【宮野真守さん】「素晴らしい原作にプレッシャーを感じたこともありました」最新アニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』への思い

声優としてはもちろん、俳優にアーティストと多様な活躍を見せる宮野真守さん。9月30日より第一章、10月28日より第二章、11月25日より第三章が上映される『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』では、主役のひとりラインハルト役を務めます。上映に先立って、宮野さんに作品の見どころや裏話をインタビュー。CLASSY.読者に向けたおすすめポイントも教えてもらいました!

長く愛され続ける『銀河英雄伝説 Die Neue These』その魅力はー?

–本作でフォーシー

–本作でフォーシーズンを迎える『銀河英雄伝説 Die Neue These』。長く愛されている作品ですが、宮野さんの考える本作の魅力はどんなところにあるでしょうか?

やっぱり最初にあるのは、圧倒的な原作の面白さですね。面白さっていうのはいろんな形があると思うんですけど、この歴史が実際にあったのではないかと思わせてくれるくらいの、壮大な設定と、説得力とリアリティ。それとファンタジーが融合した世界観がなんて素晴らしいんだろうと思います。何よりも、原作の田中芳樹先生の書き口というか、言葉の表現の仕方がとても美しくて。読み物的な面白さにも引き込まれました。

–宮野さん演じる主役・ラインハルトという役柄にはどんな思いがありますか?

決して恵まれた環境にはいなかったラインハルトが、世の中の実態を知り、それを正すためにどうすればいいのかを考えていくところは、非常にヒロイックでカッコいいですよね。ただ強いだけではなく、大事な存在がいるからこそ強かったり、弱い面も持っていたり、ラインハルトってそういういろんな表情を持った役柄なんです。演じる身としては、ラインハルトのキャラクターを非常に面白いと思うし、魅力を感じています。

自分にしかできないラインハルトを見つけたい。名作に携わる上での決意

–素晴らしい原作を

–素晴らしい原作を持つ作品の主人公を演じるにあたって、プレッシャーがありましたか?

(即答で)プレッシャーもありました。『銀河英雄伝説』は、アニメ史においてとても大きな存在ですし、“Die Neue These”という形でまた新しく作られることにプレッシャーも感じました。でもだからこそ、自分にしかできないラインハルトを見つけていくべきだと、逆に強く思えたんです。原作に描かれている田中先生の真意を汲み取りながらも、本当にラインハルトが実在しているかのごとく、彼の人生をしっかりと自分の中で構築していきたいなと思って。そうすることで、僕から出てくる言葉にも嘘がなくなると思うんです。プレッシャーはありましたけど、それを乗り越えていく力というか、原作への想いが良い方向へのエネルギーになるよう意識していましたね。

憧れの上司像が見つかる!? 宮野さん流アニメの見どころ

–CLASSY.の

–CLASSY.の読者、アラサーの働く女性に向けて『銀河英雄伝説 Die Neue These』のフォースシーズン「策謀」のおすすめポイントを選ぶとしたら、どういうところに注目してほしいですか?

えーそうですね、色んな上司が出てきます(笑)。皆さんの上司に似ているなって思う人がきっと見つかるでしょ、っていうくらい本当にいろんな上司が出てくるんですよ。時には、尊敬できない人もいたりして(笑)。そもそも、尊敬できる上司のあり方も、本当にそれぞれじゃないですか。ラインハルトの姿とヤン・ウェンリーの姿も全然違いますしね。でも、それぞれの上司のあり方に、心動かされる部分はあると思うんです。なので、ぜひ憧れの上司像を見つけていただけたら(笑)。上司に限らず、カッコいい生き様を見せてくれる男たちがたくさん登場する作品なので、そういった意味では、「この人の生き方カッコいいな」とか、「この人についていきたいわ」とか、「この人の嫁になりたいわ」とか(笑)。そういうものがたくさん見つけられると思います。

「正義とは何か」を考えるきっかけになったら嬉しい

–現実世界とは違う

–現実世界とは違う、壮大なストーリーが描かれる作品ですが、この作品を通して、見てくださる方にどんなメッセージが伝わったら良いと思いますか?

この質問、すごく難しくて。うまく言葉でまとまらないんですけど、戦争のストーリーなので、誰を倒したっていうのを喜んだり、人が生きる死ぬがたくさん出てくるのは、現実とリンクして考えさせられる部分がありました。エンターテイメント作品として考えると、自分が信じる正義の形みたいなものを見つけられる作品なのかなって。「何が正義か」を考えたときに、どちらが正しいかってきっぱり決められるものではないと思うんですけど、そういうことを考えるきっかけにはなるかなと思います。スケールの大きな作品なので、エンターテイメントとして、表現の迫力だったり、物語が紡がれていく面白さみたいなものを非常に感じてもらえる作品なんですよ。そういうものを受け取りつつ、ある意味で自分ごとが見つけてもらえたらいいなとも思っています。

–非常に重厚感のある作品に仕上がっていますが、アフレコ最中のハプニングや思い出エピソードはありますか?

う〜ん…そうですね…。アフレコって、スムーズに進んでいくというよりも、本当に丁寧に、みんながストイックにまっすぐに、着々と進んでいくんです。なので、なかなかアフレコの現場で大きなハプニングは起こらないんですよね。その中でもちょっとしたハプニングを挙げるとしたら…そうですね。ラインハルトにとってとても大事な存在のキルヒアイスが命を落とすシーンは、気持ちを作っていく上で湧き上がるものが大きすぎて、収録をストップさせちゃったことがありました。監督も、ちょっと休んでみようかと言ってくれて。僕の気持ちが整って、しっかり表現できる心情になるのを待ってくださって、しっかり時間をかけて録ってくださったので、非常に感謝しています。作品に向き合った時に出る感情を、時間をかけて丁寧に録ってくださったので、僕の中では大きなハプニングなんですけど、非常にありがたい出来事でした。

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『銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀』第一章
9月30日(金)より公開!

田中芳樹の大長編SF小説「銀河英雄伝説」を、Production I.G制作により新たにアニメ化した『銀河英雄伝説 Die Neue These(ディ・ノイエ・テーゼ)』のフォースシーズン「策謀」。

数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類は、異なる政治体制を持つ2つの国に分かれ、長らく絶えることのない先頭を繰り返してきた。そして、宇宙暦8世紀末、「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーというふたりの天才の登場によって歴史は動く—。宮野さんは、主人公のひとりであるラインハルトの声の出演を務める。

公式サイト:https://gineiden-anime.com/

PROFILE
宮野真守(みやのまもる)●1983年6月8日生まれ 埼玉県出。幼少より子役として活動し、’01年声優デビュー。俳優、歌手活動など幅広く活躍。最近の主な出演作は声優:アニメ映画『竜とそばかすの姫』、アニメ『鬼滅の刃 遊郭編』、映画(吹き替え)『ファンタスティック・ビースト』シリーズ、『トップガン マーヴェリック』、舞台『神州無頼街』など。

撮影/木村 敦 取材・編集/宮島彰子(CLASSY.ONLINE編集室)