電話対応でガッカリされがちなNGマナー5つ【基本のキ】

電話の対応ひとつであなたの印象が左右されることがあります。

「メールでやりとりしていた時は素敵な人だと思っていたのに、電話で話してみたらガッカリ……」なんてことにならないように、今回は国際基準マナー講師であり、コールセンターなど電話対応のプロたちを育成して10年以上になる筆者が“電話対応のNGマナー”を説明いたします。

 

(1)不機嫌なまま電話に出る

顔が見えない電話だからこそ、第一声は重要です。

こちらからかける時は事前準備ができるかもしれませんが、かかってくる電話は突然。

仕事が立て込んでいる時、イライラしている時、そんな気分を引きずったまま、電話に出ていませんか?

いつもより低い声のトーンになったり、不機嫌な話し方になってしまったりすると、あなたの印象が悪くなってしまいます。一度悪くなってしまった印象を通話中に良くするのは、とても大変……。

電話にでる時は、ひと呼吸おいて、普段話す時の1.2倍明るい声をイメージして話してみるのがおすすめです。

(2)不適切な言葉遣いをする

社外の人からかかってきた電話を取り次ぐ際、先方の名前をもう一度確認したくて、「お名前を頂戴できますか?」と言っていませんか?

そんな時は、「お名前をお伺いできますか?」と聞くようにしましょう。

その他にも、電話で言いがちな不適切な言葉は沢山あります。きちんと把握し、つい使ってしまわないよう注意したいですね。

(3)「ですよねー」「ですかぁ?」など語尾がのびる

相手の声に集中しやすい電話では、会って話している時には気にならなかった言葉遣いがより目立つもの。

特に注意したいのが文末です。「ですよねー」「〇〇ですかぁ?」などと語尾をのばしたり、語尾を必要以上にあげて話さないようにしましょう。

子供っぽい、頼りない印象になってしまいます。

(4)聞き取りにくい言葉を使う

メールと違って文字を見ていないので、電話だと誤解を招きやすい言葉があります。

特に気をつけたいのが数字。「1(いち)」と「7(しち)」、「2日(ふつか)」と「20日(はつか)」、「4日(よっか)」と「8日(ようか)」など、似て聞こえてしまうものがあります。

先方と電話でアポイントを取った際、大事な日付や時間がきちんと伝わっていなかった、勘違いして聞き取ってしまっていた……ということにならないようにしたいですよね。

たとえば「1時」を「13時」、「7(しち)」ではなく「7(なな)」と話す、「20日の月曜日ですね」と曜日も一緒に伝えるように工夫しましょう。

(5)電話の流れを止める

相手から伝言を頼まれたり、約束事をしたりと、電話中はちょっとメモしておきたいことが、色々出てくるはず。

そんな時「ちょっと待ってください」「今メモを……」と、電話の流れをストップさせたり、相手を待たせてしまうのはNGです。すぐにメモができるように、手元にペンとメモをいつも用意しておけると良いですね。

 

「思っていたのと違った……」というギャップを生みやすい電話。

けれども、「声を聞いて好感を持った」「電話で話したら信頼できた」という良い印象にも繋げられる絶好のチャンスでもあります。

今回ご紹介したことに気をつけて、自信を持って電話してみてくださいね。

 

文/大網 理紗(おおあみ りさ)
リサ・コミュニケーションズ代表。一般社団法人100年先のこどもたちへ代表理事。
世界の王室・皇室・政府要人といったVIP接遇とアナウンス業務に従事。その経験を活かし、話し方、マナーの指導にあたる。主な著書に『世界で通じる至高の作法』『大人らしさって何だろう。』『人生を変えるエレガントな話し方』など。

画像/PIXTA(ピクスタ)(ふじよ、 U-taka 、EKAKI、Fast&Slow)