【続】「あれは、彼のほうから…」女風体験の“一線を超え”で38歳シングルマザーが見た冷静な現実

巷でよく耳にするようになった「女性用風俗=通称・女風」。

38歳、シングルマザーの有紗さん(仮名)は女性用風俗を「エステの延長」のような感覚で楽しんだそう。特段深い感情はなく、ただ心地よいサービスを受けるべく2度目の指名をしたところ……。

なんとセラピストのほうから“本番行為”を持ちかけられたのです。その瞬間の続きを、有紗さんは冷静に語ってくれました。

▼前半はこちらから
【実録】「恋愛もセックスも、なくても生きていける」——38歳シングルマザーが、女性用風俗でまさかの“禁断のルール”を…

本番は絶対NG。だけど…

——このまま、したいな。

2度目に指名したセラピストから、まさかの“禁忌”である本番行為を仄めかされた有紗さん。彼女は雰囲気に流されながらも、冷静にその場の空気を観察していたそう。

「あんなふうに緊張感を持つことは今の私の生活に皆無ですし、興奮がピークに高まるのを感じました。一方で、これは女風のルールとして絶対にNG行為だな……ともわかったので戸惑いもあって。

でも……まあ、せっかくだしいいかなって

そして、目だけで頷くような小さな小さな合図で、そのままごく自然に本番行為が始まったと言います。

「私から誘ったわけじゃないし、彼も特に強引な感じはなかったです。でも、やっぱり技術や空気の作り方は……さすがだと思いました

有紗さんは照れたように目を伏せましたが、その表情には何とも言えない色気が漂います。

「特別な意味は持ちたくない」

しかしながら、それで心が揺れたかといえば、それはまた別な話だと言います。

「終わったあとは、ある種の爽快感みたいなものはありましたが、やっぱり深い感情はありませんでした。どちらかというと、特別な意味は持ちたくないな……と逃げ腰な気持ちが勝っていて。

少し距離が縮まったというか、共犯意識みたいなものはありましたけど、彼のほうもたぶん“バレたらまずい”とか考えてたはずです」

親しい空気を出すべきか否か。突発的な禁断行為のあとの妙な連帯感、そして気まずさ。有紗さんはあくまで冷静だったようです。

「部屋を出るとき、案の定彼から『ふだん本番は絶対にしないから、知られたら本当に大変なことになるので内緒にしてほしい』と言われました。甘えるような口調だったんですけど、ちょっとシラけました。この子、思ったより“プロ”じゃなかったなって」

いい意味で、裏切られた

その後、有紗さんの気持ちはさらに冷めることになったそう。

「前回よりもちょっと砕けた営業のLINEが来るようになったんです。『早く会いたいな』『来週は空いてる?』とか。もちろん指名予約が欲しいんでしょうけど、プライベート感を出すような感じが何だか……。

中途半端な色恋営業をされているようでやっぱりシラけてしまって、ああ、これはもうないなと思いました

女風で一線を越えた体験。その後に残ったのは、ときめきでも後悔でもなく“シラけた気持ち”。ひょっとすると、そういう意味合いも含めて本番行為はNGなのかもしれません。

「たぶん私が求めていたのは “ちょうどいい温度感”だったんですよね。恋愛感情はいらない。でも、下手な商売感も嫌。1度目はいい距離感だったと思いますが、本番をしたことでそれが崩れちゃったんでしょうね」

一方で有紗さんは、女風を定期的に利用する女性たちの気持ちも理解できるそう。

「求めていたものに“ぴたっ”とハマるセラピストに出会えたら、通いたくなりますよね。私はいい意味で裏切られたし、結果的に面白い経験ができました。女風ってもっと仕組み化されたサービスだと思っていたので」

女風とはいえ、あくまで人と人の関係。セラピストによって、温度感も対応もまちまちなのでしょう。

「私が求めている“気楽さと余韻”をくれる人って、案外いないのかもしれません。見る目が厳しいだけかもしれませんが」

最後に、次に利用する予定はありますか? と聞くと、有紗さんは笑いながら答えました。

「うーん……気が向いたら、もうちょっと探してみるかもしれません。もしちょうどよくハマる人に出会えたら、それは面白そうですから」

▼その他の〝女風〟体験話はこちら
【実録】「また女として“感じられる”なんて、思ってなかった」—セックスレス20年。47歳既婚女性が“女性用風俗”に手を伸ばすまで
【実録】「ただ、癒されたかった」—47歳シングルマザーが女性用風俗を利用するまで

取材/山本理沙
STORY