人気の教育系YouTuber2人が語る、思春期の子どもの学習はどう向き合うべき?
子どもたちの悩みや不安に寄り添う教育系YouTuberのお二人が対談しました!
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教育系YouTuber対談
思春期のどもたちに圧倒的に信頼されているお二人に聞きました
<右>一葉さん @toaruotok
登録者数193万人
小学生から高校生に向けた授業動画を配信する次世代の教育者。「とある男が授業をしてみた」に投稿した動画はのべ4,440本。東京学芸大学で教員免許取得後、営業職を経て塾講師に。どのような子にも自宅で無料の授業機会を、と11年前に開始。
<左>みおりんさん @MiorinCafe
youtube 登録者数14.5万人
元自宅浪人の東大卒〝癒し系〟勉強法デザイナー。1年間の自宅浪人の末、地方公立高校から東大に合格。その勉強法やノート術、自身の経験やノウハウを「みおりんカフェ」チャンネルにて発信。自らプロデュースした文具も人気。
【一葉さん】勉強時間、量、範囲… 決めるのは子ども。親は〝信頼して、見守る〟
塾講師時代からの十数年以上の経験で、子どもたちの「夏休みあるある」を熟知。受験期の子、つまずく子や不安な子…。揺らぎやすい思春期の子どもたちの悩みに寄り添いながら、子どもの力を信じる真っ直ぐなメッセージに、励まされた人は多数。
【みおりんさん】タイマーやノートを使って勉強した記録をつけながら、頑張りを〝見える化〟する
最新刊『5分でカイケツ道場 東大卒みおりんの勉強法ちゃっかりマスター術』。勉強の始め方やノートの書き方、授業の効果的な受け方など、勉強のコツをマンガで紹介。小中学生に◎。また「みおりんStudy Time スタディープランノート」 などもプロデュース。
「夏休みの勉強法」を小中学生から大学生まで学年別に紹介する動画は必見。現役学生視聴者からのリクエストや、リアルな悩みに寄り添う動画も豊富。ふんわり柔らかな口調の中にも、経験に基づく説得力が参考になります。
葉一さん(以下敬称略)
夏休みって、教育系YouTuberの動画再生数が落ち込むんです。
みおりんさん(以下敬称略)
あるあるですね。私も同じ傾向です。受験生など勉強している人は夏期講習などでパツパツ。中高生は忙しくて、受験生以外は夏は勉強から遠ざかる人も多い印象で…それが再生数ダウンに。
葉一
普段の授業の補助教材や参考書代わりになる動画だから、家で1学期のつまずきを埋めたり、自分で補強してほしいですよね。
みおりん
9月には1学期の勉強を忘れてることもザラです。そうならないために、1学期の振り返りと2学期の学びの基礎固めが必要。夏休みを有効に使うためには、例えばタイマーを使うだけの勉強法。「あと〇時間勉強する」と漠然とカウントダウンするのではなく、「今日は〇時間やった」と勉強した時間をカウントアップしていく。その累積が〝頑張りの見える化〟となって日々のモチベーションになります。
葉一
親は「今日は何やる?」と子どもと相談をするのがいいです。子どもが量を決めたら「目標は何分にする?」と量の後に時間を設定する。それだけでも、かなりダレにくくなります。
みおりん
そうですね。そうしてつまずいたり、苦手な部分・単元を洗い出して、さらにYouTubeの解説動画を活用していくといいですよね。他に、夏休みに弱点克服をするなら、勉強計画や勉強記録ノート。今日はこの教科にどれだけ取り組んだか、総時間はどのくらいか、毎日、日記のようにノートに記していけば、夏休みの終わりには立派な実績と自信に。勉強習慣を空けず、少しでもキープする工夫が必要です。ダイエットも記録をつけて、目標宣言すると成功するのと同じ。勉強でも三日坊主を防げます。推しの文房具も長続きするコツ。シャープペンの芯や握りやすさ、消しゴムの消し心地とか、効率も気分も上がる好きなものを少数精鋭で揃えてみて。
葉一
確かに文房具が多いと、それを探す時間で勉強の集中力が切れるから、見直しは必須。あと、よく親御さんからゲームやYouTubeをやめさせたいと質問が来ますが、それは難しいと思っています。大切なのはどう付き合わせるか。勉強せずに、ゲームばかりするのが問題なので、やることをやればとやかく言われないということを実感させればいい。そのためにも、子どもが決めたやることを終えたら好きなことができるんだ、というメリハリを見せる必要がありますね。
みおりん
子どもは親をよく見てる。親が資格勉強や何かにトライすると、その姿を見て子どもが勉強を始めたという話も聞きますね。
葉一
昨今、不登校の子どもが増え、2学期の初日には悲しいニュースも見ます。でも、学校に行くことは選択肢のひとつ。学校に行かない選択をしたっていい。ただ、その場合も、自分の時間とエネルギーを何に使うのか、趣味でも何でもいい、YouTubeで好きな動画を見漁ってもいいから、「好きなこと」「やりたいこと」を見つけて見失わないことが大事です。その時間とエネルギーを注ぎ続けたという事実が、自分自身の支えになって、自己肯定感や自信につながっていくと思っています。
子どものモチベーションを上げるために
by 葉一さん
- 親が決めずに自分で決めさせて取り組ませる
- ゲームやYouTubeは禁止しない
- 長期休みは〝習慣〟を作るチャンス
「この1冊の問題を何分で解く」と、子どもに量と時間を申告させる。やるべき課題に取り組んだのであれば、あとは怒らず自由にさせる。自分に何が足りないか、どこが課題か、を見渡して克服させる。
by みおりんさん
- 自分自身の中で〝見える化〟させて取り組ませる
- カウントダウンではなく〝カウントアップ〟の勉強を
- ふで箱メンバーは最少限に
撮影/吉澤健太 取材/羽生田由香 ※情報は2023年9月号掲載時のものです。
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