政井マヤさん、40代前半に不調が続き更年期に直面。夫の「無理しないで」が救いに

元フジテレビアナウンサーの政井マヤさん。俳優・前川泰之さんと結婚し、3人の子どもに恵まれた5人家族です。マヤさんが30代40代と歩んできた道のりには、今、多くの人が直面する悩みと重なるテーマがありました。子どもの“不登校”、自身の“更年期”、そしてコロナ禍での“都内から湘南への移住”。それぞれの局面で、夫婦としてどんな選択をし、家族としてどう支え合ってきたのか。自分ひとりで抱え込まず、家族を巻き込みながら前に進んでいく——。起きた出来事を「どう向き合い、どう選ぶか」という問いへと変えていく、その姿勢に迫ります。

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本当に一歩も動けない——40代はじめ、理由のわからない不調の始まり

40代になった頃から、なかなか疲れが取れなくなって、なんとなく身体がしんどい日が続くようになりました。目の前にいる子どもたちは可愛いし、気持ちはハッピーなのに、どうしても体が動かない。「なんでこんなに辛いんだろう」と思って、いろいろ調べても、はっきりとした理由は見つかりませんでした。

今でも忘れられない出来事があります。ある雨の日、どうしてもめまいがひどく起き上がれなくて、子どもたちをどこにも連れていけず、ただ気持ちも体も沈んでいました。そんな時、ふと目に入ったのが、張り替えなくてはと思っていた部屋の壁に描かれた落書き。。。その瞬間、「今日はこの壁、好きにお絵かきしていいよ」って、思わず口にしていたんです。子どもたちも「いいの?」と驚きながら、クレヨンや絵の具を手にして、寝室の壁に思い思いの絵を描き始めて。その様子を見ながら、「私、相当疲れているんだな」と、どこか冷静に思っている自分がいました。じゃないと、こんな発想は出てこないなって。本当に一歩も動けない状態で。何も知らずに帰ってきた夫が、家の中の光景に絶句していたのも、今でも強く印象に残っています。

そんなふうに、理由の分からない不調が続く中で、ある時、婦人科でホルモン値を測ったことがありました。すると、早めの更年期を告げられてしまって…。まだ40代になったばかりで、「ああ、そうか」と思う一方で、どこか受け入れきれない自分もいて、すごく戸惑ったのを覚えています。
その後、ピルを使った治療も試してみたのですが、私には身体が合わなくて続けられず、結局そのまま、だましだまし過ごしてきました。3人の子育てに追われる毎日の中で、自分の不調は後回しにして、「こんなものなのかな」と思いながら乗り切っていたんです。

でも、ここ5年くらいでホルモン治療を始めてみたら、やっぱりすごく楽になって。「ああ、これは更年期の辛さだったんだ」と、ようやく実感として理解できました。特にホルモンパッチを貼った時は、本当に驚くほど体が軽くなって、「私に足りなかったのはこれだったんだ」と感じたんです。全身がふっと底上げされるような感覚というか、以前とは比べものにならないくらい、心も体も楽になりました。

「分かってもらえない」から「分かり合える」へ——夫婦で乗り越えた更年期

体の不調が始まった頃、私のこの状態を、夫もどう受け止めていいのか分からなかったと思います。病気ではないのに、なぜそんなに疲れているのか理解できない——きっと、夫なりに戸惑っていたんですよね。
私自身も、分かってもらえないということが、すごく切なかったんです。自分でも理由がはっきり説明できない不調だからこそ、ただ横になっているだけに見えてしまう。その曖昧さが何より苦しくて。負担をかけてしまっている申し訳なさもあるし、でも本当は怠けているわけじゃない。その気持ちがうまく伝わらないことで、寂しさやもどかしさがどんどん積み重なっていく感覚がありました。

でも、少しずつ変わっていったんです。更年期についての情報が増えていく中で、お互いに記事を送り合ったり、「こういうのあるよ」と共有するようになって。夫のほうからも「これ見てみたら?」と声をかけてくれるようになり、少しずつ理解が重なっていきました。

そんな中で、「無理しないでいいよ」と言ってもらえた時、ふっと肩の力が抜けたのを覚えています。

そしてもう一つ、大きかったのは、自分の中で“開き直る”ように考え方を変えたことでした。家のことや子育てのこと——できない自分に一番イライラしていたのは、きっと私自身だったと思います。だから途中から、どうせ完璧にできないなら、せめて笑顔でいようと思うようになったんです。そうしたら、不思議と家の空気も少しずつ変わっていきました。
夫も、特別に何かを言うというより、粛々と受け入れてくれていて。その姿を見ていたからか、子どもたちも「今はそういう時なんだ」と自然に受け止めてくれていた気がします。
当時は、下の子に「ママ、今日、元気残ってる?」と聞かれることもあって、今思い返すと少し切ないですね(笑)。でも、あの頃はそれも含めて、家族の中でちゃんと共有できていた感覚がありました。
更年期って、自分ひとりで抱え込むものだと思っていたけれど、振り返ってみると、家族みんなで少しずつ乗り越えてきた時間だったんだなと思います。

今は、「少し出口が見えてきたかな」と感じています。これからの50代は、今までの延長ではなく、まったく新しいステージにしていきたいと思っています。

更年期は“失う時間”じゃない——自分を整え直すための大切な期間

更年期の症状って、本当に人それぞれなんだと感じています。私の場合は、めまいや、少し動いただけで動悸がして疲れてしまうこと、頭がぼーっとしてしまうことなどがあって。でも当時は、それも更年期の症状だとは思っていなかったんです。「自分はまだ違う」と、どこかで思い込んでいて。でも振り返ると、髪がパサついたり、朝起きた時に関節が痛かったり、いろんなサインが出ていました。それがホルモン療法を始めたことで、すっと軽くなっていった時に、「あ、こんなに影響していたんだ」と実感したんです。ホルモンは血液検査で比較的簡単に測れる、ということを知ったのも大きかったですね。

病気ではないからこそ、診断が曖昧な部分もあるけれど、QOLが上がるという意味では、私はすごくやってよかったなと思っています。ただ、一度、「なんとなく合わない気がする」と感じて、治療をやめてしまった時期もありました。

今思うと、もっと続けたり、違う方法を試したりしてもよかったのかなとも思うんですが、その頃は、病院に行く元気すらなかったんですよね。正直、40代の半分くらいは、必要以上に我慢してしまった感覚もあって。もっと早く向き合えていたら、と思うこともあります。

だからこそ、不調を感じた時に相談できる婦人科医を、早めに見つけておくことはとても大事だと思っています。対処法も、漢方やサプリ、ホルモン療法など本当にいろいろあるので、ひどくなる前に、自分に合う方法を見つけていくこと。

そして何より大事だと感じたのは、「頑張りすぎないこと」でした。更年期は病気ではないからこそ、弱音を吐きづらい。でも、無理な時は無理でいいし、できない自分を責めなくていい。

以前はできていたことができなくなると、どうしても自己嫌悪になってしまうけれど、その時間って、今振り返るとあまり意味がなかったなと思うんです。それよりも「じゃあ、どうしたら少し楽になれるかな」と考えるほうに意識を向けた方が、ずっと楽でした。

更年期は、ただ何かを失っていく時間ではなくて、変化を受け入れていく時間なんだと思うようになりました。今までできていたことを手放すこと。似合っていたお洋服が変わっていくこと。

簡単ではないけれど、その中で、新しい価値観に出会えたり、自分のなかに積み重なってきた経験や強さ、優しさに気づけたりもする。私の場合は、更年期は、自分を見つめ直して、整え直すための時間だったと感じています。

政井マヤさんProfile

元フジテレビアナウンサー。2000年代に情報・報道番組を中心に活躍し、知性と柔らかさを併せ持つキャラクターで人気を集める。退社後はフリーアナウンサーとして活動の幅を広げ、テレビやイベントMC、講演など多方面で活躍。俳優・前川泰之さんと結婚し、3児の母。
現在は、湘南エリアに拠点を移し、地元FM局でのパーソナリティとしても活動。地域に根ざした情報発信を通じて、新たな一面を見せている。

〈衣装協力〉デニムジャケット¥28,600(ELENDEEK) シャツ¥25,300 パンツ¥24,200(ともにプルミエ アロンディスモン/プルミエ アロンディスモン NEWoMan新宿) ベルト¥17,600(レフィエ/オブリオ) ピアス¥47,300(スキャット) リング[右手]¥23,100(LiiiNともにロードス) ネックレス¥27,500 バングル[2個セット販売]¥9,900 リング[左手中指]¥9,450(すべてアビステ) リング[左手薬指](本人私物)

【ショップリスト】
アビステ 03-3401-7124
ELENDEEK 03-6853-0100
プルミエ アロンディスモン NEWoMan新宿 03-3226-5551
ロードス 03-6416-1995

撮影/中田 陽子 ヘア・メーク/渡辺 みゆき スタイリスト/田中 梨奈 取材/日野 珠希

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