【米高校留学リアルレポ】語学力の壁も『理数系に救われた』今は物理と音楽が軸に

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海外留学を選択する子どもが増えている今、気になるのはその先で何を学び、どんな力を身につけていくのか──。子ども本人のリアルな体験談をお届けします。

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「留学で開けた進学観。現在は物理と音楽“ダブルメジャー”」

⽚平凌悟さん(21歳)Ryogo Katahira
アメリカ/The Cambridge school of Weston卒業

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1年足らずの準備期間を経て中3の9月から、アメリカの高校へ9年生として入学。小学校では児童会長や聖歌隊長を務め、3歳から大学付属の音楽教室でピアノを専攻。活発で社交的な僕でしたが、語学の壁で思うような表現ができなくなり、初めて挫折のような気持ちも味わいました。その苦しい期間に助けとなったのは日本の優れた教育がアドバンテージとなった理数科目。“理数”の自信と大好きな“音楽”は僕のアイデンティティとなり、今につながっています。また受験で点を取るためではなく、考え方を鍛え、知識を広げることに注力した学校独特のカリキュラムにより、幅広いことを身につけ、学びたいと思う意欲が湧き、その結果、大学でもさまざまな機会に恵まれる学生生活を送ることができていると思っています。

 

大学はリベラルアーツカレッジ〔※1〕を選び、現在は物理と音楽を専攻しています。大規模な大学とは異なり、教授と一緒に研究ができるなど、色々な人と関係が築けるアットホームな環境。将来は物理を生かした選択になると思いますが、音楽も専攻として学術的に追究できるのは今の環境ならでは。救急救命士の資格をとって、学校運営の学生団体でバイトを兼ねて活動するという貴重な経験も積んでいます。多くの可能性を持ちながら将来を模索できる、恵まれた環境を作ってくれた両親には感謝しかありません。僕はそれを社会に還元できるようになることが務めと思っています。

※1 主にアメリカにある小規模な私立大学。専攻を入学時から固定せず、人文・社会・自然科学からアートまで幅広く横断して学び、個人と社会の双方の幸福へ貢献する幅広い分野の探究を深める教育が行われている。

留学プロフィール

幼稚園〜中学3年生(3歳〜)都内私立一貫校(中学3年生で退学)
高校(15歳〜)アメリカ/The Cambridge School of Westonの9年⽣に⼊学
大学(19歳〜)アメリカ/Amherst College 在学中専攻は物理と音楽のダブルメジャー

アメリカの高校に留学したきっかけは?

幼稚園から一貫校に通い、順当にいけば国内の大学で目指すなら“ここ”と思い描く進路を抜け、留学へと気持ちが向いたのは、中学2年の夏休みに参加したアメリカのサマーキャンプ。翌年からの高校入学を目指して急ピッチで準備しました。

寮生活はどうでしたか?

入学当初は生徒の30%が寮生活。特に中国の生徒が多く、日本以外のアジア系の生徒は国ごとに固まりがちでした。直後のコロナ禍で一時閉鎖となるも、再開した際に米国内の生徒が増え、多様性のある環境になりました。本当に仲のいいコミュニティもでき、居場所と思えたのはこの頃から。

高校での勉強はどうでしたか?

最初はついていけませんでした。特に人文系。対話や思考のプロセスをベースにするアメリカ式の授業で、わかっていても語学力が伴わず表現できないジレンマがあった中、救われたのは理数系。日本の理数教育のアドバンテージのおかげで自信が持て、モチベーションとなりました。

留学生活で辛かったことは?

最初の1年の語学力。本来は積極的でリーダーシップも取れる性格ですが、言葉で表現できない時期は本当に辛かった。コロナ禍前は勉強についていくことに必死でホームシックを感じる隙もなかったのですが、一時帰国から再渡米する際は「行きたくない」と、母に弱音を吐きました。

高校での一番の思い出は?

課外授業で取り組んだミュージカル。アメリカでは授業の一環としてスポーツや芸術など幅広いジャンルから学期ごとに選択でき、もともと職業にしたいくらい音楽好きな僕には大きな刺激でした。語学力がついてからは、客観的、批判的に捉える歴史の授業が一番楽しくなりました。

MOTHER’S VOICE

いずれ留学を、と思っていましたが、想定より早い息子の決断。でも思い立った時に実現させてあげようと準備に精一杯で寂しがる余裕もありませんでした。離れている期間が長い分、会うたびに語学以外の成長にも喜びがあります。苦労もあった海外生活ですから、選択肢をたくさん持って好きな人生を謳歌して欲しいと心から願っています。

ハーバード大学でのサマースクールアメリカ最古かつ大学図書館の中で世界最大規模と言われるハーバード大学の図書館では、毎日沢山の学生が勉強に通い大いなる刺激に。

高校でのミュージカル活動「Pippin」の演目で主役を演じた貴重な経験も。裏方も全て生徒が務め、皆んなで創り上げたステージは一生の思い出となりました。

米国の国家資格・救急救命士の資格取得学内の怪我や体調の異変に対して、3人1チームでシフトに入るローテーションで学生救急救命士が出動。そのお給料をお小遣いにしています。

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取材・文/鍋嶋真伽 イラスト/ボンジュール トモコ 編集/磯野文子
*VERY NAVY 4月号「私たちの“留学リアル”」より抜粋。詳しくは2026年3/6(金)発売VERY NaVY 4月号に掲載しています。