歳を重ねるほどに好きになるジュエリー。記念日には、その背景や意味にまで想い入れを持てるものを選びたい。そんな気持ちを込めて、新連載のスタートです。

【Vol.1】 40歳、W成人式

「私の自信は、これまでの私が積み重ねてきたもの」

文 / 渡辺千穂

二十歳の頃、成人のお祝いとして私のもとへやって来たのは、一連のパールネックレスだった。その先に訪れるであろう人生の節目や冠婚葬祭の場に、オーソドックスで正統派のそのネックレスがあれば困ることはないと、両親と共に選んだ品だった。大学の卒業式、友人や親戚の結婚式、子どもの入学式や卒業式と、実際にこれでもかというぐらいの活躍をしてくれた。

あれから二十年、私は明日、四十歳を迎える。実際に大台に乗るとなると、本当に大きな階段を一段上るような気がする。これまで、来るぞ来るぞと思ったり、いよいよだなと思ったり、逆に忘れた振りをしてみたり、考えないようにしてみたりと、まるでカウントダウンのように、かなりの意識をしてきた。そのうち、何はともあれこんなに意識をするのだから、やはり今年の誕生日は特別な日で、一大イベントなのだと思うようになった。

そう、四十歳の私の誕生日は、二度目の成人式なのだ。

今回は自分に何かを贈ろうと考えた。そう決めてから様々なものを目にしてきた中で、これが欲しい！と思ったのは、バーの上にパールが５つ並んだ「バランス」のネックレスだった。バーがあるからパールがブレない。そんな形を見ていると、自分さえブレなければ人生のバランスは取れる。そんな気持ちになった。

二十歳の記念の正統派のネックレスは、きちんとした装いのためにプラスするものだった。でも、この５つのパールは自分が輝くためのものだと思った。「久し振りに自分が好きだなと思えた物だから、きっと間違いはない」そう思った瞬間、私は、自分の好きという感覚に自信を持っているのだなと気がついた。私の自信は、これまでの私が積み重ねてきたものだ。そう考えたら自分に言いたくなった。

二度目の成人式、おめでとう！

「軸のあるパール」を、歳を重ねた私へ

TASAKIのbalance & kinetic

パールが直線的なバーに並ぶ、ブランドのアイコン的シリーズ「バランス」。パールとモードを融合させた革新的なデザインは、日々の着こなしを「自分らしく」一段引き上げてくれるはず。スタイルが確立したSTORY世代のネクストパールとして支持の高い名品です。ピアスは「キネティック」。曲線と直線のコントラストで魅せる、こちらも根強い人気のデザイン。

リング[バランス シグネチャー リング]¥407,000、ネックレス[バランス シグネチャー ネックレス]¥605,000、ピアス[キネティック ピアス]¥495,000〈すべてYG×あこや真珠〉(すべてTASAKI/TASAKI)ワンピース¥33,000〈エストネーション〉バッグ¥22,000〈ヴィオラドーロ〉(ともにエストネーション)　※情報は2022年7月号掲載時のものです。

Chiho Watanabe

脚本家。自身もSTORY世代で、NHK朝の連続テレビ小説「べっぴんさん」、「名前をなくした女神」「ファーストクラス」 (ともにフジテレビ系)など社会性があり、時代を力強く生きる女性がヒロインの作品に定評が。

撮影／shu ashizawa〈S-14〉（モデル）、西原秀岳〈TENT〉（静物）　モデル／クリス-ウェブ 佳子　ヘア・メーク／野田智子　スタイリスト／亀 恭子　取材／味澤彩子　※情報は2022年7月号掲載時のものです。

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