運命に引き寄せられたCHANELのバッグ【VERY NAVY編集者の偏愛名品⑧】

Vol.8_ときめきが途絶えることない「10年選手」

20代、30代、40代で手にした3つのシャネルのバッグがあります。これは30代の頃、私にとってふたつめのシャネル。今日まででいちばん「あのときの自分を褒めたい!」と思うのがこのお買物です。

当時の私は、「目が合ったから」というのをよくお買物理由にしていました。「お店に行ったらこっちを見てたんだ」みたいな”運命”を言い訳にするのが、常套手段。オシャレするのが楽しくて仕方ない時期だったこともあり、毎日毎日運命がたくさん(笑)。

ある日シャネルのお店をたずねたところ、このバッグがショーウィンドウに出ていました。キャビアスキンのブラウンのフラップに淡いグレーのスムースレザー。”なんて素敵なコンビネーション!”と、またまた運命スイッチが発動! 静かに佇む姿が自分を待ってた気すらして、テクテクすばやく店内へ。完全なるひと目惚れでしたが、それまでの運命アイテムがかすむほど、今思い返しても”グッジョブ”な決断だったと思っています。

3つ目のバッグもひと目惚れでしたが、入手までの道は対照的にこちらは困難。出会ってから→欲しいと決断したらなくなっていた→2カ月くらい通りかかるシャネル ブティック全部に入っては捜索活動を行なって→ようやく入手。それまでは、毎日バッグのことを思ってはぼんやり窓の外を眺めるような日々(仕事しなさい、笑)。ショッパーを持って編集部に帰った私を、編集長がハイタッチで出迎えてくれたことを覚えています。なんて寛容な職場……!

ひと目惚れあり、彦星・織り姫みたいな思いを募らせる関係あり(オーバー!?)……いろんな形がありますが、その瞬間にちょっと恋する気持ちが宿るのは、私にとっては”CHANEL”だけ。

新しい素敵なデザインはきっとこの先もたくさん出てくると思いますが、”その瞬間を買う”というのでしょうか。クラシックさなど、やはり登場するものにはその時代を表すものを感じますし、そのときの自分が愛おしく思った気持ちを、その時代らしさとしてずっと大切にしていけるというか……。周囲の人にも「そのときに買っておいてよかったですね!」という言葉をよく口にするのですが、先見の明というか、巻き戻らない正解お買物、みたいなものって存在するのかもしれない、と思っています。

3つのバッグはサイズと色は異なりますがすべて「2.55」。2005年のセンセーショナルな復活は今でも記憶に残っています。私にとってのひとつめのメタリックの2.55をお迎えしたのは、復活からほどなくして発表になった広告ヴィジュアルを見たことがきっかけ。すぐに走って買いに行きました。もう15年以上! 登場率はその年ごとに変わりますが、最近メタリック気分がUPしているからか、この冬いちばんよく出動したのはこのバッグです。まったくもって新鮮な気持ちで今も付き合えていることに、シャネルのバッグのすごさを感じます。

先日、シャネルのリペアサービスのお話を聞きました。なにものにも変えられない自分の逸品を大切に長く愛していくって、必然的でいてとても素敵なサスティナビリティ。順番こに出してみようかな。帰ってきたときにまた新しく出会った気持ちになれる気がして楽しみです。

 

*掲載のシャネルのアイテムはすべてスタッフ私物です。ブティックへのお問い合わせはご遠慮ください。

サイズは横幅31.5cmのマキシハンドバッグ。日々持つものはすべて入り、見た目としての大胆さもとても好きなので、この後4つ目をお迎えするなら、同じサイズのブラックかなと、定期的にホームページをのぞいては眺めて思いを馳せています(笑)。
こちらは2021年・最終出社日。片付けと久しぶりに編集部メンバーとの食事会もあったのでいっぱい食べれるスタイルで(笑)。ここまでずるずるする必要はないですが、カジュアルに持つほうが個人的に好きです。私の初めてのシャネルのバッグ、メタリックグレーの2.55です。
2022年、雪が降った翌日の寒い日。フレッシュな気持ちで外回りをしたかったこともあり、ネイビージャケット+ブランケット、スニーカーで頑張って軽快スタイル。この冬は例年より、クロスボディで使うことが多かったように思います。

撮影/西原秀岳<TENT>(静物)

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