医師に聞いた…「乳がんを予防&早期発見するために日頃からできること」とは

現代女性にとって誰でもなり得る病気〝乳がん〟。定期的に検診を受けるなど、万が一への備えはできていますか?まだ若いから関係ない、と考えずに正しい知識を身につけて、もっと〝自分事〟にするのが第一歩です!

普段の生活で何をするのが大事?予防&早期発見のためにできること

日常生活のちょっとした心がけで、乳がんを予防&早期発見できる可能性は高まります。忙しい女性ほど実践してほしい、乳がんにならないためのルーティンはこちら!

1.普段から自分の体について知っておく

【この症状に注意!】 大切なの

【この症状に注意!】
大切なのは、〝自分の体の状態を知り、異変に気づける状態でいること〟。お風呂上がりでボディクリームを塗るときに乳房を触る、毎日自分の体を鏡でチェックするなど、日常のルーティンで乳房を見る習慣を作っておくのがおすすめ。着替えの際、ブラジャーの乳頭部分に分泌液がついていないか確認をすることも忘れずに!

2.30歳を目安に検診を受け始めよう

乳がんにかかるのは50代中盤がピークとされていますが、若い方でもかかる可能性は充分にあります。30歳を目安に検診を受け始め、その後の頻度や検査の内容については医師と相談のうえ決めていきます。20代女性の場合、乳腺が発達していてがんが見つけづらい「高濃度乳房」の方もいるので、マンモグラフィと超音波を組合せて受診しましょう。マンモグラフィで受ける放射線量を心配する人がいるのですが、人体に影響のない線量(海外旅行でのフライト1回程度)なのでご安心を。

【検診の種類】

    乳がんにかかるのは50代中盤が

    【1】マンモグラフィ
    乳房を2枚の板で挟み、薄く伸ばした状態でX線撮影を行う検査。触診や超音波検査では発見しにくい病変や石灰化を見つけられます。自治体実施の乳がん検診では40歳以上の女性が対象ですが、親族に乳がん経験者がいる場合や低用量ピルなどホルモン治療をしている場合は2、30代からの検査が◎。

    乳がんにかかるのは50代中盤が

    【2】超音波
    乳房内の病変の有無やしこりの大きさ、リンパ節への転移の有無を調べるために行うエコー検査。2㎜大のしこりから発見することができます。マンモグラフィで高濃度乳房とされた場合には、超音波検査でなければ乳がんを発見できない場合があります。妊娠・授乳中でも検査が可能。

    乳がんにかかるのは50代中盤が

    【3】MRI
    主に手術や放射線治療を始める前に行うのが効果的な検査。マンモグラフィや超音波検査のようながんの発見というよりも、造影剤を用いてがんの広がりの範囲を映しだすことで手術のデザイン決めに役立ちます。また、術前の抗がん剤の治療効果の判定にも用いられます。

3.週に7メッツの運動習慣が予防に最適

明確な予防法はないと言われている乳がんですが、なんと運動習慣が乳がん予防に役立つことが判明!運動量の目安は「週に7メッツ」。おおよそ1週間当たり1時間のランニングと同等の運動量です。ただし1時間は複数回に分けて行ってもOK。1回20分を3日に分けるなど、自分が挑戦しやすいペースで取り入れてみて。

自分の体に関心を持ち、毎日労うことが乳がん予防と早期発見に役立ちます

「日本人女性の9人に1人がかか

「日本人女性の9人に1人がかかると言われている乳がん。その病名は知られていますが、CLASSY.読者さんの世代では「乳がん検診へ行ったことがない」という人がまだ多いのも現実です。私は乳がん=闘える病気だと思っています。マンモグラフィと超音波検査を定期的に受けることで、がん細胞が悪さを始める前の「ステージ0」の段階で発見できるようになりましたし、血液検査で遺伝子異常が判明すれば、早期治療に備えたり、予防切除を選択することも可能に。早い段階で気づけたら完治の可能性が充分あるからこそ、若い世代の方もどうか面倒がらずに定期検査を受けてほしいのです。

現在、乳がんにかからないための明確な方法は残念ながらありません。しかし多くのがんが生活習慣や食事によってかかるリスクが増えているのと同様、乳がんも女性のライフスタイルの変化により罹患率が増したと考えられています。乳がん予防のためにライフスタイルをガラリと変えることは難しいですが、ちょっとした心がけを予防や早期発見に繋げることはできます。ほんのわずかな異変や不調を見逃さないように、自分に関心を持ち、労る気持ちを大切にしてください。それこそが、乳がん克服の第一歩だと思っています。」(島田先生)

教えてくれたのは…ピンクリボンブレストケアクリニック表参道・島田菜穂子院長

放射線科専門医・日本乳癌学会専

放射線科専門医・日本乳癌学会専門医・認定NPO法人乳房健康研究会副理事長。国内でのピンクリボン運動の普及に寄与し、乳がんに関する知識の啓蒙に尽力。

取材/伊藤綾香 漫画/菜々子 再構成/Bravoworks.Inc