【離婚の現実】30代の離婚、デメリットや新しい離婚の形などを専門家が解説

離婚する人がもっとも多いのは30代前半のCLASSY.世代なのを知っていましたか?それくらい「離婚」は誰にでも起こりうる人生の選択肢の一つです。同世代の離婚の体験談や法律やお金の話、最新の離婚事情やパートナーシップの変化まで、離婚のリアルをお届けします。

離婚の最新事情について専門カウンセラーが教えます!

    離婚する人がもっとも多いのは3

    離婚だけが答えじゃない!
    「愛情」と「損得」を軸に慎重に検討しよう
    相談者さんには離婚の判断軸は「愛情」と「損得」と伝えています。生活費を入れない夫でも妻が稼いでいて「愛情」があれば妻が養ってもいいですよね。また「愛情」が冷めても家事や親孝行をしてくれたり、何かしらの「得」がある相手ならそれで結婚生活が成立するわけです。モラハラなら別居して生活費をもらうという選択もあるし、浮気も即離婚が「得」とは限らず、修復という選択もある。感情的に離婚しても、いいことは何もないので慎重に。離婚以外にも打つ手はあります。

    離婚する人がもっとも多いのは3

    結婚の約1/3は片方が再婚
    アラサーなら離婚しても十分やり直せる!
    今は「離婚はダメ」という時代でもありませんし、子どもがいない夫婦なら離婚も比較的スムーズです。また、年間の結婚数の約1/3はカップルのいずれかが再婚。シングルの人はもちろん、子どもが1人や2人いたとしても再婚している人はたくさんいます。SNSもあり、結婚相談所やマッチングアプリなどのサービスも充実していて出会いも多い時代なので、結婚してみて「違うな」と思ったら「若いうちに」「子どもがいないうちに」離婚に踏み切るという選択を取る人も多いですね。

    離婚する人がもっとも多いのは3

    コロナを経て価値観が
    クリアになったからこそ離婚の理由がピンポイントに
    今まではゆっくり考える暇もなく忙しい毎日を送っていた人もコロナで生活が変わり、人生や家族について考える時間ができたことで自分の価値観が明確に。ピンポイントに「ここだけは譲れない」という価値観の不一致が理由の離婚が多くなっています。特に多いのは金銭感覚、セックスレス、子どもに対する価値観の違い。今はまだ不安な時ということもあり離婚の数自体は増えてはいませんが、別れようと考えている人は増えているので今後は離婚が増えるかもしれません。

離婚することになったら…法律とお金について知っておこう

    離婚する人がもっとも多いのは3

    お互いが離婚に同意しているなら離婚届を出して完了
    双方が離婚に合意していれば離婚届を役所に提出するだけで手続きは完了。離婚届にはお互いの署名と押印、証人2名の署名と押印が必要で、証人は友達など誰でも大丈夫。大半は女性が入籍し名字を変えるので、女性が戸籍から抜けるのが通常です。提出窓口が本籍地でない時は戸籍謄本が必要。子どもがいる人は養育費、面会交流についても記入します。

    離婚する人がもっとも多いのは3

    離婚全体の約85%を占める協議離婚 公正証書が必要です
    協議離婚とは、双方が離婚に合意していて当事者間で財産分与や子どもの親権などを決められる場合の離婚のこと。協議書は法的に強力な公正証書として作成すると安心感があります。双方の合意がとれない場合は家庭裁判所での調停となり、それでも合意できなければ裁判に。離婚全体の約85%は協議離婚、残りの約15%が調停・裁判での離婚です。

    離婚する人がもっとも多いのは3

    結婚していた時の名字を離婚後も使用可能 子どもがいる場合は自然です
    96%の女性が結婚で姓を変えています。離婚後に旧姓に戻す人は実家の戸籍に戻るか、新たに自分の戸籍を作ります。子どもがいて学校などで姓が変わるのを避けたい人は役所で結婚時の姓を継続する婚氏続称の手続きをするか、戸籍上は子どもも旧姓に変更し、卒業するまでは学校で通称として結婚時の名前を使うという選択も。

「結婚」のかたちもいろいろ変わってきています

夫婦別姓のためにあえて離婚する仲良しカップルが話題に

    離婚する人がもっとも多いのは3

    現在の日本では夫婦別姓は法律で認められておらず、結婚して姓を変えるのは96%が女性というのが現状です。結婚後も仕事を続けるなど社会で活躍する女性が増えている今の時代、キャリア的にもずっと使ってきた自分の姓を大切にしたいという女性が夫婦別姓のために事実婚を選んだり、一度結婚した後にあえて離婚をして旧姓を取り戻すという決断が話題になりました。

離婚するまで、そして独身に戻ってから…みんなどうだった?座談会

世間体を気にする必要はないけれど離婚しなくてもいい道も探ってみてほしい

K:今思うと最初の結婚は無意識に年収や家柄とか、ルックスとかスペックで相手を選んでいたと思う。自分に本当に必要なものが自分自身でわかっていなかったなー。
A:わかる!私もエネルギッシュに深夜までバリバリ働く人がカッコよく見えていた時期があった。元夫も恋愛中は刺激的で楽しい関係だったけど、結婚になるとしんどい相手だった。「こんな思いをしてまで、収入が高い人と一緒に暮らすことが幸せにはつながらない!」と思っちゃった。
M:私はもはや結婚はムリ!って感じで…。一人暮らしが快適すぎて、二度と誰ともリズムを合わせることができない気もしてます。
N:夜中に1人で自分の好きなDVDを爆音で見られる環境が楽しくてしょうがなかったな。いつ寝てもいいし。
M:わかる。いつ寝てもいいし、いつ食べてもいい!
A:あとは離婚直後はお誘いが増えてモテている感覚を味わってた。飲み歩いて第二の青春を謳歌して、めちゃくちゃ楽しかった!
K:私もいろいろなところに一人旅できて、自由で解放感があって楽しかったけど、一生続けばいいとは思わなかったかな。
A:私も一年くらいで寂しくなってきたな〜。家に帰っても暗いし、家賃も全部自分で払わなきゃだし、日常のささいなことを話せる相手もいない。
M:最近は「一生1人なの?」という気持ちがある。今の私には子どものいない男女が一緒に住むメリットがわからないから、もし再婚するモチベーションになるなら子どもかな。
K:確かに私も再婚したのは、子どもがほしかったからもある。日本で子どもを育てるなら、事実婚だとどちらの姓にするのかとか、いろいろな問題が出てくるし。
A:私も40歳までに子どもがほしいと思って再婚したから、子どもは大きいよね。
K:今は幸せだけれど、私の離婚は子どももいたし簡単じゃなかったから、離婚を考えている人には、まずは離婚せずにいられる道も探ってみてほしいと思う。

「結婚」のかたちもいろいろ変わってきています

期限を決めて結婚を継続する「離婚約」や「エア離婚」

    K:今思うと最初の結婚は無意識

    夫婦としての関係という観点では生涯添い遂げる未来は見えないけれど、期限を決めて子どもが成人するまでは結婚状態を継続してパートナーとして協力し合うことを約束している「離婚約」「エア離婚」が注目されています。期限を決めることで、お互いの仕事や将来設計など、次のステージに進む準備を時間をかけて整えることができるのもメリットと言えそうです。

未婚率が上昇するなかで結婚→離婚を3回以上繰り返す人も

    K:今思うと最初の結婚は無意識

    男女ともに未婚率が増え続ける一方で、結婚と離婚を繰り返すタフな女性も増えています。自分の周りに離婚している人が多いと離婚へのハードルが低くなったり、恋愛と結婚を分けて考えられないタイプの人は愛が冷めるとすぐ離婚となったりするケースも。挙式や披露宴をせずに入籍のみで済ませたカップルは手軽に結婚したぶん、気軽に離婚する傾向があるよう。妥協することなく幸せを追い求める姿勢や、女性に経済力があることもポイントに。

最初から結婚せずにシングルマザーになるという選択

    K:今思うと最初の結婚は無意識

    予想外の妊娠ではなく、妊娠前から計画的にシングルマザーになることを選択して未婚で出産した人は「選択的シングルマザー」と呼ばれています。未婚で出産した芸能人の例からもわかるように、選択的シングルマザーに必要なのは経済的自立と精神的自立。父親である男性に頼ることなく、養育費も受け取らず生きていく道を選ぶことになるからです。結婚はしたくないけれど子どもはほしいという女性が、出産のタイムリミットを念頭に選択的シングルマザーになるというパターンも。

イラスト/二階堂ちはる 取材/加藤みれい 再構成/Bravoworks.Inc