目立たないシンプル服、ちゃんと持ってますか?【オシャレが下手な大人が知らない落とし穴】

旬のアイテムを着ているのに、おしゃれに見えない…その原因は、引き立ててくれる脇役服を持っていないから!スタイリスト児嶋里美さんが、今すぐ買うべき名脇役服と、リーダーズの私服悩みの解決策を教えてくれました。

おしゃれ見えの鍵はコーデの主役を輝かせる〝脇役服〞の存在にあり!

伊藤:児嶋さんはシンプルな無地の白Tって何枚くらい持っています?7月号の『30代のTシャツが難しい!』という企画で座談会をやったとき、無地の白Tを一枚も持っていない方が何人もいて、驚いたんです…!

児嶋:職業柄、丈感や衿の開き具合、生地感の違うものを何枚も持っているけど、「トレンドのアイテムを買ったのに上手く着こなせない」や「なぜかおしゃれに見えない」と悩んでいる人ほど、白Tみたいなごくシンプルなアイテムを持っていないんだよね。クローゼットの中が袖や裾がふわっとした甘いトップスと、着映えする盛りスカートのオンパレードというのは、いまいちおしゃれになれない人の“あるある”。

前田:前にCLASSY.の企画で自宅のクローゼットを公開してもらったとき、児嶋さんのワードローブには主演女優服と助演女優服があると言っていましたよね。

児嶋:そうそう、私は華やかなトップスが大好きだから、その主役を活かすための助演的な脇役服をたくさん持っているの。分量で言うと、脇役服のほうが多いくらいだよ。

前田:確かに児嶋さんのクローゼットに白Tもデニムもすごくたくさんありましたね!それなのに、あまり脇役服を着ている印象がないのは、まさに脇役がちゃんと主役を引き立てているからですね。

児嶋:絶対に盛りアイテム×盛りアイテムっていう組合せはしないし、なんなら1つのコーデにお気に入りは1つでいい。主役を輝かせるために、他はグッと堪える感じ。

前田:ここ1年で“CLASSY.の好きなコーデランキング”に選ばれたコーデも、まさにそんな感じです。甘めのスカートを主役にしたいコーデではトップスをシンプルなものにしているし、デザイン性の高いシャツを主役にしたいときは中を黒T×デニムにしてる。

伊藤:なるほど…。コーデ迷子の方たちは「盛れる服しか欲しくない」や「無地Tのような地味な服にお金をかけたくない」と言っていたけど、それこそがコーデが上手くいかない大きな理由なんですね。

児嶋:そのとおり!主役を輝かせるためには、絶対に脇役が必要なの。それを引き算コーデと言うと何だかネガティブな感じになってしまうから、自分の好きなお洋服を活かすために、シンプルなものを追加すると考えたほうがいいかも。そのほうがポジティブにおしゃれを楽しめる感じがしない⁉

前田:確かに!でも、せっかくお金を使うんだから、自分の気分が上がる主役服ばかり買ってしまう気持ちもわかるなあ。

児嶋:最初から必ずしも一着1万円以上する脇役服を買う必要はないよ。気軽に買える価格帯のものでOK。慣れてくると「こういう無地Tが着回しやすいんだ」と実感できるはずだから、そこでシルエットのきれいな“良いもの”を検討すればいいと思う。まずは、主役服を1着買ったら、それに合わせる脇役服を2着買ってみて。それを何度か続けたら、着回しに重宝する脇役服がある程度揃えられる気がする。

伊藤:ペースを決めてもらえると実践しやすそうですね。では、まず買うべき脇役服というと何ですか…!?

児嶋:季節を問わず着られるベーシックな無地Tは絶対に必要。色は白、黒、ベージュを揃えておくと着回しがきくよ。

前田:袖にフリルとか、衿に甘いディテールとかがついていないやつですね!

児嶋:それから黒やグレーのベーシックなパンツも欠かせないアイテム。今ならタック入りの太めシルエットがいいかもね。これだけでもかなりコーデ力がアップするけど、さらに黒ジャケットと黒のタイトスカートを追加すると、コーデの幅がぐんと広がります。

伊藤:なるほど。早速、脇役服が主役を引き立てているコーデのお手本を見せてください!

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    2022年10月号(撮影:YUJI TAKEUCHI(BALLPARK))

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    2022年8月号(撮影:渡辺謙太郎)

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    2023年6月号(撮影:谷田 政史(CaNN))

毎日のコーデをレベルアップする“脇役服”はこれ!

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    【無地Tシャツ】
    秋冬もジャケットやカーデのインナーとして活躍する無地Tシャツ。この3色を持っていればカジュアルにもきれいめにも対応できます。ーーby Satomi

    (左から)黒Tシャツ¥9,680(スローン/ザ ショップ スローン 神戸)ベージュTシャツ¥1,500(Uniqlo U/UNIQLO)白Tシャツ¥1,331(ユナイテッドアスレ/キャブ)

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    【ストレートパンツ】
    引き続き人気のストレートパンツは価格を問わずシルエットのきれいなものがたくさん!自分の体型に合った一着を探してみて。ーーby Satomi

    まずは黒とグレーを手に入れて。(左から)グレーパンツ¥3,990(UNIQLO)黒パンツ¥23,980(ネイヴ/オンワード樫山)

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    【黒ジャケット】
    ネイビーやチェックは持っていても、一番ベーシックな黒を持っていない人が結構多いのでは。万能なので持っていて損はなし!ーーby Satomi

    ジャケット¥71,500(エイトン/エイトン青山)

    伊藤:児嶋さんはシンプルな無地

    【タイトスカート】
    オンオフ活躍する黒のタイトスカートは、コーデのテイストを選ばないうえ、細見えも叶えてくれて良いことずくめなんです。ーーby Satomi

    スカート¥18,700(ユナイテッドアローズ/ユナイテッドアローズ 渋谷スクランブルスクエア店)

\コーデがキマらない原因、私たちが探ります!/

◼︎スタイリスト 児嶋里美さん
アラサー女性が真似しやすい〝大人可愛い〟バランスを生み出す達人。カラフル&甘めな小物使いも読者から大人気。

◼︎担当ライター 伊藤綾香
きれいめ寄りのカジュアルが好み。身長153㎝×ストレート体型のため、スタイルアップが永遠のテーマ。

◼︎担当編集 前田章子
トレンドを積極的に取り入れたきれいめカジュアル好き。無地Tシャツの万能さに最近ようやく気づいたところ。

撮影/清藤直樹〈静物〉 スタイリング/児嶋里美 取材/伊藤綾香 再構成/Bravoworks.Inc