【東原亜希さん×元日本代表・大山加奈さん】「双子ママを見かけると、こっそりエールを送ってます」

授乳に夜泣きは倍の回数で、幅のある2人用ベビーカーが通れない道もある……と人知れず大変なことも多い双子ママたち。VERY3月号では、オシャレも育児も頑張る双子ママにクローズアップした企画を掲載。自身も双子ママであるVERYモデル・東原亜希さん×元バレーボール全日本女子・大山加奈さんのスペシャル対談で、本誌に掲載できなかったトークをお届けします。

双子育児は大変だけど、幸せです!

――双子妊娠が発覚した時はどんなお気持ちでしたか?

東原 家系にいなかったこともあり、双子妊娠は人生一の衝撃。仕事や上の2人の子育てもある中で、いつ入院になるかわからない高リスク妊娠出産が不安でした。
大山 私の場合、体外受精を受けていたので可能性はあったけれど、まさか自分が……と。近くにすぐ頼れる人がいなかったので不安な気持ちが大きく、SNSで #双子出産 と調べて、先輩双子ママの声にどれだけ励まされたか分かりません。
東原 分かる。身近に同じ目線で共感できる人がいないことが、双子ママたちが孤独を感じてしまう要因でもあるよね。だから街ですれ違った双子ママを見かけると、こっそりエールを送ってる(笑)。

――双子育児って想像がつかないのですが、やっぱり大変ですよね?

大山 確かに大変なことは多いです、オムツ替えも授乳も必要経費も2倍ですし、離乳食のストックは秒で無くなり、半日お出かけすることになれば哺乳瓶4本以上と半パックのオムツで一泊旅行並みでした。でも、全部が全部大変なことばかりではないです。両手にそれぞれW抱っこしている時なんて、重すぎるけどとても幸せなんですよ。
東原 双子を連れているとよくすれ違う人に『大変ねぇ〜』『辛いわねぇ~』と苦行のような印象で話しかけてもらうこともあるよね。当時はお散歩や買い物に出かけるのすらエネルギーを消費するし、公園で東西に走り散る双子を永遠に追いかけている状態だったから、共感はとても嬉しかったけれど、『こんなに幸せだから大変だけじゃないのにな』と思うこともあったな。
大山 私も道でそう言われると、そんなに悲壮感漂っていたかなって(笑)。
東原 双子育児って大変前提にされがちだけど、大変なことばかりじゃなくって、そういうのって双子だったから味わえたと思えたら、格別の幸せだよね。

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ダメだと分かっていても比べてしまう時もあるから、その後のフォローが大切

――双子っていけないと分かっていても比べてしまうとたくさんの双子ママさんからお伺いしましたが、実際どうでしょうか?

東原大山 比べちゃいますね・・・・・・!
大山 いけないって思ってるものの、つい1人が何かできると声出して褒めちゃう。それを見ているもう1人は寂しそうだから、1人になった時に褒めることを徹底しています。もしくは、他に優れていることを同じタイミングですかさず褒めたり。『〇〇ちゃん“も”ダンスがとっても上手だもんね!』と。
東原 比べてるつもりはないんだけども、気を遣うよね。やっぱりできたことはすぐ褒めてあげたい気持ちもあるから、事実を伝えて、親も素直にその場で褒めてもいい気もしてる。でも大山さんのおっしゃる通り、もう片方のフォローも徹底してね。でもそのうちテストの1点単位で勝手に競争し始めるから、最近はもう勝手にやらせてる(笑)。

それぞれの個性に、向き合えているか悩みます

大山 双子あるあるでいうと、生まれた時からセットだった二人の、それぞれの個性に向き合えてないのが悩みなんです。双子のうち1人とカフェで2人っきりでお茶したら、どんな顔をしてジュースを飲んで、お話ししてくれるのか知らないまま、双子が大きくなっていくのが寂しくなったり。
東原 すごくよく分かるよ。私も個別に連れ出すなど努力をした時期があったな~。でもね、我が家の場合、Aと2人でお出かけしていても、『Bちゃんは?Bちゃんと遊びたい』って言われるのがオチだった。あ、彼女たちはママに個別に遊びに連れ出してもらうのを別に望んでないんだなってその時に気が付かされて(笑)。小学校に上がれば嫌でも別々の社会に立ち向かうわけだから、そんなに気にしなくてもいいんだなと。
大山 目から鱗です。確かに個性に向き合いたいっていうのは単純に親の気持ちであって、本人たちは望んでないのかもしれないですね。
東原 そう。気持ちはとても分かるけど、ただでさえ忙しい双子ママパパが、そればかりに思い詰めてストレスを溜めていたら本末転倒。必ず個々に向き合える時がくるから、ゆっくり無理しなくても大丈夫だと私は思うな。

双子育児を頑張るママたちへ

――頑張る双子ママたちへ一言ずつお願いします。

東原 『よし寝た、今日も無事に生きてくれた!』毎日毎日これができればもう十分。そんな同じ経験をしている双子ママは案外たくさんいるもの。孤独じゃないし、赤の他人だったとしてもつい話しかけたくなっちゃうほど双子ママは双子ママの味方。私も応援しています。
大山 日々自己嫌悪になったり、足りてないことに目が行きがちですが、しっかり自分を褒めてあげてください。勇気を出してお出かけすることや、おしゃれをしてみることも自己肯定感を上げる大切な時間。双子と過ごせるかけがえのない今の時間が、少しでもハッピーなものになりますように。私も双子育児、頑張ります!

<PROFILE>

東原亜希
VERYモデルで4児のママ、第3・4子が小学生の双子の女の子。
VERY人気連載「カートでさんぽ」スタート時、双子産後1カ月でスピード復職した行動力とプロ意識に、編集部をざわつかせたことも。

大山加奈
元バレーボール全日本女子、2歳双子の女の子ママ。
不妊治療を経て、双子を出産。全国で講演や指導をする中、子育てに奮闘するママを元気にしたいと、親子バレーボール教室にも力を注ぐ。

撮影/水野美隆 スタイリング/坂野陽子 ヘア・メーク/廣瀬浩介 取材・文/吉田なぎ沙

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