老化サインは「足」に出る! 40代の更年期不調や脳にも〝脚のセルフケア〟が効果的な理由とは?

最近、足のむくみや冷え、疲れを感じることが多くなっていませんか?実は、体の老化サインは足元に現れやすいのです。特に更年期に差し掛かる40代以降は、ホルモンバランスの乱れや血行不良が原因で足の不調が顕著になるそう。さらに、足の不調により毎日の歩行減少によって起こる、抑うつ傾向など脳や心への影響も見逃せません。足は「第二の心臓」とも言われ、適切なケアをすることで全身の健康をサポートすることができます。今回は、足の健康状態をチェックする方法や、簡単にできるセルフケアのポイントを足病医療専門病院の先生に教えていただきました。セルフケアを毎日の生活に取り入れることで、更年期の不調を軽減し、心身ともに健やかに過ごすための秘訣とは?! 40代からの健康管理は足元から始めましょう!

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教えてくれたのは・・・

久道勝也 先生

ロート製薬株式会社 CMO(最高医学責任者)/医療法人社団青泉会下北沢病院 理事長・医師
1993 年獨協医科大学卒業。同年に順天堂大学皮膚科入局。
2007 年ジョンズ・ホプキンス大学客員助教授。
2009 年よりヤンセンファーマ研究開発本部免疫部門長、アラガン社執行役員などを経て、2014 年よりロート製薬研究開発本部執行役員。19 年同社チーフメディカルオフィサー(CMO、最高医学責任者)に就任。
2016 年 7 月日本初の足病医療の総合病院として下北沢病院を設立。同院の理事長・医師を兼務、現在に至る。
2019 年 3 月大和書房より『死ぬまで歩きたい』刊行。5 月 20 日八重洲ブックセンター内にて元陸上競技選手の為末大氏と出版記念イベントを開催。
2020 年 12 月日経 BP より『“歩く力”を落とさない!新しい「足」のトリセツ』刊行。2023 年 6 月時点で60,000部を超え、韓国、台湾、ベトナムなどに翻訳されている。。

あなたはいくつ当てはまる? まずは自分の足の健康状態を簡単セルフチェック!

1つでも当てはまった人は、体の老化サインが「足」に出ているのかも?!

久道先生からの解説

乾燥など、足(脚)のちょっとした症状だけでなく、痛みすらも我慢したり放置したりしている人が多いけれど、足は1日数千回も地面に叩きつけられる体の中でも一番過酷なパーツで、そこの不調を放置するということは、それは発熱しているのに病院に行かないのと同じこと。エイジングが進む40代にとって、足の不調は全身のSOSサインになっていることが多く、体の負担や病気が、まず足(脚)に何かしらの症状として出てくることが多いと考えられているのです。

セルフチェックの結果はこちら当てはまった症状には、こんな原因や病気の可能性が潜んでいます!

①~⑩の症状は、加齢や更年期・出産などによるホルモンバランスの変化も含んだ複合的な理由の相互作用で発症したり、症状が悪化したりしていきます。

➡病院への早めの相談と、日頃の正しいセルフケアによる予防医療が大切です

久道先生からの解説

足の諸症状の原因は複合的であることが多いですね。間違った靴選び、加齢、更年期や出産などによるホルモンバランスの変化、体重の増加、運動不足などによる機能低下などがその原因は様々で、しかも同時に発生していることもしばしばです。 40代女性に焦点をあてると、更年期ころからエストロゲンの低下がはじまり、最初の5年でコラーゲンが約30%も低下するといわれています。筋力が落ちてくると、ふくらはぎが使えなくなって、むくみ・冷え…といった症状が出てきます。さらに体重増加や筋力不足で足の関節や骨への負担が増えると、足の裏のアーチが崩れ、 扁平足になりやすくなる。加齢とともに足のサイズが大きくなっていくのはしばしば扁平足が原因です。それ以外にも外反母趾や内反母趾などの変形も起こりやすくなるのです。 多少痛くても、「大したことない」と思い込まず、早めに病院やフットケアに相談することが重要です。そして、顔のスキンケアと同様に、日頃のセルフケアも大切にしてください。

脚の正しいセルフケアが、更年期不調や脳の老化予防にも効く?!

ライター笹が4つのセルフケアを実際に試してみました

まずは、しっかりアキレス腱のばし

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉と、踵の骨をつないでいる人体最大の腱です。「歩く力」を維持するためだけでなく、その伸縮する動きが下腿の静脈の血液を押し上げる大事なポンプ作用も担っています。アキレス腱の柔軟性は「足の健康の急所」ともいわれるほどの重要ポイント。しっかりケアをしておくことで、扁平足や足(脚)の血流低下など、あらゆる“不調”予防することができるのです。

“足裏のアーチを支える筋肉”を鍛える4つのセルフケア

1.アーチを引き上げる筋肉を鍛える

椅子に座り、足の裏はしっかり床につける。
つま先を少し外側に向けてから、小指とかかとを床につけ、親指側を浮かせる。
足の外側で床をこするように、足首を内側に向けて動かす。左右10回が目安。

【後脛骨筋トレ】

後脛骨筋はふくらはぎから足までつながり、足を内反させる(内側に曲げる)だけでなく、足のアーチを引っ張り上げる働きもある。

 

2.扁平足を防ぎ足の健康を保つ

【足底腱膜マッサージ】

扁平足にも足底腱膜炎の人にも良い方法。足裏をゆっくり反らす。そして、足裏をつかむようにして手のひらでよくもみほぐす。足底腱膜に過度な疲労がたまらないよう、片足ずつ行いましょう。目安は1分ほど。

3.動かせる足指にする

椅子に浅めに座る。足が膝よりも前に来るようにする。
足裏は床につけたまま、全ての足指をそらす。
そのまま親指だけを下ろす。ほかの指は反らしたままで、アーチを下げないようにする。
アーチはそのまま引き上げたような感覚で、親指以外の指も下ろす
床をつかむようにすべての指を内側に折り曲げ、そのままつま先を持ち上げる。左右各5回が目安。

【内在筋トレ】

内在筋とは、足首より先端に起始と停止がある筋肉。足指を動かす筋肉が多く。これらもアーチの安定に重要。

4.足指のストレッチとトレーニングを一気にする

「グー」5本の足指をすべて内側に折り込む。足指下の骨が、しっかり隆起するくらいに丸めこむ。
「チョキ」は親指だけ立てて、残りの指は内側に折り込む。チョキが難しいときは先にパーの形をやってみる。
「パー」できるだけ足指を大きく広げる。ヒールを履いた日などは特にしっかり行うとよい。

【グーチョキパー】

足のグーチョキパーも内在筋トレーニングの一つ。チョキは親指を下にする方法もできると良い。左右とも、グーチョキパーを10回ずつ繰り返す。

➡更年期前から始める足のセルフケアと正しい歩行で、全身の健康を守ることができます。

全身の不調は、実は足からのサインで気づくことが多いものです。しかし、足のむくみや痛みはつい後回しにされがちで、その結果、体調の変化を見逃してしまうことも少なくありません。セルフケアを怠らず、日々の変化に敏感になることで、さまざまな身体トラブルを未然に防ぐことができるのです。一度崩れた健康を取り戻すのは容易ではありません。だからこそ、更年期を感じる前から予防的なケアを心がけることが大切です。 歩行の見直しもセルフケアの一つ。全身の健康を維持するための重要なステップです。正しい姿勢で歩くことで、骨盤底筋が鍛えられ、更年期に多い尿漏れの予防に繋がります。また、毎日の歩行を維持することは、認知症予防にも効果があります。つまり、「足の健康」と「歩行の習慣」が、「全身の健康維持」に直結しているのです。 毎日、軽やかに歩ける自分を保つためには、足の適切なケアが不可欠です。STORY読者の皆さんは、ヒールを履くことも多いかと思いますが、今の自分に合った正しい靴を選び、正しいフォームで歩くことを意識しましょう。その一歩一歩が、これからの健康を支える大切な基盤となるのです。

今回伺ったクリニックは……下北沢病院

医療法人社団 下北沢病院
日本では唯一の”足と歩行の総合病院”。整形外科、形成外科、心臓血管外科、糖尿病内科、循環器内科、内科、皮膚科など様々な観点から足を診察、治療を行う。また足の人間ドック 「足の見えるか検診」を実施し、足の健康に対する意識向上に 貢献しています。
下北沢病院では、足の健康状態や不調を早期に発見するための「足の見えるか検診」を行っています。

世田谷区北沢2-8-16
03-3460-0300(代表)、03-3460-0021(予約専用)
理事長:久道勝也
詳細はこちらから: https://shimokitazawa-hp.or.jp

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