専業主婦から専属モデルへ【クリス-ウェブ 佳子さん】12年間の仕事とプライベート総まとめ!

2021年3月号でVERYを卒業したクリス-ウェブ 佳子さん。カッコよくて知的でハイセンスな印象とは裏腹に、人一倍コンプレックスに悩んだり、夫婦の問題に苦しんだりしたことも……。彼女はそういったナイーブな話、それを乗り越えたエピソードまでもさらけ出して、読者にエールを送ってくれていました。どんな経験も糧にして、前進あるのみの精神で走り続けたウェブさんのVERYでの12年間を振り返ります。

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家族スナップでスカウトされてVERYモデルに

 

VERY誌面初登場は2008年2月号の公園スナップ。元はファッション関係の仕事をしていたウェブさんですが、産後は専業主婦で、そろそろ仕事復帰したいなと考え始めていた頃だったそう。読者モデルだった頃から、素人とは思えぬハイセンスなファッションが注目され、2011年から専属モデルとなりました。

 

西郷山公園で子どもを遊ばせていたときに声をかけられた、記念すべき初登場スナップ。

VERY 2008年2月号より

 

”配色の達人読者”として特集の扉ページを飾ったこの写真は、「今でも印象に残っている!」という読者さんも多数。

VERY 2009年12月号より

 

専属モデルとなってからの初仕事は、働くママのためのファッション企画でした。

VERY 2021年4月号より

 

アップの写真の多いジュエリーや美容ページでも活躍。撮影の時にはより素敵なカットになるようにヘア・メークやホージングも色々と提案してくれていました。

 

 

ハイクオリティなブログで新たな才能と本領を発揮!

 

モデルになった当初、体型のコンプレックスや当時にしてはモードすぎるファッションでVERYでの立ち位置に悩んでいたというウェブさん。自分をどんな人か知ってもらうためもあり、VERYwebでブログをスタートしました。

2012年3月から始まったブログは、その巧みな文才とウィットに富んだ目線に話題騒然に。育児、ファッション、アート、インテリア、音楽や本や建築などなど、毎回明確なテーマがあり、文章はもちろん、わかりやすくキャッチーな画像に、気になるキーワードにはきちんとリンクが貼られ、色付けなんかもされてレイアウトも完璧な、もう立派な読み物!

読者のコメントに答えるQ&A形式のブログで、結婚式二次会のBGMを相談されれば、完璧なBGMリストで返答する徹底っぷり。男女トラブルの相談には、自分の夫婦の話を赤裸々に語りながら答えてくれる。インスタなどのSNSが主流になるずっと前からブログを通じて読者と交流。「ブログを通してウェブさんを好きになった」という読者も多いほど、ウェブさんにとって大切な場所となっていました。

「強がっているわけでもなく、SNSでのネガティブシェアはしないと心に決めています」というウェブさんが綴る言葉は、いつ読んでも前向きな気持ちになれて、学びがいっぱいです。

アイキャッチ画面からさえもセンスが溢れ出るウェブさんのブログ。

 

鋭いアンテナで生まれた、ウェブさん発の企画の数々

 

ブログだけでなく、アンケートの回答もいつも丁寧で新しい発見をくれたウェブさん。そこから生まれた企画も多数ありました。また、撮影で会うたびに、「こんな企画どうかな」と提案してくれるウェブさんのおかげで実現した企画も。

ウェブさんのお尻生活”という企画では、なんと自らのお尻を披露!「30代からは体重よりボディライン。人からチェックされがちなのは胸よりお尻」といって、自らが実践しているお尻トレーニングを隅から隅まで教えてくれました。

 

トレーニング、マッサージ、下着、ながら運動を半年間続けて引き締めたお尻を公開してくれました。
撮影/Aram Dikiciyan VERY2013年5月号より

 

とあるファッション企画でスタッフが行き詰っていた時は、見かねたウェブさんが「あの店ならいいアイテムありそうだよ!」といって、お店に連れて行ってアイテム選びを手伝ってくれたなんてこともありました。読者の為になりそうなこと、参考になることなら、コンプレックスだってなんだってさらけ出して、全力で誠実に答えてくれるウェブさんの姿が忘れられません。

 

ウェブさん流のモードなコンサバを提案する企画では、自らリースに回り、編集部でスタイリングを考えてくれました。

 

VERY 2011年9月号より

 

エクササイズ感覚で、キッチンでスニーカーを履く「キッチンスニーカー」というウェブさんの実際のエピソードが企画になったことも。

撮影/須藤敬一 VERY2020年8月号より

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“キッチンスニーカー”って?おうち時間でコロナ太り撃退

 

コラムニスト、旅ライター、ラジオパーソナリティ、空間プロデューサー。モデル以外の肩書きも増えていく

 

ブログで発揮していた文才が買われてVERYでエッセイページを持ち、他誌でも執筆するようになったウェブさん。VERYのエッセイをまとめた「考える女」と、子連れ旅の本「TORIP with KIDS—こありっぷー」の2冊を出版もされています。さらには、独自の視点と頭の回転の速さでラジオでも活躍。自宅のインテリアが注目され、レストランやショールームの空間コーディネートといったインテリア業界でも才能を発揮するなど、ウェブさんの進化は止まりません。人並み外れたインプットとアウトプットで、どんなジャンルの質問をしても、予定調和ではなく具体的で新発見のあることを即答してくれる。知的な女性が素敵で無敵だということを全身全霊で証明してくれたのはウェブさんでした。

VERYでの初めてのコラム連載は“月刊ウェブジャーナル”。初回テーマは“専業主婦は無職じゃない”で、専業主婦への偏見を一蹴してくれました。「子どもと1日向き合うことも、外で働くことも、同じくらいに誇らしいこと」もウェブさんの名言です。

イラスト/maegamimami VERY2013年4月号より 

 

愛、子育て、ファッション、仕事、SNS、結婚などなどなど、持ち前のグローバルな視点で、“止まらない想い”を語り尽くした一冊。

「考える女(ひと)」¥1,400(光文社)

 

ハイセンスなウェブさんの自宅は日曜日の風景でも紹介されました。近所のインテリアショップやリサイクルショップ、旅先で出会ったものなど、様々なテイストがミックスされたインテイアにセンスが光ります。

VERY 2016年11月号より

 

2人の娘もセンス抜群。
“ウェブさん流”育児も注目の的に

 

VERYでも何度も登場してくれたウェブさんの2人の娘さんたちは、子どもの頃からすでにハイセンス。VERY読者から注目されていた子育て論についても、ウェブさんは本誌やブログで語ってくれていました。

コーディネート力をつけてあげるのも教育」といって、2人が幼いうちから自分たちに洋服を選ばせ、気分を乗せながら修正してきたこと。毎週500円玉を渡してお花を買いに行かせ、花の名前や組み合わせ方を学ばせたこと。日々のちょっとしたことから”センスを磨く“に繋がる、教育のヒントが散りばめられていていました。また、都会に住んでいてもご近所付き合いを大切にし、家には色んな人が出入りしてたくさんの大人の元で子育てすること。家にテレビを置かない主義で、それが子どもの友達から「かっこいい!」と言われてたというエピソードなども印象的でした。

娘さんたちが大きくなってきてからは、反抗期や思春期のエピソードも。乳幼児ママが多いVERY読者にとって、いつかくるその日の参考に頭の隅に置かれているはず。子育てに正解はないけれど、ウェブさんの方針を持った育児論はママたちにたくさんの気づきを与えてくれたのではないでしょうか。

 

ウェブさん家の週末の過ごし方を参考に実現した東京散歩企画には、新音ちゃん、紅ちゃんも登場してくれました。撮影中に大きな亀と遭遇する楽しいハプニングも。

VERY2014年12月号より

 

“前向きな離婚”でさらに進化。
「今が一番素敵」と読者の憧れに

 

2年前の離婚公表後、離婚までの葛藤やその後のエピソードもウェブさんは赤裸々に話してくれました。“幸せな離婚” ”前向きな離婚“というのがテーマで、そのために時間をかけて準備、努力したこと。「元夫とは今も子育てのパートナーとして交流していて、元夫とその彼女、私の彼、子ども、両親、友人、みんな合わせてコミュニティ。誰かと見つめ合うのではなく、大きなコミュニティの中にいる安心感がハッピーにつながるんだって気づいた」こと。「離婚した後は誰かを好きになる自信なんてなかったし、恋愛なんて面倒くさい、一人で生きていけると思っていたけど、今は付き合っている彼がいて、誰かのことを幸せにしたいと思えるのはいいものだなと感じている」こと。そんなの綺麗事だと思ってしまいそうですが、本人は「その為に努力することはマイナスじゃない。私は人生も含めた全てを綺麗事で終わらせたい」と言ってしまう。その言葉が似合ってしまうのだから、やっぱりウェブさんは最高にカッコイイ!離婚後は美しさに磨きがかかり、今が一番素敵と評判です。

幸せに生きるためには努力が必要で、考えて、あがいて、乗り越えて、一つ一つ着実に進化していく姿を12年間見せてくれたウェブさん。その逞しさは、保守的になりがちなママたちに、いつだって勇気と新しい視点を与えてくれる存在でした。

離婚について本誌で語ってくれた時の写真。柔らかい表情が素敵です。

 

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クリス-ウェブ 佳子さん離婚を決めた瞬間「夫を憎しみ始めている自分がいた」

 

2021年3月号の卒業企画「クリス-ウェブ 佳子さん卒業!VERY読者に贈りたい言葉」は、今までたくさんたくさん発してきた言葉の中から、特に読者に伝えたいもの選び抜いて作られました。子育てのこと・ファッションのこと・夫婦のこと・コンプレックスのこと。自分ごととしてスッと入ってグッときて、なんだか元気になれそうな言葉たちと美しいウェブさんの写真で、彼女らしさ全開の卒業企画。大きくなった娘さんたちも登場してくれています。ウェブさん、新音ちゃん、紅ちゃん、本当にありがとうございました!

 

 

VERYを卒業し、4月号からはVERY NAVYという新しいステージに挑戦しているウェブさん。これからも彼女の活躍から目が離せません!

 

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構成・文/井上さや