自らの考えをしっかりと話す姿勢は、きっと日々自問自答しながら仕事に向き合っている表れ。オフはインドア派で窓を網戸も含め拭いていたりと（！）意外な一面も語ってくれて、演技の幅は人としての幅なのだなと感じました。

自分がしたいと思うことをしている人。そういうカッコいい30代になりたい。

ジャケット￥520,300スカート￥124,300サンダル￥116,600（すべてトッズ／トッズ・ジャパン）ブレスレット￥1,278,000ピアス￥979,000ゴールド太リング￥495,000ゴールド細リング￥231,000シルバーリング￥605,000（すべてFRED）トップスはスタイリスト私物

正解がない仕事だからこそ、自分の納得のいく仕事をしたい

役者を続ける原動力は、求めてくれる人の存在が一番。「愛ちゃんのおかげで元気をもらいました」と言ってもらえたり、「いつもありがとう」とDMをもらうのはすごくうれしいです。少しでも誰かを勇気づけたり、救える存在になれているのなら幸せだし、その思いがモチベーションに繋がっています。ファンのみなさまの前では公言していますが、私はインスタのコメントやDMは必ず見る派。みなさんからいただく言葉やリアクションのおかげで頑張ろうって思えるし、そのためにこの仕事を続けている部分もあります。作品の反響もコメントで知ることが多いですね。「そう見えたんだ」という発見になったり、自分が失敗したなと感じた部分を褒めてもらえると、「あれで正解だったのかな」って思い直したり。いろいろ考えながらメッセージに向き合っています。
作品は必ずしも順を追って撮影するわけではないので、自分の演技を振り返って「まだまだだったな」とか「もっとこうすればよかった」と、反省する場面も少なくありません。たとえば、少しずつ好きになっていく過程を演じるストーリーだとしたら「この演じ方は好きになりすぎているかも」とか「この段階ならもう少し距離があってもよかった気がする」みたいに常に復習しながら表現を模索しています。正解がない仕事だからこそ、自分の中で納得のいくものにしたい。そのためにも復習は大事だと思うので、過去の作品も見返します。そこで反省もしますが、過去の自分がいい演技をしていたら、「上手くできてるじゃん」と素直に自分を褒めることもあります。

今できなくても、いつかできるでしょ、と思うようにしています

この業界は周囲の活躍が目に見えて分かる世界なので、周りと比べてしまうこともあります。プライベートで街中を歩いているといろいろな情報が入ってくるので、「私もこの仕事したかったな」と思ってしまったり。普段の生活でも周りの仕事が目に入るから、どうしても気になってしまって。でもそんなときは「いつか自分もできたらいいや」と思うようにしています。悔しい気持ちもありますが、「今じゃなかっただけで、いつかできる」と思考を変える。毎回落ち込んでいるととことん落ちてしまうし、強くなければこの仕事はできない、というのが私の考え。人は人、自分は自分なので自分のペースを大事にしたくて。ネガティブな感情に囚われてしまうと、上手く笑えなくなったりして、演技にも影響が出てしまうので、自分の感情をコントロールすることは心掛けています。

「全部が楽しい」が理想だけどそれは難しいから

キャリアを重ねる中では、所々でくじけそうになることもあります。疲れ切っていたり、気持ち的に落ちていると、どうお芝居をしたらいいのか分からなくなるんです。例えば、涙を流すシーンで、ストーリー的に泣く流れも、それが自分の仕事なのも分かっていながら、ふと「私はなんで泣くんだろう」と考えてしまうこともあって。ここ最近もありましたし、一年に何回かは直面します。そういうときは、とりあえず自分を甘やかすことにしています。
プライベートではなんでも話せたり、ワガママを許してくれるような間柄の人に会ってストレスを作らないようにしたり、愛犬と遊んだり…。普段から癒しのパターンをいくつかストックしておいて、「今の気分にはコレ」と当てはめて自分を癒す。どんな状況にも対応できるように、癒しの方法をたくさん持っておく。
ありがたいことに私は好きを仕事にしていますが、全部が全部楽しいかって言われるとそうではなくて、時には嫌なことや辛いこともあります。全部が楽しいって理想だけど難しいから、自分で自分の機嫌を取りながら1個1個クリアすることも大切にしています。

撮影／土山大輔〈TRON〉　ヘアメーク／窪田健吾〈aiutare〉　スタイリング／倉田 強〈tokyoMATTo〉取材／坂本結香　撮影協力／バックグラウンズファクトリー　再構成／Bravoworks.Inc