俳優・田中麗奈さん 育児と仕事の再構築「この仕事をやりたい。どう実現するか?」という発想に切り替えた
凛とした佇まいに、しなやかな美しさが宿る田中麗奈さん。芝居へのひたむきな情熱を原動力に、俳優として確かな存在感を放つ田中さんへ、仕事観や母としての想い、そして今見つめる“幸せのかたち”を伺いました。
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大きくなる娘の背中に、ふと寂しさを感じる瞬間も
最愛の娘が、今年からようやく小学生に。女の子だからか、成長の早さに日々驚いています。もっと小さい頃は、「この子の命を守らなきゃ」という責任感で、いつも手を繋いで歩いていたし、ちょっとでも危なっかしいことがあると鬼のように怒っていたんです(笑)。
常に気を張って過ごしていた毎日から、最近は少しずつ手が離れてきて、怒ることも随分減りました。成長への嬉しさと同時に、どこか寂しさも感じていますね。
小学生になってからは、幼稚園時代より帰宅時間が早くなり、「前より大変かも!?」と思うこともしょっちゅう(笑)。撮影やイベントで土日も仕事が入ることもありますが、休日は可能な限り娘との時間に集中できるよう、周囲の協力を得ながら調整しています。
いつか娘と、お芝居について語れる日を夢見て
娘は天真爛漫でありながら、繊細なところもある性格。まだまだ甘えん坊で、毎晩ベッドで手を繋いで一緒に眠っています。私が俳優であることも理解していて、以前は「将来はママみたいになる!」と言っていたのですが……今はお花屋さんになりたいそうです(笑)。
いつか、一緒にお芝居の話をしたり、何かアドバイスできる日が来るのかも?なんて、そんな未来を想像することも。娘との未来に夢を膨らませることが、原動力のひとつになっている気がします。
”やりたい仕事”を叶えるため、子育ての環境を再構築!
子どもの成長に合わせて、仕事に集中できる時間も少しずつ増えてきたと思います。出産直後はどうしても、すべてのオファーに応えることが難しく、”仕事を控えている人”という印象になることが苦しかった時期も。
当時は仕事が入ると、まず娘を見てもらえるかどうか家族に確認しなければいけなかったんです。大好きな仕事なのに、受けるかどうかの判断軸が自分ではない。その状況にもどかしさを感じていました。
そこで、「この仕事をやりたい。そのためにはどうすれば実現できるか?」という発想に切り替えるように。今では大分、イレギュラーにも柔軟に対応できる環境に近づいてきたと思います。
仕事も子育ても、”自分らしいカタチ”を模索して
そんな中、仕事を理解して支えてくれる人たちとの出会いにも恵まれました。今は、幼稚園時代の親しいママ友に娘を見てもらったり、シッターをしているママ友に仕事としてお願いしたり。娘にとっては、お友達の家に遊びに行くのと同じ感覚なので、何の心配もなく預けられるのが本当にありがたくて。
そうした出会いに救われて、子育てをしながら働くための土台がようやく整ってきました。信頼できる人に頼ることの大切さを、改めて実感しましたね。
“仕事と子育ての両立”は、私にとって永遠のテーマ。だけど、両立を目指すからこそ面白いと思うんです。大切なのは完璧にこなすことではなく、どちらにも愛を注ぎながら、自分の心地よいバランスを見つけていくことなのかなと。つまずくたびに軌道修正しながら、どちらも諦めずに進んでいきたいです。
田中麗奈さん profile
1980年生まれ、福岡県出身。1998年に、映画『がんばっていきまっしょい』で初主演を果たし、日本アカデミー賞主演女優賞をはじめ、数々の新人賞を受賞。以降、映画、ドラマ、舞台などで幅広い役柄で活躍。現在公開中の映画『黄金泥棒』では主演を務める。NHK ドラマ10『コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店』<全10回 毎週火曜22:00~22・45> に出演中。
撮影/酒井貴生(aosora) ヘアメーク/ 岡野瑞恵 スタイリスト/朝倉 豊 取材・文/渡部夕子
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