【JJ創刊50周年記念】新連載♡ 【JJ昭和レトロ学園】「レッツチャット」グッズ10選 アメリカンポップなアヒルの虜に!:前編

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『JJ』が2025年で創刊50周年を迎えたのに合わせて新連載をスタートします! この「JJ昭和レトロ学園」では、令和の今でも思わず「かわいい♡」とキュンとときめいてしまう1980年代のファンシーキャラクターに注目♪ ’80年代を中心としたレトロでかわいいガーリーカルチャーの魅力を日々発信し続けている”ゆかしなもん”さんを先生に迎え、当時のファンシーキャラクターについて気になることをあれこれ質問して、たっぷり教えてもらいます! そんな特別授業の第1回はアヒルのキャラクターがかわいい「レッツチャット」(1980年頃登場/ソニー・クリエイティブプロダクツ)をピックアップ。「新鮮♡」と今回初めて知る現役JJのみなさんも、「懐かしい♡」と当時を知っている昭和・平成のJJ OBのみなさんも一緒にお勉強していきましょう♪

「レッツチャット」ってどんなキャラクター? まずは歴史からチェック

ゆかしなもん先生:こんにちは!今日はアヒルのキャラクター「レッツチャット」についてお話していきます~!

令和JJガール:よろしくお願いします! 先生、色使いといい、ゆるい表情といい、もう第一印象からかわいすぎます!これは外国のキャラクターなんですか?

ゆかしなもん先生:1980年初頭に登場した日本生まれのキャラクターなんですけど、アメリカンな雰囲気がありますよね。それもそのはず、このキャラクターをつくったソニー・クリエイティブプロダクツという会社が、当時アメリカのデザインや文化を日本に取り入れようとしていた背景があるんです。

令和JJガール:ソニーというとレコードの会社ですよね?

ゆかしなもん先生:そうです。厳密に言うと、旧CBS・ソニーの関連会社としてグリーティングカードの事業をしていた会社です。アメリカ本社への出入りも多く、本場のグリーティングカード産業に触れてアメリカのデザインや文化を日本に取り入れようとしてグリーティングカード事業をスタート。そここから、カードのデザインに関わる日本のイラストレーターさんの絵を生かしたグッズの販売を始め、そこで生まれたのが「レッツチャット」なんです。アメリカ文化を取り入れたおしゃれなキャラクターということで、時代にもマッチして一気に人気に火が付きました。ちなみに、日本人男性のイラストレーターさんが生みの親のようですよ。

令和JJガール:「レッツチャット」にはどんなキャラクターがいるのですか?

ゆかしなもん先生:アヒルの「パッツィーダック」とペンギンの「ぺンジャミン」が主なキャラクターです。実は当初は「アヒルとペンギン」という名前でした。のちに「レッツチャット」に変わったんです。昔はよくありがちだったのですが、急にキャラクターが増えたり、デザイナーさんが変わるごとにストーリーが新たにできたり。なので、リボンをつけた女の子ものちに登場したりしました。

令和JJガール:ペンギンのペンジャミン! ゴーグルを付けている子ですね。かわいい。アニメがあったわけじゃないんですか?

ゆかしなもん先生:集英社の『週刊マーガレット』で、漫画の連載もありました。アメリカの4コマ漫画みたいな感じで、とてもお洒落な漫画だったんですよ。私も当時読んでいたのですが、作者がピーター・コークというお名前だったので外国の人が書いていると思っていましたけど、日本人の方のペンネームだったようです。とにかくこの漫画も人気でしたし、東芝の電化製品のキャラに採用されてテレビCMに登場したりして、当時のティーンの女のコの心をわし掴みに広がっていきました。

令和JJガール:電化製品まであったんですか?

ゆかしなもん先生:当時の女のコの憧れ、クルクルドライヤーやカーラーに「レッツチャット」のイラストが入っている商品などが販売されて、しかもそれをCMでアイドルの西村知美ちゃんや岡田有希子ちゃんが使ってということもあり、いっそう憧れられたアイテムでした。

ゆかしなもん先生セレクトの「レッツチャット」アイテム10選!!

「♪眠いの~眠いの、眠いの~ぉ」とレッツチャットの声で起こしてくれる

①目覚まし時計

「♪眠いの~眠いの、眠いの~ぉ」としゃべるアラーム。「当時このような目覚まし時計は高額で、5000円くらいで販売されていたと思います」(ゆかしなもん先生)

ゆかしなもん先生:目覚まし時計です。なんと、アラームが電子音ではなく、しゃべるんですよ! 楽しくて何度も聞きたいがために無駄にアラーム設定してしゃべらせていました。

令和JJガール:演出がすごく細かい! しかもこんなにキャラクターの立体デザインの時計ってなかなかないですよね。

ゆかしなもん先生:そうなんです。立体物をつくるのにはお金がすごくかかるので今ではあまりみかけませんよね。この時代は立体デザインもたくさんあって、お金がかかってたんですよ。

中のデザインにもこだわりが詰まっている!

②缶ケース

当時価格880円

ゆかしなもん先生:こちらは缶のケースです。持ち手もあったり中にはプリントもあったり、凝ったつくりになっています。当時って、こういう類いの缶ケースがやたらあったんですよ。小物入れにしたり、カセットテープケースにしたりという使い方をしていましたね。これが部屋にあるだけでもうお洒落! いわゆる見せ収納です。お部屋のセンスが一気に増すんですね。当時は女のコの部屋づくりを本や雑誌で紹介をすることが流行ってて、そういうマイルームづくりに命を懸ける女子がまさにお洒落なお部屋づくりを叶えるためのアイテムでした。

キャラクター型に作られたティッシュには手間と愛情が詰まっている

③ポケットティッシュ

当時各50円

令和JJガール:こんなかわいいティッシュがあるなんて! ダイカットデザインのティッシュなんて、見たことない。使うのもったいないって思っちゃいそうです。

ゆかしなもん先生:そうなんです。だから当時も結局大事にしすぎて使えないっていう(笑)。でも開けちゃったら、この1枚ずつをお友達の物とトレードするという文化がありました。なぜかというと、ティッシュ1枚1枚にプリントされていたり、香り付きだったりして贅沢なんですよ。

令和JJガール:ええー! 手が込んでますね。どんな香りかも気になります。しかも1つ50円ですか? 1個売りしているティッシュは初めて見たかも。

ゆかしなもん先生:1個で売ってるなんてなかなかないですよね。そして香りですが、甘ーいイチゴのような……でも今ではめったに嗅がない香りかもしれない。それゆえ嗅覚に訴える懐かしさがあります。これを嗅ぐと当時の自分に一瞬にして戻れるので定期的に嗅いでます(笑)。

令和JJガール:(笑)どんなときにこのティッシュを使ってましたか?

ゆかしなもん先生:遠足や修学旅行など特別な日に持って行ったり、もちろん普段使いも。持ち歩くものは最強にかわいいもので一軍を固めたい乙女心があるわけです。お友達に見せたときにセンスいいねと思われたいですしね。なので、ティッシュはめちゃくちゃ持ってました。たくさんの種類がありコレクションしやすく、部屋に並べて愛でるという楽しみも。未開封でも、パッケージを押すと隙間から漏れ出る香りを楽しむという技もありました。そんなティッシュをスーハー嗅いでは癒やされていた私。合法的な麻薬と言っても過言ではない中毒性すらありました(笑)。

令和JJガール:嗅いでみたい!(笑) 先生の世代のみなさんは、ティッシュを見たら香りの記憶がよみがえりそうですね。

ゆかしなもんさん PROFILE 

1975年生まれ。1970〜’80年代の文具・玩具・漫画・アイドル・映画・音楽など、昭和のガールズカルチャーを懐古し、SNSなどで発信している「昭和的ガーリー文化研究所」所長。膨大なコレクションを紹介した著書の数々や80年代のガーリーカルチャーの入門書『ゆかしなもんの’80sガーリーカルチャーガイド』(グラフィック社)が話題に。

昭和的ガーリー文化研究所 ゆかしな所長 Instagram

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※掲載している商品は全てゆかしなもんさんの私物で、現在は販売されていません。

撮影/山下忠之 取材・文/加藤文惠 編集/齋藤菜月