国仲涼子さん「子どもたちの乳幼児期、深夜のラーメンが救いでした」

2人のお子さんが小学生になった2024年、10年ぶりに連続ドラマへの出演を果たした俳優・国仲涼子さん。母になって以来、家族を優先していた数年間があったそうですが、思い返すと幸せな時間だったと語ります。今回はどんなときも自身を支えてくれたという、ラーメンのお話。

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俳優国仲涼子さんは……
ラーメンが好き！

❝熱々ごはんへの恋しさが募る子育て中の
乳幼児期、深夜のラーメンが救いでした❞

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具のない素ラーメンに
ホッとした夜がありました

沖縄で暮らしていた頃は沖縄そばが大好きでしたが、20歳で上京し初めて東京のラーメンを食べたとき、「こんなにおいしいものがあるの!?」と感激しました。以来気になるお店を見つけては、ドラマ撮影の合間にマネージャーさんと巡るのが楽しみに。1人暮らし時代、週に2、3回は通っていたと思います。結婚し長男を妊娠してからしばらくはラーメンを控えていたものの、8カ月を迎えた頃にうずうずしてしまって「ごめん、今日だけは食べさせて！」とお腹をさすりながら一風堂を訪れました。ラーメン、餃子、明太子ごはん……あのとき体に染み渡った味は忘れられません。

子どもたちが生まれてからの数年間は想像以上に大変で、ラーメンを食べに行くなんていう発想すら抜け落ちていたほど。疲れて子どもたちと一緒に寝落ちしてしまったある日の深夜に、ハッと目を覚まして夢中で素ラーメンを作ったことがありました。深夜にラーメンなんて、と多少の罪悪感がありながらも久しぶりに熱々の麺を食べ、ホッとしたのを思い出します。ご褒美だなあって。時が経ち、今年次男も小学生になり、いよいよゆっくりランチへ出かけられるようになりました。夫も家にいる日は、「今日は麺だね」と2人でラーメン屋さんへ。出来たてのラーメンを夫婦ですするなんて、たぶん家族でラーメン屋さんに挑み、子どもたちのケアをしているうちに私たちの麺が伸び伸びになった日以来です（笑）。一度離れてしまっても、子どもが成長したことでまた好きなことが戻ってきた喜びを、今静かに感じています。

子育てに向き合った10年間を
経て少しずつ仕事に復帰中

昨年の秋、『3年C組は不倫してます。』（日本テレビ系）という作品で、産後初めて連続テレビドラマに復帰しました。約10年ぶりです。長い時間をかけて作品を作る現場に戻れたことが嬉しく、一日一日を嚙み締めながら演じ切りました。2人とも小学生になったタイミングで少しずつ仕事に復帰することは、夫婦で話し合って決めていたことです。小学生になれば子どもたちも以前よりは手が離れると思ったし、私も少しずつ子離れの準備を始めようかなという思いもあったから。実際は手が離れるどころか、毎朝「靴下はいて！」と100万回言い続けるそばで、兄弟で靴下を投げ合う毎日……男子の朝の靴下問題って、どうすれば解決するんでしょう（笑）。

けれどそんな2人の心の成長を感じる瞬間も増えました。学校で過ごす時間が長い分、母の知らぬところで息子たちなりの葛藤もあり、言いたくないであろうことも出てきたように思います。そんなとき机越しに面と向かうと一向に話してくれませんが、夜寝室で電気を消した途端、その日の出来事をたくさん話してくれるんです。「あの子のこと、もしかしたら傷つけちゃったかもなあ……」「今日○○とこんなことで笑ってさ〜」。この数分間に息子たちの本心が見える気がして、しっかりと耳を澄ませていたい大事な時間です。自立を感じる嬉しさ、離れていく寂しさ、1人の人間として子どもたちを捉えなければならないのだという難しさ、いろんな感情が巡る今。私も精一杯仕事をし、再び軸を立てることで、家族をより尊重できるのだと思っています。