語学の伸び悩み……伸びなさすぎて悩むのを辞めました【Ritaの大人留学⑰】

こんにちは、Ritaと申します。日本を出国して一年以上が経ちました。そんなに長い間スペインにいたら言葉もペラペラで友達もいっぱいだね!と言われ……はい、私もそう思っていました。しかし今の私は、言葉はおぼつかず、友達も出来たと思ったらお別れの日々。その為、この一年で低迷した話が沢山蓄積されました笑。今回はそんな伸び悩みの時期をどう過ごしてきたか、一年以上経ったからこそ感じた気持ちも報告させていただきます。

「ゼロから学んだ言語が、1年間でベラベラになる」こんな広告を目にすることがありますが、相当な努力家の話で、一般的にはとても難しいと思います。私はまず海外で一人で生活すること、勉強する毎日に慣れることに時間がかかりました。日本でフルタイムでの仕事は続けていたものの、予習復習をするような勉強は約30年ぶり。一言も分からない授業に座り、毎日とても疲労感がありました。学校でも街中でもスペイン語で話しかけられると「聞き取ろう」と思う前に、外国人を目の前に頭が真っ白、言葉が何も入ってきませんでした。

習慣化したのにさっぱり伸びない!

慣れない勉強を自分なりに習慣化し、朝起きたらスペイン語の放送を聞き、単語を見直し、授業後は宿題を解き、作文して、音読して……。決して毎日何もしないで暮らしていたわけでは無いのに、一向に変わらない自分に飽き飽きしました。質問が飛び交うクラス内でも、私は質問する文章が口から出せない日々。きっと日本人には難しいんだ、年齢的に覚えられないんだ、と言い訳ばかり考えるように……。でも同じような環境の日本人で、しっかり習得されている人に出会うと、私やっぱり何か違う?やり方間違えてる?と自問自答の日々でした。

仲間の真似したのに何も変わらない!

留学生仲間はそれぞれ目的が違い、「今の仕事に活かしたい」「就活までに資格を取りたい」「頭の回転の為」など、色々な人がいます。違う目的であっても隣で勉強する仲間は励みになり、特に母国語が英語圏ではない人達の努力は大変参考になりました。彼女達が見ているYouTubeを真似して見て、同じ言語アプリで会話相手を見つけ、通っているコミュニティの場に着いて行ったりもしました。でも残念なことに、私に特に大きな変化はありませんでした。ただ、現地の人と交流を持つにはコミュニティ参加が良いきっかけに。その後、交流会で知り合った女性に、時々会話練習をしてもらいました。

自分のスピードを認める!

「もっと会話の機会を探して!」と先生にも勧められ、カフェやバルで隣の人を捕まえては話してみましたが……でもそういうことは、私はあまり好きではないことにも気づいてきました。語学の習得方法は人それぞれで向き不向きがあるはず。そして誰もが言うように、一足飛びはなく地道に進むのみ。私の場合そのスピードが遅く、「それが自分なんだ」と認められるようになってきました。単語は1日3回見直しても忘れ、それを1週間続けて何とか頭に入るレベル。でも誰かと比べ、何かに焦ると、ここにいる価値さえ見失ってしまいそうでした。ここスペインでは、元気に暮らすことが何よりも優先!と思うようになりました。

語学習得の情報は世の中に溢れ、私も「これだけやれば大丈夫!」といったサイトを何十種類も見ました。でも他の人が成功した例でも、自分には合わないことがあります。そして自分の性格を変えてまで習得するのは無理。私の場合、大勢の中では元気がでるどころか萎縮してしまい自分が出せません。元々壇上で話したり踊るなんて、とても出来ないタイプ。ゆっくりでも落ち着いて自分のペースを守ることが、1年間手探りしてわかったことです。それでも、昨年は何も聞き取れなかった授業が理解できるようになり、中途半端だった文法も頷けるようになりました。今、やっと「勉強している」実感があります。焦ることをやめたら伸び悩みが無くなりました。私は悩む為にスペインに来たのでは無く、人生を楽しむ為に来たのです。

この記事では月2回の連載を通して、楽しい50代を過ごす為の挑戦を、読者の皆様と共有していきたいと思っております。無鉄砲な新たな人生を、一緒に楽しんでいただけたら嬉しいです!

過去の連載はこちら

撮影・文/Rita
Ritaさんの日常がリアルタイムでわかるTwitterはこちら

Rita

結婚、出産、離婚、子育てを経て、あとは終活を……と考えていたとき、娘さんの「人生もうやることないって言っているけれど、まだなんだってできるでしょ。留学でもしてみたら?」のひと言に突き動かされ、スペイン留学を決意。お金、コネ、語学力がなくても、情熱ひとつで日々をまい進する「Rita流留学ルポ」をSTORYwebで更新中。

STORY