自分から彼に「したい」と言えません【誰にも聞けない「夜のお悩み相談室」】
性に関する悩みは昔に比べればオープンに話せるようになったとはいえ、なかなか気軽に相談しづらいもの。誰にも相談できないセックスに関するモヤモヤについて、専門家のお2人にアドバイスしていただきました。
【相談内容】自分からしたいとはなかなか言えません
いつも彼からのアプローチ待ちですが、一度断ってしまってからは彼がなかなか誘ってくれません。どんなふうに彼に伝えればよいでしょうか?(28歳・既婚)
2人でセックスについて話すきっかけ作りを
エスコラ茜さんの回答
自分からストレートに誘いづらいなら、音楽を流してみたり、キャンドルを灯してみたり、2人でロマンチックな映画を見るなど何でもいいので、自分も相手も安心して心地よくなれるようなムードを作ってみては? 自然にそういう話ができるような雰囲気を演出できれば、アプローチするハードルも下がるのではないかと思います。
本音で話せる雰囲気になれたら「あの時断ったのはこうだったからなんだよね」と理由を話すことも大切。断った理由がお互いの関係とは別の要因だったとわかれば「自分のせいではなかったんだな」と相手も安心できますし、相手にとっては次に誘う時の判断材料にもなります。2人のセックスについて話し合ういいきっかけにもなりますよね。
また、誘った側の彼は実はあなたが思っている以上に悩んだり、考えたりしているかもしれません。実際、私はパートナーが誘ってくれた時に「NO」と言ったことが一度もなく、「私たちはすごくフィーリングが合う」と思っていたのですが、ある時、いつも「YES」なのはパートナーが私の様子を常に気にしてくれていて、「今日は仕事で疲れているかな」「生理かな」「機嫌がよくないかな」という日は誘わず、「YES」だと思えるようなタイミングをみて誘ってくれていたからだと知りました。男性だって自分から毎回誘うたびに、どう誘えばいいか、少なからずプレッシャーを感じながら頑張ってくれているのかもしれません。
だからこそ、女性には男性からの誘いを待つだけの受け身なスタンスではなく、性についてより主体的に考えてほしいですね。今でこそ様々なメディアで女性の性について取り上げられるようになりましたが、それまでは「性の快楽は男性が主体のもの」という考えが主流でした。女性の快楽も相手ありきと思われがちでしたが、最近はフェムテックなども浸透してきて、女性主体でもいいんだという意識も高まっています。
さらに、信頼性が築けているパートナーどうしなら、枕元にプレジャーアイテムを置いてみるのも彼とセックスについて話すきっかけになるかもしれません。私たちのお店にはプレジャーアイテムを一緒に選びにくるカップルも多く来店されていて、2人で使えるものもあるので、試してみるのもおすすめです! 「Dame products」というブランドのアイテムはデザインもおしゃれでかわいいのでとても人気があります。「ダントツ人気アイテムはKipのラベンダーです。」
男性も誘ってもらえたら嬉しいもの 「断り方」には気をつけて
一徹さんの回答
自分からなかなか言えないのは「断られたらどうしよう」という気持ちがあるのかもしれませんね。それは彼だって同じ。「また断られるかもしれない」というプレッシャーで、彼も誘えないのかもしれません。たとえば「断ったほうが次回誘う」というルールを決めるのはいかがでしょうか。そのルールだと、次に誘うのはあなたです。ぜひ、勇気をもって自分から「したい」と言ってみてほしいです。
男性にとって、誘ってくれることは基本的にうれしいものです。「女性から性的なアプローチをするのは恥ずかしい」「はしたない」という意識があるのかもしれませんが、Hしたいと思うのは決して恥ずかしいことではないし、自然なことです。もし「したい」とダイレクトに伝えるのはハードルが高ければ、まずは食事に誘ってみては。2人きりになれる時間をつくってお酒を飲んだり、親密な雰囲気を作って、本音が話せそうな空気になった時に「この間は断っちゃってごめんね。あれから誘ってくれないから、どうしていいのかわからなくて、もう私のこと魅力を感じなくなっちゃったのかな?」みたいな感じで話してみてもいいかもしれません。
また、気になるのは「断った時にどう伝えたか」という点です。女性には生理もあるし、仕事が大変で気分が乗らなかったりと、理由は色々あると思いますが、彼に魅力がないからとか、彼のことが嫌いで断ったわけではないと伝えることが大切です。「明日は仕事があるから早く寝たい」など、ちゃんと伝えれば彼もわかってくれます。その時のポイントは「断るだけじゃなくて、次の約束をする」ということ。「いつ頃なら大丈夫」みたいに伝えるだけで、お互いに「気を悪くさせたのでは」と思ったり「自分に魅力がないのかな」と余計な心配をしなくて済みます。
ちなみに男性も仕事が忙しかったり、回数的に女性の希望に応えられない時もあります。そういう時はぜひフェムテックのアイテムや、僕たちが作っているセクシーコンテンツを楽しんでもらいたいです。もっと女性も自分の気持ちを優先していい!ということを伝えたいですね。
相談に答えて頂いたのは
エスコラ茜さん「 fermata」 ビジネスデベロップマネージャー
フィンランド生まれ。フェムテック市場やプロダクトを知り尽くすエキスパート。「タブーをワクワクに変える」をテーマにフェムテック&ウェルネス製品を発信するサイト「fermata」で「FemtecFes!」などのイベントを担当。
一徹さん 女性向けAVレーベル「RINGTREE」主宰
中央大学卒業後、公認会計士の勉強中にAV男優として活動開始、イケメンAV男優として注目を集める。AVレーベル「RINGTREE」を設立し、女性向けアダルトサイト「GIRLS’CH」で配信中。3児の父。
イラスト/大原沙弥香 取材/加藤みれい 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)