永作博美さん(55)「アラサーのとき、突然自分の芝居がつまらなく感じた」【ドラマ『時すでにおスシ!?』主演】
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20代のころから幅広い作品に出演し、俳優として確かなキャリアを築いてきた永作博美さん。放送中の主演を務める火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』では、“普通のお母さん”役を好演しています。そんな永作さんですが、デビュー当時は演技をすることが嫌で仕方なかったんだとか。それが一転、お芝居の面白さに目覚めたきっかけとは何だったのでしょうか。人生に悩むアラサー世代に向けたアドバイスも必読です。
Profile
1970年生まれ。茨城県出身。高校生のころからバラエティ番組に出演。1989年、アイドルグループ・ribbonのメンバーに抜擢され、1993年に歌手としてソロデビュー。その後、ドラマ『陽のあたる場所』(1994年)で本格的に俳優としての活動を開始。映画『八日目の蝉』(2011年)で第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。今回、TBS系火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』で共演する松山ケンイチさんとは、映画『人のセックスを笑うな』(2008年)以来、18年ぶりの共演となる。
高校生でテレビ出演を果たすも「私は正直、数合わせだったと思う」
――高校生のころから、テレビ出演をしていた永作さんですが、芸能界に進むつもりはなかったんですよね。それは一体、どうしてなのでしょうか?
最初に所属していたのが、わりと大きめなグループだったんですけど、周りには私よりずっとキラキラした子たちがたくさんいて。みんな若くて前向きだし、自分をアピールするやる気もあるし。今は、あまり年齢は関係ないですけど、当時は10代でデビューする人が多かったので、グループの中でも年長の自分に出る幕はないだろうと思っていました。そのグループも自分からやりたいというより、誘われてなんとなく入ったという感じでしたし、正直私は数合わせだったと思います(笑)。ただ、歌うことは大好きだったので、歌える環境をいただけることはありがたかったですね。
自分の心の叫びをセリフに込めたとき、芝居の面白さに目覚めた
――歌手としてキャリアをスタートさせてから、俳優へ転身されるまでには、どんないきさつがあったんでしょうか?
実は私、初めてお芝居をする機会をいただいたとき、嫌で嫌で仕方なかったんです(笑)。「私は歌を歌いたいのに、なんで演技をしなきゃいけないんだ!」という気持ちで。どこか恥ずかしいことだと感じていたんですよね。ただ、現場に放り込まれたら、もうやるしかないですから。でも、自分の演技が見せられるものじゃないこともわかっているんです。まるで溺れているような感覚で、もがきながらも息を吸うために這い上がろうと必死でした。あの頃は、常に自分と戦っていたような気がします。
――最初は「嫌で仕方なかった」というお芝居ですが、ここまで俳優を続けられているということは、なにか面白さに気付くきっかけがあったのでしょうか?
20代前半のとき、舞台の稽古中に演出家から突然「それでいいんだよ!」と、褒められたことがあったんです。ただ、そのとき私は、自分の「なんでこんなことしないといけないんだ!」という怒りや心の叫びを、そのままセリフに込めただけだったんです。役柄とはまったく関係ない、個人的な思いだったんですけど、それでも「感情を爆発させるってこんなに気持ちがいいんだ!」と心の底から思えて。たぶん、本当に嫌だったからこそ、一気に“針”が真逆に振り切ったんでしょうね。そこから、お芝居の面白さにハマっていったし、幸いなことにオファーをいただく機会も増えたので、役者の道に進んでいくことにしたんです。
アラサー世代のとき、突然自分の芝居がつまらなく感じた
――永作さんが、CLASSY.読者と同じアラサー世代だったころのお話も伺いたいです。当時、ご自身の人生に悩みや葛藤は抱えていましたか?
まさにアラサー世代のとき、このまま俳優を続けていくかどうか悩んだ時期がありました。それまでは、いろいろと模索しながらも楽しんでやっていたんですが、20代後半のあるとき、ふと自分の芝居がつまらなく感じてしまって。私自身が、面白いと思えてないんだから、見ている人にも絶対に伝わっていたと思います。もしかしたら、自分にはこの仕事は向いていなかったんじゃないかと、ずっと悩んでいましたね。
――その葛藤は、どうやって乗り越えたのでしょうか?
そのころはもう、私の気持ちだけで何かを決められるような状況ではなくて。先の仕事も決まっていたし、とにかく、できる限り精一杯のことをやって、淡々とこなしていくしかありませんでした。本当に苦しかったし、心も身体も硬くなっていたと思います。でも、そこで我慢して続けたことが、結果としてはよかったんですよね。少しずつ楽しさを取り戻していけたし、30代で一気に結果が出るようになった時期もあって。ひとつの壁を乗り越えられた実感がありました。
できる我慢はしてみたほうが、自分の成長につながる
――もし、アラサー世代のころの永作さんと同じような悩みを抱えている後輩たちにアドバイスをするなら、どんな言葉をかけてくださいますか?
悩んだり葛藤したりしているときに、何かを簡単に決めないほうがいいと思います。これは私の経験から言えることなんですが、我慢して苦しんでいる時期が、いい意味で反動になって、一気に弾むときが来るはずです。すぐに結論を出そうとせず、様子を見る時間も必要だと思います。
――永作さんご自身もそうやって、これまでいろいろな壁を乗り越えてきたんですね。
やっぱり、苦しくてもがいているときにこそ、ステップアップができるんですよね。壁を乗り越えないまま進んでしまうと、自分自身も成長しないと思います。たとえ諦めるにしても、「ここまでは頑張ったから」と自分で納得できる要素が必要だと思うし。あとから冷静に振り返ってみると「そんなに大した悩みじゃなかったな」なんてこともよくありますからね。できる我慢はしてみたほうが、自分のためになるんじゃないかなと。ふわふわと身軽でいるのも楽しいですけど、ひとつの場所に根を張ってみるのもいいんじゃないかと、私は思います。
Information
火曜ドラマ『時すでにおスシ!?』(TBS系・毎週火曜22:00〜)
スーパーの正社員として働く待山みなと(永作博美)は、14年前に夫が不慮の事故で亡くなってから息子の渚(中沢元紀)を一人で育ててきた。渚が社会人になり家を巣立ったことをきっかけに、みなとはひょんなことから鮨アカデミーへ通うことを決意。そこで出会ったのは、ある事情から人と関わることを避けている鮨アカデミーの講師・大江戸海弥(松山ケンイチ)だった。大江戸や、個性豊かなクラスメイトたちとの交流のなかで、みなとは「自分のために」第二の人生を歩み始める。
トップス¥28,600パンツ¥31,900(ハイク/ボウルズ)イヤリング¥55,000チャーム¥44,000(ともにアガット)
【SHOP LIST】 ボウルズ 03-3719-1239 / アガット 0800-500-5000
撮影/島津美紗 ヘアメイク/重見幸江(gem) スタイリング/岡本純子 取材/近藤世菜 編集/越知恭子