2月から上演される話題の舞台『刀剣乱舞』禺伝 矛盾源氏物語。全４回でお届けしているキャスト・スペシャルインタビュー第２回目は宝塚雪組の先輩後輩である彩凪 翔さんと綾 凰華さんに宝塚時代の思い出、そしてCLASSY.が発信している「ウェルビーイング」な考え方についてお話して頂きました。

――’17年の『ひかりふる路』で綾さんが雪組に異動されてきた時の印象をお聞かせいただけますか。
綾　覚えていますか？
彩凪　寡黙な感じ、大人しい子だなって。
綾　覚えていてくれた！
彩凪　自分から何かを発するタイプではないですが、芸事にはきちんと向き合って考えて行動しているのは見ていてわかりました。あやな（綾さんの愛称）が組替えして来たときは研5くらいの下級生のときだったよね？　組替えって上級生になってすることが多いので、学年が上だと上級生で集まってすぐに打ち解けられるけど。下級生だったから気を遣うことが多いだろうなって思いましたね。同期が比較的多かったのはよかっただろうけど。だから、いろいろ話したよね。
綾　組替えしてすぐの新人公演で、まだ挨拶くらいしかきちんとしたことのない私にも丁寧にアドバイスしてくださったのがありがたかったです。
彩凪　組によってカラーが全然違うから、戸惑うことも多かったでしょ？
綾　戸惑うというか、ガチガチでした。上級生ではないですし、すごい下級生でもない学年で組替えしたので、どんな立ち位置でいいかもわからず。雪組さんできちんと勉強したかったので、皆さまとただ仲良くなるのではなく芸事を通して信頼関係をつくりたいと思ったんです。なので、先ほど彩凪さんがおっしゃったように寡黙に見えたんだと思います。本当の理由は、緊張して話せなかっただけですけど(笑)。でも彩凪さんをはじめ、雪組の皆さまが本当にフランクに温かく接してくださったので、どんどん気持ちがほぐれていきました！

―― CLASSY.ではウェルビーイングなライフスタイルを発信しています。まず自分がハッピーになったり自分を高める行動をすることで、自分だけでなく周りや社会もハッピーにしていきたいするというスタンスですが、考え方やメンタリティの面でお二人が意識している、「ウェルビーイングなこと」を教えてください。
彩凪　新しいことに挑戦するときって、何かしらの壁が立ちはだかるものですよね。その壁との向き合い方が大事だと思っています。壁を乗り越えるのは大変なことですけど、その先にどんな楽しみがあるかな？と考えるようにしています。
綾　いつぐらいから、そう考えるようになったんですか？
彩凪　在団中からですね。壁がきたら、「よし、来た！変われるタイミング！」って(笑)！
綾　なるほど。
彩凪　何もできない底辺みたいな存在のときにいろんな壁がきて。どうしよう…と押しつぶされそうでしたが、立ち止まっていては始まらない！と思って。そして「どうせ前に進むなら、辛いだけではなく楽しみも見つけよう！」と思うようになりました。考え方を変えてからは「超えた先が素晴らしいからこそ壁があるんだ！」と思えるようになりましたね。もちろん苦しいこともありますけど、楽しみながらやったときのほうが壁を超えた先にいい世界が広がっている気がします。
綾　私は卒業した今、一人で世界に飛び出してすべてが自由だなと思っています。自由にすべてを自分が決められるということは、すべて自分の責任なんだなと痛感しているところです。今の私にできることは、目の前のことに誠実に向き合うことです。些細なことでも、自分の心にきちんと向き合ってから行動しようと思っています。
彩凪　宝塚のときから誠実だったけど、これからは自由になったぶん、より自分の考えに責任を持たないといけなくなるね。頑張って！
綾　ありがとうございます！　あとは、今までできていなかった親孝行をしたいと思っています。

――「これがあればハッピー！頑張れる！」という自分にとってのご褒美的なものはありますか？
彩凪　なんだろ、やはり動物かな。以前の取材でも動物の話をしていたと思いますが。
綾　動物は癒されますよね。
彩凪　動物はもちろんだけど、私、仲間も！　仲間がいれば頑張れます！
綾　私も仲間！　そしてご縁です！　この質問を聞いた瞬間に思いつきました。
彩凪　毎回同じメンバーで公演していた在団中は近くにいすぎて意識していませんでしたが、毎回違うメンバーでお仕事をしている今、仲間の大切さを改めて知ることができました。大切なご縁を仲間がつないでくれるんですよね。宝塚時代を一緒に生きた仲間も、外の世界で出会った仲間も、どちらも宝物です！
綾　在団中、そして卒業した今も、本当に素敵な方々との出会い、大切な時間を過ごさせて頂いたと感じています。感謝の思いを忘れることなく、これからも沢山のかたとの出会いを大切にしていきたいです。
彩凪　さっきあやなが話したように、目の前のことを誠実にやっていれば必ず出会えるよ！

――退団して間もない綾さんへのアドバイス、または彩凪さんにお聞きしたいことはありますか？
彩凪　聞きたいこと、ある？
綾　えっ、うーん…どうやったら髪伸びますか(笑)？
彩凪　髪(笑)？
綾　会う人会う人に「髪切った？」って言われるんですよ。切ってないのに。
彩凪　私も「髪切った？」って言われてた。「伸ばしてんだし！」って怒っておいたけど(笑)。あやなは（改めて髪をじっと見て）…髪切った？
綾　「伸ばしてんだし」(笑)
彩凪　(笑)。でもね、あるときいきなり、うわって伸びるよ！　突然伸びるわけないんだけど(笑)、いきなり伸びた感じがして、今度は「伸びたね！」って言われるの！
綾　何をしましたか？
彩凪　頑張って、伸ばす(笑)！　毛先が肩を越すまでが勝負。肩を越す前に変なウルフカットみたいなタイミングがくるけど(笑)、耐えて伸ばすと「伸びたね！」って言われるようになるから！
綾　毛先が肩か…。
彩凪　当分の間は「髪切った？」って言われるね。
綾　「伸ばしてんだし」で、この壁を乗り越えますね(笑)。

＜彩凪さん着用衣装＞シャツ ¥49,500（シェリー☎03-3498-0580）パンツ ¥85,800（ エフ☎03-3403-6758）ピアス ¥440,000ネックレス ¥171,600（ともに ポンテヴェキオ／ポンテヴェキオ 銀座並木通り本店☎03-3575-0018）
＜綾さん衣装協力＞Luccicare
撮影／木村 敦　ヘアメーク／佐鳥麻子（彩凪さん）　岡田美雪（綾さん）　スタイリング／竹上奈実（彩凪さん）　取材／よしだなお　構成／中畑有理（CLASSY.編集室）