金子恵美さん(47)不妊治療7年目…「妊娠出産はリミットがあることを声を大にして伝えたい」

政治評論家やコメンテーターとして大活躍されている金子恵美さん。凛とした眼差しや、ハキハキとした語り口調はテレビで拝見する通り。インタビュー中はとてもチャーミングな一面や、豪快な一面など、様々な表情を見せ、スタッフへの気配りも欠かさない。そのお人柄に女性ファンが多いのも納得です。夫である宮崎謙介さんと、同じ方向を向いているからこそ続けられているという不妊治療について伺いました。(第3回/全3回)

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金子恵美さんprofile

1978年生まれ。新潟県出身。早稲田大学卒業後、新潟放送勤務を経て、村長だった父の意志を継ぎ2007年に新潟市議会議員選挙に立候補し当選。その後、2010年に新潟県議、2012年に衆議院議員となる。2015年に同じく衆議院議員だった宮崎謙介さんと結婚を発表し、翌年男児を出産。10年間の議員生活を経て、政治家を引退し、現在は政治評論家やコメンテーターとしてメディアで活躍されているほか、企業顧問としても精力的に活動。

不妊治療の辞め時についても夫婦でよく話しています

STORY編集部(以下同)ーー不妊治療をされていることを公言していらっしゃいます。ご夫婦でどのように話し合われ、取り組まれていらっしゃるのでしょうか。

不妊治療のことを以前取材でお話ししたところ、周りからも不妊治療していたんだねと声を掛けられるようになりました。やっぱり働く女性や同世代の女性は、不妊治療に対する関心が高いんだなと感じました。

1人目は自然妊娠でしたが、38歳になる直前に出産したので高齢出産でした。当時まだ議員だったので、仕事柄、体に負担も大きいだろうということで気をつけるように注意されていたのですが、結局、切迫早産で直前で入院することになって。私自身、働きながら妊娠出産をするというのは大変なリスクがあるということを身をもって感じたんです。

そういう経験もあったからか、他の女性からも妊娠中の不安や「そもそも妊娠になかなか至らない」「不妊治療をしているが経済的な理由で非常に負担が大きい」「でもやっぱり欲しくて諦められないんです」というような相談をよく受けています。

不妊治療は妊娠に至るまでに色々なプロセスがあって、タイミング法、人工受精、さらに体外受精とステップが上がっていくんですが「なんで次のステップに上がらないといけないんだろう、なんでできないんだろう」っていうのは私もずっと思い続けていました。それでもやっぱり欲しいという気持ちの方が強いから、前を向くしかないと自分自身に言い聞かせています。前を向けるかどうかというのは、これはもうパートナーのケアというか理解があるかどうかが大きい気がしますね。宮崎は前向きな人間で、私の気持ちの部分だけでなく、体の部分も結構ケアしてくれているので、そこでなんとか、もう1回チャレンジしてみようかな…と思えて続けている感じです。私は今3件目のクリニックなので、色々と本音で話せて信頼できる先生に出会えるかどうかというのも大きいかもしれないですね。

不妊治療はかれこれ7年近く続けていて金銭的な負担はもちろんありますが、まだ2人目が欲しいという気持ちが勝るので、可能性が1パーセント、0.1パーセントでもあるのであればチャレンジし続けようと思っています。やめるのはいつでも出来ますしね。とはいえ、物理的に妊娠はもう絶対無理、というリミットはあるし、今47歳なので、そこを自分で見極める時はかなり近くに来ているのかなとは感じています。

講演でも色々なところで口酸っぱくお話ししているのですが、女性には、この妊娠出産という問題に関してはリミットがある、ということを意識してほしいなと思っています。キャリア形成ももちろん大切だけど、ライフプランの中に妊娠出産を組み込むならば、常に適齢期というのはあるんだということを意識していた方がいいよ、と。私自身が遅かっただけに、声を大にして伝えたいですね。

ーー不妊治療を7年続けられているなかで、お気持ちの変化はありましたか。

そうですね。やっぱり期待値は自分の中で確実に変わってはいますね。不妊治療を始めたばかりの頃、既に40歳手前だったので可能性としては既にそんなに高くはなかったと思うんですが、それでも今よりはまだ確率的に高いと思っていたし、できるものだと思っていたんです。今は先生とも「45歳を超えて、可能性は1パーセントあるかどうかという状況で1回1回落ち込んでいてもしょうがない」「そりゃそうだよね、むしろできたらすごいことですよね」って話しながら進めているので、最初の頃よりちょっと気が楽になってはいます。

不妊治療の辞め時についても夫婦で話し合ってはいますよ。経済的な理由でもう無理だね、となった場合も1つの区切りだし、卵子がもう1個も取れません、となったらそこでもう終わりですし。夫は最近よく「息子がいるんだから3人の生活をより楽しくしていければいいよね」と言っていて、息子が独り立ちした時には2人で海外に住もうか、それはそれで楽しいよね、とか、夫婦で色々と話はしています。

今は政治に戻るよりも、コメンテーターとして永田町と国民の橋渡しがしたい

――国政に戻られるおつもりはないのでしょうか?

この数年、コメンテーターとしてメディアで発信させていただけることの意義をとても感じていて。もちろん政治は、国会ではより良い社会の為の法律を、地方議会ではその地域に必要なルールや条例を作り、政治家はそのルールメーカーとして尊い仕事ですが、私の立場でできることは何かと考えた時に「そのルールを作る前提となった問題は何なのか?」とか、社会で何かおかしいことが起きている時に、皆さんに「当たり前に思っていたけれど、これダメなことなんじゃないか」と気づいてもらうために声を上げる。そして、国民が感じている不満を、私がテレビで言うことだと思うんです。例えば最近話題になった減税や現金給付の話も「なんで一生懸命働いて稼いだお金をこんなに税金で取られてるんだろう」「政治家は給付っていう形でお金を出そうとするけど集めたお金を配ってるだけだよね」って国民は思いましたよね。現役世代や若い人たちは、稼いだお金をできるだけ減らしたくない、手元に残したいと思っているんですよ。

政治のことも分かっていて、永田町の中の人とも繋がっているからこそ、橋渡しができるんじゃないかなと。政治家を引退し、皆さんに近い国民の1人として、私自身も感じているところはもちろんあるので、こういう発信の仕方に意義があると思っています。今でもやっぱり「自民党」とか「アベチルドレン」と見られることもありますが、それでもフラットに「なんか自分たちと同じこと考えて言ってくれてる」という声も聞こえてきていて、私の意思が伝わっているなとも感じるので、今すごくやりがいというか社会的な意義を感じてコメンテーターをやっています。

それに加えて企業の社外取締役を務めさせていただいているのですが、役員の立場をいただきながら、会社経営に関わるっていうことの学びも多いですね。実社会を知っているからこそ、コメンテーターとしても地に足のついたコメントができ、一方政治経験者だからこそ、民間の中の「もっとこうしたらいいのに」という、例えば、政治の中の制度をもっとうまく利用すれば経営改善を図れるのにな、ということなどに繋げていけると感じています。

表面的な話じゃなく、現実的かつ具体的なところに落とし込んだ話っていうのは、やっぱり実際に見ていないとわからないところですよね。政治に戻るというよりは、そこの部分に力を入れていきたいなと思っています。今の立場だからこそ政治家側にも伝えられるし、コメントをする上でも、実生活に基づいて国民に寄り添ったコメントができる。様々な企業の社外取締役にもどんどんチャレンジしたいと思っています。

キャリアか家庭かで悩む女性を減らしたい

ーー今の日本では女性に多くのことを求められていますが、金子さんは「女性が仕事と家庭を両立しながら輝くことができる社会」はどうすれば実現できると思いますか

日本社会では女性活躍をうたい、社会において指導的立場の女性が増えていくことを目指していますが、家庭においても妻として母としても頑張り、そのうえ社会での活躍も求めるというのでは、なんでもかんでも女性に押し付けてはいないでしょうか。女性が社会で活躍するには、まずは夫やパートナーからの理解・協力が不可欠です。もちろん個々の家庭、夫婦間やパートナーとの関係性によって事情は違うと思いますが、その後押しとなるような男性の育休をはじめ、両立支援制度によってサポートしていかなければなりません。

キャリアか家庭かで悩む女性も多いと思いますが、私はどちらも取ることが社会の当たり前になってほしいし、女性に何かを諦めてほしくないと思っています。今この世代の女性たちが声を上げて会社とかパートナーに訴えかけることで、自分たちの下の世代、子どもの世代がもっと楽に、無理せずに輝けたらいいなと。

ただ気をつけるべきことは、女性が皆指導的立場に立つことを望んでいるわけではないということ。子どもを産んだ後は時短で無理せず働きたい、育児家事に専念したい、そういう選択もちゃんとあるべきだし、女性活躍を無理強いさせるべきではないと思うんです。さらに言えば、家庭も仕事も諦めたくないし指導的立場に立ちたいんだっていう人が、実現出来るような環境になってきたとはいえ、今度はやっぱり頑張りすぎたり無理をしてしまって、女性の健康を損ねたり、それがきっかけで不妊治療に繋がったりしたら元も子もありません。女性活躍と女性の健康は両輪であり、女性が自分の体の変化・健康に目を向ける意識付けもしていかなければなりません。

ーー弊誌は読者の2nd STORY(セカンドストーリー)=「40代からの第二の人生」を応援する雑誌です。2nd STORYを踏み出すことに躊躇している読者にメッセージをお願いします。

読者の皆さんが、これまで生きてきた中でそれぞれに経験してきたことはそれ自体とても価値があるものだということをまず認識して欲しいです。自分では気づいていないかもしれないけど、仕事での経験・家庭の中の家事や育児を通しての学びは大きな価値があります。それこそが財産だと思うんです。その時々に自分なりに試行錯誤したり、時には失敗して、また何かをもう1回やろう、と乗り越えてきたことというのは絶対に自分の力になっていると思うので、「自分にできるのかな」と躊躇したり不安に思う気持ちも当然ですが、これから第2の人生で何かやりたいと思っているのであれば、自信を持って果敢にチャレンジして欲しいですね。

衣装協力:ワンピース¥21,000ニット¥12,000パンプス¥35,000(すべてバナナ・リパブリック)イヤリング¥6,820〈イットアトリエ〉ネックレス¥59,400〈アナプノエ〉バングル¥363,000ダブルフィンガーリング¥49,500〈ともにモニス〉ブレスレット¥8,580〈サローネ サーティ〉リング¥22,000〈ミチ ウィルウェイ〉(すべてフォーティーン ショールーム)

SHOPLIST
バナナ・リパブリック br_info@bananarepublic.jp
フォーティーン ショールーム 03-5772-1304

撮影/中田陽子 スタイリスト/栗尾美月 ヘア・メイク/陶山恵実 取材/渡辺景子

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