子どもたちが小さいときから、〝お手伝いができるようになるための種まき〞をしてきたというMartist・三木芽久美さん。家庭科教師ならではの視点で、子どもの自立のために実践している、三木家流の〝お手伝い育〞とは?
三木芽久美さん
Mart公式アンバサダー=Martistでは、「ハンドメイドの女王」としてDIYなどのジャンルで活躍。小6と小3の男の子のママ。小学校の家庭科の先生としての顔も持ち、慌ただしい毎日。趣味はヒップホップダンス
お手伝いの目的は「生きる力を育む」こと
我が家では、 子どもたちが幼少期からお手伝いをさせるようにしてきました。 お手伝いの目的は 「生きる力を育む」 こと。生活のために必要なことを自分で行えることは、 心身ともにすこやかに生きていくためにとても大切なことだと思うんです。
お手伝いをしたからといって、 お小遣いをあげるようなことはしていません。家族の一員として、家の中の仕事をするのは当たり前のこと。一人ひとりが自分のできることをしてほしいと考えています。
だからと言って、 「お手伝いをしなさい」 と強要することもありません。そうではなく、 「どうしたら子どもたちが家事に興味を持つのだろう」 「どう教えたら必要なことが身につくのだろう」 と考え、 たくさんの工夫をしてきました。これには、家庭科教師として、小学生の指導をしてきた経験も役立っていると思います。
”三木さんのおすすめ本の数々。「子どもと一緒に楽しむことで、家事への興味づけが行えるアイデアがたくさん載っています!」”
子どもの自立のために。大事なのは「急がば回れ」
小さいころから、家の中のさまざまな仕事を少しずつ経験させてきたおかげで、子どもたちは、身の回りのことをひととおり、自力でできるようになっています。もちろん完璧ではありませんが、困ったときには戦力になってくれて、母である私がラクができるくらいにはなってきているかな。
子どものお手伝いは、一朝一夕にできるようにはなりません。勉強や運動などと同じく、少しずつできることを増やしていく必要があり、親にも手間や忍耐力は必要です。でも、「急がば回れ」の言葉どおり、小さいうちから種まきをしていくことが、将来の子どもの自立に必ず役立ってくれると私は思います。我が家で実践しているお手伝いの考え方ややり方が、皆さんの参考になればうれしいです。
三木さんの「お手伝い育」3カ条
第1条
お手伝いの目的は自立。時間がかかると心得るべし
第2条
子育ては「急がば回れ」。未来を見据えた種まきを
第3条
強要はNG。お手伝いが楽しくなる工夫こそ、腕の見せどころ
「働かざる者、食うべからず」の原点、山の家
夏休みなどの長期休暇を、私の父の所有する山の家で過ごすことが多いです。そこでの生活は、ほぼ自給自足。
「自分の得意なことでいいから、家の仕事をやるんだよ」という私の父の教えに倣い、子どもたちも草刈りや料理などをして働きます。こういった環境も、子どもたちが「お手伝いとは何か」を実感するよい機会になっている気がします。
イラスト/うてのての(asterisk-agency) 撮影/林 ひろし〈三木さん〉 取材・文/田島えり子 編集/小橋健太郎 構成/Mart編集部
2021年8月号
夏休み直前!家庭科教師ならではの視点で 三木芽久美さんの「お手伝い育」20tipsより