バブル期に「魔性の女」とワイドショーで呼ばれ…55歳の今だから語れる【本当の自分】

バブル時代の伝説のミューズ、通称“アッコちゃん”を知っていますか?彼女は林真理子著『アッコちゃんの時代』のヒロイン・アッコのモデルとなった女性。「バブルの象徴」と今でも語り継がれる存在である彼女が、今だから話せる「“アッコちゃんの時代”の真実」を語ってくれました。

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お話を伺ったのは…川添明子さん(55歳・フラワーエッセンスセラピーサロン「ALAIN」主宰)

現在は、可愛いお孫さんが二人いらっしゃるというアッコちゃんこと川添明子さん。実際にお会いした彼女は、魔性の女でもあざとい女でも媚びる女でも奔放な女でもない、ただただ自分に正直な人、という印象。北海道生まれのおおらかさ、たくましさに溢れたチャーミングな女性でした。

最初の結婚、そして離婚。 でも慰謝料も養育費も1円ももらっていません

今は19歳の次男と14歳の長女と一緒に大田区の一軒家に住んでいます。そう言うと「最初の結婚か、そのあとの恋人からのプレゼント?」と思われる人もいらっしゃいますが、自宅は自分で買ったもの(笑)。最初の離婚後に内縁関係だった方ともお別れし、女手一つで子どもを育てていくために知り合いの会社でバイトをし始めたんですが、その会社のストックオプションでまとまったお金が手に入ったときに思い切って購入しました。
訪れた人には「どちらの建築家にお願いされたの?」なんて聞かれることもありますが、建売住宅なんですよ。

私のポリシーは“デトックス”。体も肌も髪も余計なものを排出した上でないと上質なものが入らないと考えているので、自宅にも余計なもの、生活感あふれるものは置かない主義。すっきりとした空間にこそ、クリアなメンタルが宿ると考えています。
とはいえ、麻雀卓やホームシアターがある地下を合わせると3階分ある一軒家をメンテナンスするのは大変。地下は次男、1階は次女、3階のリビングダイニングは私が掃除担当。家事は子供たちにもきちんと分担してもらって3人家族全員で運営するのが、わたし流なんです。

別居後、長らく音信不通だった夫。 1本の電話で、彼に子どもができると知りました

2005年に出版された『アッコちゃんの時代』ですが、実は私は読んでいません。なんだか恐ろしくって(笑)。
林真理子さんには数回、取材を受けてお話しさせていただきましたが、その後文章をチェックしたりもしていません。たとえ私の周りに起きたことが題材になっている部分があるにしても、小説は作家のものですしフィクションですから。
林さんが私に興味を持たれていると最初に聞いたのは青山にあったバー・ゼファーのオーナーから。もともとは、消しゴム版画家でコラムニストのナンシー関さんがワイドショーか何かをご覧になって私のことを話題にされていたと聞きました。林さんのような作家の方にどうお話すればいいのかわからなかったのですが、自分なりに学生時代のことや元夫とのことなどをお話しました。

バブル当時。「イタリアでの1枚。見るもの全てが刺激的でした」

27歳年上の元夫は今思うと子供のような無邪気な人でした。別居してかなり経ちつつも法律上はまだ婚姻関係にあったある日、急に彼から電話があって。「誕生日占いをしてほしいんだけど」と唐突に言われてピンときました。私は少々占いもできるので、どうやら近々生まれてくる“誰か”の運勢を占ってほしかったようですが、彼がそんなことを言うなんて考えられる状況はただ一つ。
“コレがコレなもんで”というやつです。付き合っている彼女の出産日が近くなっていたんですよね。私は内心“妻に愛人の産む子供の運勢を聞くなんてどういう神経?”と思いましたが、とりあえずわかることを伝えました。なんだか嬉しそうにしていましたね(笑)。

どういうわけか、私の周りは大事なことはギリギリ土壇場にならないと伝えてこない男が多くて呆れています。と言うのも、今32歳の長男なんて気づいたら子どもが産まれていました。全部事後報告です。長男は元夫との間の子供ですから、血を引いているんでしょうか。私には理解不能ですね(笑)。

自分から仕掛けたことなんてゼロ。 気づくと「魔性の女」と呼ばれて

その昔、ワイドショーなどで「魔性の女」「バブルの悪女」みたいな言われ方をしましたが、高校時代の女友だちに言わせると「アッコは魔性ではなく“母”」なんだそうです。そういえば、私の一番のモテ期って23〜24歳の妊婦だったころ。一度出かけると何人もの方に声をかけられたものです。
私自身は男性に何かを仕掛けたりしたこともないですし、お金のために策略を巡らすなんてことを考えたこともありません。自分らしく、正直に、ありのまま生きていただけ。誰かを操ろうとしたことなんて一度もありません。
結果的に誰かに求められたり、存在が大きくなったりしただけで、そこに自分の意図はなく、ただただ受け止めていただけでした。運命や成り行きというのは不思議なもので、自分が思いもつかない方向に転がっていくことは止められない。気づくと大きな渦に巻き込まれていた、という感じでしょうか。でもそれも一つの時代だったのかなと思います。

撮影/峠雄三 取材/柏崎恵理

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