【更年期に終わりのサインはある?】更年期後も元気に過ごすためのセルフケア5選
心身ともにさまざまな不調が起こる更年期。症状の程度や期間は人それぞれで「この不調、いつまで続くの?」と悩んでいる人は少なくありません。更年期の終わりのサインや更年期の終わりに向けて意識したいセルフケアを紹介します。
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1.更年期の終わりのサインはある?
更年期の終わりは、ひと目で分かる明確なサインがあるわけではありません。女性ホルモンの急激な変化に体が少しずつ慣れるにつれて、不調の波が小さくなっていくことが多いです。女性の平均閉経年齢は50歳前後で、更年期の症状は50代後半以降に落ち着くことが多い傾向にあります。
ただし、更年期の諸症状は程度や期間などに大きな個人差があるものです。自律神経の乱れによって起こる不調も多く、いったん落ち着いたように感じても、睡眠不足や疲労、ストレスをきっかけに不調が再発することも少なくありません。
2.更年期の時期別の特徴を知っておこう
更年期の終わりを知りたいときは、まず自分が今どの段階にいるのかを大まかに把握しておくことが役立ちます。時期ごとの体の変化を見てみましょう。
①プレ更年期
プレ更年期とは、更年期に先立って月経や体調の揺らぎが目立ち始める時期で、主に30代後半〜40代前半が当てはまります。女性ホルモンの変動が始まることで、疲れやすさや冷え、イライラ、眠りの浅さなどのなんとなく不調が出やすくなります。
この段階では、まだ更年期と気づかず無理を重ねてしまいがち。けれども、ここで睡眠や食事を整えたり軽い運動をしたりする習慣を持っておくと、その後の不調をやわらげやすくなります。
②更年期
更年期は、閉経前後のそれぞれ約5年間、合計約10年間を指します。エストロゲンが大きくゆらぎながら減少し、自律神経の乱れが起きやすくなる時期です。これにより、ほてりや発汗、動悸、不眠、肩こり、気分の落ち込みなどが重なって現れることがあります。
特に、閉経前後の2年間は更年期の症状が強く出やすい傾向があります。症状が重くなると日常生活に支障をきたすことも少なくありません。気になる症状が続くなら、セルフケアだけで抱え込まず、婦人科で相談しましょう。
③アフター更年期
アフター更年期は閉経から数年経って急激なホルモン変動がおさまり、更年期症状が軽くなる時期です。閉経の時期を知ることは、症状が落ち着く目安を考えるうえでも役立ちます。
女性ホルモンの低下そのものは続くため、骨粗しょう症や脂質異常、血圧上昇などが起きやすくなります。こうした変化は女性ホルモンが減少し始める頃から徐々に起こるため、更年期の間から対策しておくことが大切です。
3.更年期の終わりに向けたセルフケア
更年期の症状は毎日の過ごし方を少し整えるだけでも軽減できる可能性があります。また、更年期が終わった後の健康を維持するには規則正しい生活を意識することが大切です。続けやすいセルフケアを紹介します。
①大豆イソフラボンを摂る
大豆イソフラボンを摂ると、腸内細菌の代謝によってエストロゲンに似た構造を持つ成分「エクオール」が生み出されます。エクオールが増えることで更年期のほてりなどの症状をやわらげたり、骨や血管などの健康を保ちやすくなったりする効果が期待できます。
大豆イソフラボンは豆腐、納豆、味噌、豆乳などの大豆製品に含まれています。朝食に納豆を食べる、夕食の味噌汁に豆腐を入れるなど、日々の食卓に無理なく取り入れましょう。
②カリウム・カルシウムを摂る
高血圧や骨粗しょう症の対策として、カリウムやカルシウムを摂ることも大切です。カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を助け、血圧管理に役立つ栄養素です。海藻類やいも類などに多く含まれます。
一方、カルシウムは骨の主成分で、不足すると骨密度が低下して骨粗しょう症につながりやすくなる栄養素です。カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚などに多く含まれます。カルシウムはマグネシウムと合わせて摂ると筋肉や神経の働きを安定させる効果も期待できるため、マグネシウムを含む海藻類や魚介類などと組み合わせて摂るのがおすすめです。
③ストレッチや筋トレを習慣にする
ストレッチや筋トレで筋肉を維持・向上させましょう。適度に体を動かすことで血行促進や自律神経を整える効果が期待でき、更年期の諸症状の改善につながります。
また、筋肉量は基礎代謝や姿勢の安定にも関わります。週2〜3日を目安に筋トレを行い、ウォーキングなどの有酸素運動をする、就寝前や入浴後に軽いストレッチをする、テレビを見ながらスクワットを数回行うなど、続けやすい方法から始めてみましょう。
④睡眠の質を高める
更年期には自律神経が乱れて睡眠の悩みが増えやすくなるため、睡眠の質を高めるための対策もしましょう。入浴は就寝1〜2時間前に済ませると、就寝する頃に深部体温が下がって自然な眠気が促されます。
また、就寝間際の食事は控え、カフェインを含む飲み物やお酒も控えめに。夜は照明をやや落とし、スマホの使い過ぎを避けることも、睡眠の質向上に役立ちます。
⑤漢方薬を活用する
更年期後も健康的に過ごすには、漢方薬を活用するのもおすすめです。漢方薬は心と体のバランスを整えて不調の改善を目指すものです。体質から改善するため、慢性的な不調が起きにくい体作りをサポートします。
更年期後の健康維持には「冷えや加齢によるホルモンバランスの乱れを改善する」「血流を改善して全身に栄養を届ける」「胃腸の機能を高める」「自律神経のバランスを整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
<更年期後の健康維持におすすめの漢方薬>
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
疲れやすく、手足の冷えやすい人に。体全体を温めて新陳代謝を高めながら、血流を良くして全身に栄養を届けるとともに、加齢により衰えた泌尿器系の機能や足腰の健康維持に役立ちます。
・人参養栄湯(にんじんようえいとう)
手足が冷えやすく、貧血気味の人に。胃腸の機能を高めて体力と気力を補い、全身に栄養を届けることで疲れやすさや食欲不振の改善に役立ちます。
更年期後の不調に使われる漢方薬はほかにもあり、自分の症状や体質に合ったものを選ぶことが大切です。自己判断で漢方薬を服用すると、効果が実感できないだけではなく思わぬ副作用が出ることも。自分に合う漢方薬を知りたいなら、漢方薬に詳しい専門家に相談しましょう。
【更年期の終わりのサインに関するQ&A】
Q.更年期の症状が人によって異なるのはなぜですか?
更年期症状の程度などは、女性ホルモンの低下だけで決まるものではありません。体質や性格、家庭や職場の環境、生活習慣などが重なって現れ方が変わるため、症状の種類も強さも人それぞれです。
Q.更年期後に注意すべき心身の変化はありますか?
更年期後は、女性ホルモンであるエストロゲンの減少による不調に注意が必要です。エストロゲンには骨や血管、肌などの健康を保つ役割があり、減少することで骨粗しょう症や脂質異常症、高血圧、乾燥による肌トラブルなどが起きやすくなります。また、気分の落ち込みや意欲の低下が続くこともあるため注意しましょう。
Q.更年期後の生活で気をつけるポイントはありますか?
エストロゲンの減少による生活習慣病のリスクが高まるため、食事や運動、睡眠などの生活習慣を整えることが大切です。特に骨粗しょう症になると転倒による骨折が起きやすくなります。骨粗しょう症予防のためには、カルシウムなどの栄養の摂取や日常的な運動、転倒予防を意識しましょう。
<参考文献>
※ 公益社団法人日本産科婦人科学会「更年期障害
※ 厚生労働省健康日本21アクション支援システム〜健康づくりサポートネット〜「「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:筋力トレーニングについて」
※ 厚生労働省健康日本21アクション支援システム〜健康づくりサポートネット〜「快眠と生活習慣」
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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