【つむらみおさんインタビュー】産後65㎏からの筋トレダイエットで人気YouTuberに
「短い時間でしっかり効く」「家で手軽にできる」と時間がない女性たちから支持を集め、チャンネル登録者数72.5万人、総再生回数は1億を超える、大人気のダイエット系チャンネル「みおの女子トレ部」。主宰のつむらみおさん(34歳)は、8歳と6歳の女の子のママ。
実は彼女、独身時代に74kgから27kgのダイエットに成功したことで筋トレに開眼、銀行員からパーソナルトレーナーに転身して、さらに第二子出産後わずか1年でフィットネスビキニの大会で優勝したという経歴の持ち主です。
とはいえ、キャリアは当初から順調というわけではなかったそう。産後には社会と切り離されたように感じ、出口の見えないモヤモヤに苦しんだり、体形のリバウンドに悩んだといいます。つむらさんが現在のキャリアに行き着くまでの葛藤や子育てと仕事の両立について、教えてもらいました。
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銀行の制服ボタンが弾けた! 27kgの減量でトレーニングに目覚める
最初に本格的なダイエットに成功したのは、銀行OLだった21歳の時。デスクワークで動かない上、毎晩飲み歩いていたのでどんどん体重が増えて…‥身長153cmで74kgにまで達してしまいました。
そんなある日、銀行のベストのボタンが弾け飛んでしまって(笑)。その瞬間に「これはやばい」と目が覚めて、すぐにジムに通い始めました。3ヶ月で-27kg、正しく運動すればこれほど体は変わるんだと実感。この感動をたくさんの人に伝えたいと思い、フィットネスジムのインストラクターに転職しました。
第1子妊娠で退職。社会から切り離されたと感じた「暗黒の4年間」
23歳で公務員の夫と結婚。ジムのインストラクターとして働き、毎日充実していましたが、第一子の妊娠をきっかけに、仕事を辞めて専業主婦に。産後は子育てを楽しむ反面、仕事ができない状況にモヤモヤしている自分もいました。大好きなフィットネスの仕事ができず、孤立して、まるで自分がなくなってしまったように感じて。少しでも社会とつながっていたいという思いで、コンビニのバイト、地域の公民館でママ向けのフィットネス講座を始めました。
それと並行してフィットネス関連の資格の勉強も続けていました。骨盤底筋を鍛えるトレーニングに通ったり、呼吸法のトレーニングに行ったり。かなりハードな生活でしたが、そんな生活を4年くらいずっと続けていました。
第2子出産後に「体形が戻らない!」悩みがキャリアの転機に
さらなる転機が訪れたのは、第二子を出産した28歳の時。産後に体重を戻そうと思っても、今までのダイエットが通用しなかったんです。第二子産後は最大65kgまで増加して、少しは戻せたけれどあと60kgがどうしても戻らない。あれだけ知識を身につけていたのに……と落ち込みました。
第二子出産で体重だけではなく体型も大きく変わりました。お尻は垂れて、下腹部が出て、姿勢が悪くて胸が削げる。ブラの上に肉は溜まるし、横から見た二の腕はパンパン。思えば、人生で痩せていたのって銀行員時代にダイエットで成功した時と第一子の産後、この数年しかなかったんですよ。だからこのまま“お母さん体型”になっていくのか……なんて思っていた頃に、たまたまフィットネスビキニの大会の写真を見つけたんです。優勝者は50代の女性で、しかも3人の子持ち。衝撃でした。「私もこんなビキニを着て舞台に立ってみたい。もしかして、やればできるんじゃ……? 」そう思ったら居てもたってもいられず、すぐに体作りを始めました。
また、これまでのダイエットが通用しなかったことがきっかけで、“結局その人に合わせた指導をしないと体は変わらない”とも気づいたんです。100人いたら100通りの体がある。これは産前の若く身軽だった頃には気づかなかったことでした。2人目を産んで2ヶ月で、パーソナルトレーナーの資格を取得。Facebookで発信したり、クチコミでつながったりと、徐々にお客さんも増えていきました。
「深夜2時の筋トレ」で第二子の産後1年でフィットネスビキニ大会で優勝!
大会に出ると決めたはいいものの、小さな子どもが2人いてまとまった時間も取れず、大会に出るためのお金もかかります。夫も忙しくて、早朝に出て深夜に帰ってくるという状況。そこで日中はコンビニでバイトして夕方に保育園にお迎えに行き、家事をすべて済ませてから真夜中に1〜2時間、黙々と筋トレをしました。
この時の経験は、現在のYouTubeチャンネルの「短いけれどしっかり効く」「家の中で手軽にできる」トレーニングというコンテンツ作りにすごく影響しています。結果的に、産後1年半で大会に出場し、優勝することができました。
よく「子どもと自分の食事を分けて作るのは大変じゃない?」と聞かれたのですが、ほとんど同じものを食べていました。たとえばハンバーグ。牛肉だとカロリーが上がるので鶏肉を使い、子どもはとろけるチーズ、大人はポン酢をかけて食べる。ダイエット食はつまり“栄養バランスが取れた食事”なので、子どもが食べても大人が食べても安心できて、時短で作れるメニュー何品かを作り続けていました。
SNSで出会ったママたちに支えられてYouTubeをスタート
大会後、パーソナルトレーナーとしての仕事は充実していたのですが、だんだんと一人で活動していることに限界を感じ始めました。自分の身の回りの人だけに指導しているのではもったいない。もっとたくさんの世の中の女性に正しいトレーニングの形を伝えたいと考え始めました。そんなとき、SNS上で知り合った人から「マネジメントなど裏方はやるので、オンラインレッスンをやってみない?」と声をかけられて。いざやってみたら、とても楽しかったんです。すぐにコロナ禍になったこともあって、同じメンバーでYouTubeもスタートしました。
チームは3人で、みんなママ。産後の体形悩みや子育て中の忙しさに共感もできるし、お互い支え合ってアイデアを出し合っています。たとえば「3日で肩肉を落とす」などとメニューを考えては、実際にチームメンバーが挑戦して、ビフォー&アフター写真を掲載。このシリーズはとっても反響がありますね。メンバーのおかげでママたちがリアルに求めていることが追求できていると思います。
ワンオペでの両立に悩んだ日々…完璧主義を捨ててラクになった
YouTubeをスタートしたのが2020年4月。その年の夏休みは心身ともに辛い時期でした。その頃は1本の動画を撮るのに6〜7時間もかかってしまっていたんです。夫は忙しくて、家事育児は基本的に私。もともと完璧主義で、家事を手抜きすることもできなくて。でも、自分ひとりでできることは限られている。子どもを実家に預かってもらうことも増え、「子どもとの時間を作りたい」という思いと「いいものを作りたい」という思いが入り混じって、涙することもありました。
がんばっているうちにとうとう体調を崩してしまい、夫に「無理しないで」と声をかけられました。トレーナーへの転身や大会への参加、YouTube開設も、昔から私がやりたいことを「やらないで後悔するならやった方がいい」と背中を押してくれた夫にそう言われたことで、気持ちが切り替えられました。
それからは、子供との時間をしっかり確保するようにしました。仕事の時間は平日で区切って、家事も完璧じゃなくても、目をつぶる。
たとえば洗濯物は畳まず、出しっぱなしの山から着替えを引っぱり出してOKに。子どもが牛乳をこぼすと、以前は「なんで仕事を増やすの!?」とイライラしていましたが、今は「床がきれいになる!このチャンスを与えてくれてありがとう」と思うようになりました(笑)。今は上の子が登校した後、下の子を9時に保育園に送り、学童と保育園のお迎えから戻ってくる18時までは仕事の時間と決めています。週末もしっかり休むようになりました。
子どもがいても30代になっても、体も仕事も「なりたい自分」は叶えられる
正直言って、1人目の子どもを産んだ時は、今のような自分になれるなんて想像もしていませんでした。自分の夢を形にできるのは20代で就職するときが最後のチャンスで、そこが人生のピークなのかなって。その後は、女性は結婚して子育てして、自由に生きるのは難しいと思っていました。
でも、やりたいことが見つかったら「できる」と信じて、少しづつ必要なことを積み重ねていけば、気づいたときに行きついている。ダイエットと同じで、とにかく積み重ねることが大事なのだと、今になって思います。子どもが赤ちゃんだった時期にも細々とフィットネスの資格の勉強を続けたり、大会に出ると決めて夜中にコツコツ筋トレをしたり、そんな少しずつの積み重ねは、きっと報われると実感しています。
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つむらみおさんプロフィール
1987年生まれ。プライベートでは二児のママ。OL時代に-27kgのダイエットに成功したことで、21歳でフィットネストレーナーの道へ。第2子出産後の2016年、フィットネスビキニの大会で優勝。2020年にYouTubeチャンネル「みおの女子トレ部」を開設。“短い時間でしっかり効く、おうちで簡単にできる”トレーニングが人気を呼び、現在は、登録者数が70万人、総視聴回数は1億1600万を超える。
取材・文/樋口可奈子