腺ホルモンは胎盤を通して胎児に移行し、胎児の知能を含めた身体発育に極めて重要な働きをします。明らかな甲状腺機能異常があると胎児発育および妊娠経過に悪影響(流産・早産など)を及ぼしてしまいます。また排卵が起きなくなったり、黄体機能が低下して、不妊となるリスクも高くなります。
◆血糖検査
妊娠すると血糖値が上がりやすくなります。それは血糖を下げる働きのあるインスリンが、妊娠をすると胎盤から出るホルモンにより、その働きが抑えられるからです。このため妊娠中、特に妊娠後半期は高血糖になる場合があります。「妊娠糖尿病」は、妊娠中に発見または発症した場合を言いますが、それとは別に、妊娠期に糖尿病がはじめて見つかる場合もあります。なので、妊娠前に血糖値をチェックしておきましょう。