西村知美さん・51歳「今が一番楽しい!と言って120歳まで生きるつもり」

‘80年代、アイドルはキラキラ輝き、私たちに夢を与えてくれました。でも「きっと華やかな生活を送っているんだろうな」というイメージとはまるで逆の生活だったようです。寝る暇どころか、ごはんを食べる暇もない。でも、そんな若い時の苦労のおかげで今の幸せがある。西村知美さんのポジティブマインドな話を伺っていると、幸せはどこにでもあることに気づかされました。

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1970年12月17日生まれ、51歳。第1回ミス・モモコクラブでグランプリを獲得しデビュー。代表作は「さんまのSUPERからくりTV」(TBS系)。プライベートでは’97年西尾拓美さんと結婚、’03年長女を出産。

西村知美さん

私が40代終盤に差し掛かったとき、早見優さんが「50代は最高よ!」っておっしゃっていたのが忘れられなくて。51歳になった今それを実感しています。 1985年、アイドルグラビア雑誌「Momoco」主催の“第一回ミス・モモコクラブ”でグランプリを受賞し、映画『ドン松五郎の生活』の主演が決まった中学3年生の夏休みに山口県から上京しました。右も左もわからない東京に来て早々、盲腸になってしまい1カ月の入院。映画のクランクインが遅れてしまったんです。演技や歌も初めてで、レッスンを受けてはいましたが、アドリブも多く方言が抜けなかったので、クランクアップするまでに4カ月もかかってしまいました。まだ中学生でしたからね、監督に「仕事で泣くな!」なんて言われても涙が溢れてしまって……。今考えるとスパルタですよね(苦笑)。でもこの厳しさがあったからこそ、どんなに仕事で理不尽なことを言われてもすんなり受け止めることができるようになりました。

当時は「カックラキン大放送」や「欽ちゃんのどこまでやるの⁉」をはじめ、台本6冊くらいを持ち歩き、「ザ・ベストテン」などの歌番組の間に雑誌の追っかけ取材やラジオの収録。レコードも3カ月に1度のペースで出していたので、深夜にレコーディング、新曲が発売されたら早朝から地方へキャンペーンにも回らなくてはいけなくて。本当にご飯を食べる暇もなかったんですよ。今でも覚えているのは、京都で時代劇の撮影→名古屋で歌のキャンペーン→歌番組の中継に間に合わないからヘリコプターで熊本に入り、本番10分前の5分間で歌の準備をしました。前の日にスケジュールと一緒に500枚のサイン色紙を託されたときは泣きたくなりました。でも、事務所の方に「忙しいのはきみだけじゃない」と言われて。私がデビューした’86年は約600人の新人がいましたから、2年目のジンクスに負けず、生きていけたのは事務所とレコード会社のおかげだなぁ……と今はとても感謝をしています。

大人の厳しい世界で働いている分、同級生とワイワイ過ごせる学校が私にとってオアシスだったので、どんなに忙しくても通っていました。修学旅行は北海道だったんですが、仕事の徹夜明けでジンギスカンを食べたのもいい思い出(笑)。今でも同級生の渡辺美奈代ちゃんは大の仲良しです。娘の成長と自分のアイドル時代を重ねて懐かしく思うときもありますが、私は120歳まで生きるつもりなので、楽しいことを見逃さないようにしています。

20歳のとき、「何もできないまま20歳になっていいの?」と思ってフルマラソン、一人旅、富士山登頂という目標を立てました。だから、’02年日本テレビ「24時間テレビ」チャリティマラソンランナーとなったときは嬉しかったですし、苦手だったスポーツに挑戦し100kmを無事完走できたことで、本当の忍耐力、持久力がついたと思います。

以前、錦野旦さんとロケをご一緒させていただいたのですが、本当にお元気で。その秘訣を尋ねたら「自分より20歳下の人と付き合うこと」っておっしゃっていたんです。ジェネレーションギャップがあると行動範囲も違うし、新鮮な情報を得ることができるからって。それ以来、「私の元気の源ってなんだろう?」って考えるようになりました。毎日の生活の中でもたくさん元気の源ってあるはず。例えば料理が苦手でも赤のキッチングッズを揃えたり、ピンクやフリルでマイナス10歳を意識した服を選んだり、自分のテンションが上がるもので周りを固めたり…。心の持ち方ひとつでハッピーになれると思うんですよね。 「人生で今がいちばん楽しい♪」って声に出して発すると自分に返ってきますから。楽しいことは友達とシェアして、50代も60代も70代もその先も! 世界にはまだまだ私の知らないことがたくさんある。魅力的な発見を見逃さないように精力的に過ごしていきたいですね。

<知美さん> ジャケット¥105,600タンクトップ¥15,400パンツ¥38,600(すべてトランジット パーチ/トランジット パーチ青山店)、イヤリング¥18,900リング¥9,720(ともにアビステ)

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美ST